チップをもらう店員の時給は2ドル13セントから?アメリカの州で違うルール|日本人が知らないアメリカの常識
2026年9月24日

この記事の要点
- アメリカの連邦のルールでは、条件を満たせば、チップをもらう店員に店が払う時給は最低2.13ドルからです。
- チップと合わせて連邦の最低賃金の時給7.25ドルに届かなければ、足りない分は店が払います。
- カリフォルニア州など7つの州は、チップとは別に州の最低賃金を全額払う決まりです(2026年7月時点)。
アメリカの連邦のルールでは、一定の条件を満たせば、店は店員が受け取ったチップを最低賃金の一部に数えることができます。その場合、店が直接払う時給は最低2.13ドルです。連邦の最低賃金である時給7.25ドルとの差の最大5.12ドルを、客が払うチップで満たせる仕組みです。
ただし、このルールは州によって大きく違います。チップとは別に州の最低賃金を全額払う州もあれば、州の最低賃金が時給15ドルでも、店が払う時給は2.13ドルのままの州もあります。
チップを受け取る店員の時給について、米労働省の州別の一覧などで見ていきます。
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今回は飲食店のチップと給料の話です。
連邦のルールでは、チップも給料の一部
米労働省の説明では、この仕組みの対象は、月30ドルを超えるチップを通常受け取っている店員です。店がチップを最低賃金に数えるには、事前に店員へ知らせるなどの条件があります。
ただし、チップと店の時給を合わせても、1週間の平均で1時間あたり7.25ドルに届かない場合は、足りない分を店が払わなければなりません。また、店や店長が、店員のチップを自分のものにすることは禁じられています。
つまり、連邦法上の最低ラインは時給7.25ドルで、一定の条件を満たす場合、そのうち最大5.12ドルをチップで満たせる仕組みです。
州によって3つのタイプに分かれる
多くの州には独自の最低賃金のルールがあり、州と連邦の両方のルールが適用される店員には、高いほうの最低賃金が適用されます。米労働省の2026年7月時点の一覧では、チップを受け取る店員の時給について、州は大きく3つのタイプに分かれています。
1つ目は、チップとは別に、州の最低賃金を全額払う州です。カリフォルニア州やワシントン州、オレゴン州など7つの州がこのタイプで、チップを最低賃金に数えることは認められていません。
2つ目は、連邦のルールである2.13ドルより高い額を店が払う州です。アリゾナ州やイリノイ州などがこのタイプで、額は州ごとに違います。
3つ目は、連邦のルールと同じ2.13ドルの州で、テキサス州やジョージア州など15の州がこのタイプです。なかには、ネブラスカ州のように州の最低賃金が時給15ドルでも、チップを受け取る店員に店が払う時給は2.13ドルからという州もあります。この場合も、店が払う時給とチップを合わせて州の最低賃金に届かなければ、差額は店が払う仕組みです。
| 州 | 州の最低賃金 | チップを受け取る店員に店が払う時給(最低) |
|---|---|---|
| カリフォルニア州 | 16.90ドル | 16.90ドル(チップとは別に全額) |
| ワシントン州 | 17.13ドル | 17.13ドル(チップとは別に全額) |
| アリゾナ州 | 15.15ドル | 12.15ドル |
| イリノイ州 | 15.00ドル | 9.00ドル |
| ネブラスカ州 | 15.00ドル | 2.13ドル |
| バージニア州 | 12.77ドル | 2.13ドル |
| テキサス州 | 7.25ドル(連邦と同じ) | 2.13ドル |
※米労働省の一覧(2026年7月1日時点)から抜粋。州内の市が独自に定める最低賃金は含みません。
州で違う店員の時給
州によって、店員の時給にも差があります。米労働統計局の2025年5月の統計では、ウェイターの時給(チップを含む)の中央値は、カリフォルニア州が17.35ドル、テキサス州が11.18ドルでした。ただし、この数字には州ごとの物価の違いは反映されていません。
店が払う時給が2.13ドルからの州では、一定の条件のもと、店は最低賃金との差額にチップを充てることができます。一方、カリフォルニア州のように全額を払う州では、チップは最低賃金に上乗せされる形です。同じチップでも、店員の給料の中での重みは州によって違います。
働く人の休憩時間の決まりも、州によって違います。カリフォルニア州のルールは昼休みの回で解説しています。
まとめると、米労働省の一覧では、チップを受け取る店員に店が払う最低の時給は、州によって2.13ドルから17ドル台まで分かれています。連邦のルールでは、一定の条件を満たせば、チップを最低賃金の一部として数えることができます。
なお、本記事の内容は2026年9月時点のものです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を提供するものではありません。個別の事案については、適切な資格を有する専門家にご相談ください。
情報源
米労働省(U.S. Department of Labor) – Fact Sheet #15: Tipped Employees Under the Fair Labor Standards Act
米労働省(U.S. Department of Labor) – Minimum Wages for Tipped Employees
米労働省(U.S. Department of Labor) – Minimum Wage
米労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics) – OEWS May 2025: California
米労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics) – OEWS May 2025: Texas
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