「年収1,500万円」はアメリカのシリコンバレーで通用するのか|日本人が知らないアメリカの常識
2026年9月14日

この記事の要点
- 年収1,500万円(約9万7,000ドル)は、シリコンバレーのサンタクララ郡でフルタイムで通年働く人の収入の中央値に届きません。
- サンタクララ郡の家賃の中央値は、光熱費などを含めて月2,841ドルです(2024年)。
- 給与以外の所得がない1人暮らしなら、年収1,500万円は州の一部の住宅支援で使う「低所得」の区分に入ります。
日本で「年収1,500万円」と聞くと、高収入という印象を持つ人が多いのではないでしょうか。では、シリコンバレーではどうでしょうか。
国税庁の統計では、2024年に1年を通じて勤務した給与所得者のうち、年間の給与が1,500万円を超えた人はわずか約1.7%です。
この1,500万円をドルに直すと、約9万7,000ドルになります(1ドル=154.22円。2026年9月11日の日本銀行公表の東京市場スポット・レート、17時時点で換算)。
この記事では、シリコンバレーをカリフォルニア州サンタクララ郡として、この金額がどのくらいの位置にあるのかを、米国勢調査局とカリフォルニア州の統計で見ていきます。
日本人が知らないアメリカの常識を、日本との違いから解説するシリーズです。これまでに解雇された翌日に何が起きるのか とPIP(業績改善計画) となぜアメリカ人は転職を繰り返すのか を取り上げました。今回はお金の話です。
サンタクララ郡に住み、フルタイムで通年働く人の収入の中央値は10万6,233ドル(約1,640万円)
米国勢調査局の年次調査(2024年)によると、サンタクララ郡に住み、フルタイムで1年を通じて働いた人の収入の中央値は、10万6,233ドルでした。中央値は、収入を低い順に並べたときに、ちょうど真ん中にくる値です。
同じレートで円に直すと約1,640万円です。1,500万円(約9万7,000ドル)は、この中央値に届きません。
日本とアメリカの統計は、対象の取り方も集計の方法も違うので、そのまま比べることはできません。それでも、日本では年間の給与が1,500万円を超える人が約1.7%にとどまる一方で、1,500万円をドルに換算した約9万7,000ドルはサンタクララ郡の中央値を下回る、という位置の違いは見て取れます。
家賃の中央値は月2,841ドル。年収1,500万円は、1人世帯なら一部の住宅支援で使う「低所得」区分に入る水準
次に住居費を見てみます。同じ調査(2024年)では、サンタクララ郡の家賃の中央値(光熱費などを含む総家賃)は月2,841ドル(約44万円)でした。年に直すと約3万4,000ドルで、年収約9万7,000ドル(1,500万円)の場合は3分の1強にあたります。
アメリカで家を借りるときは、収入のほかにクレジットスコアが審査に使われることもあります。詳しくはクレジットスコアの回で解説しています。
住宅支援で使われる所得の区分も見てみます。カリフォルニア州には、一部の住宅支援プログラムなどで使われる所得の区分があり、州の住宅・コミュニティ開発局(HCD)が郡ごと・世帯の人数ごとに、毎年その上限額を公表しています。
2026年版では、サンタクララ郡の「低所得」の上限は、1人世帯で11万3,700ドルです。給与以外の所得がない1人暮らしなら、年収約9万7,000ドル(1,500万円)はこの区分に入ります。
この区分は、一部の住宅支援プログラムで申請資格などを判定する際に使われるもので、実際の対象条件はプログラムごとに異なります。生活が苦しいかどうかを直接示す数字でもありません。
| 日本 | シリコンバレー(サンタクララ郡) | |
|---|---|---|
| 年収1,500万円(約9万7,000ドル) | 年間の給与がこれを超える人は約1.7% (2024年・1年を通じて勤務した給与所得者) | 郡に住みフルタイムで通年働く人の収入の中央値10万6,233ドルより下(2024年) |
| 家賃の中央値 | — | 月2,841ドル=約44万円(2024年・光熱費などを含む) |
| 「低所得」の上限(1人世帯・州の一部の住宅支援で使う区分) | — | 11万3,700ドル(2026年) |
日本では高収入と受け取られることが多い年収1,500万円も、サンタクララ郡では、給与以外の所得がない1人暮らしなら、州の一部の住宅支援で使われる「低所得」の区分に入ります。どちらの暮らしが良いという話ではなく、同じ1,500万円でも置かれる位置が大きく違うということです。
シリコンバレーの住宅建設をめぐる賛否は、NIMBYとYIMBYの回で解説しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を提供するものではありません。個別の事案については、適切な資格を有する専門家にご相談ください。
情報源
米国勢調査局(U.S. Census Bureau) – American Community Survey 2024年1年推計 表B25064「Median Gross Rent」サンタクララ郡
カリフォルニア州住宅・コミュニティ開発局(HCD) – 2026 State Income Limits(2026年6月23日改定)
国税庁 – 令和6年分 民間給与実態統計調査 第3表 給与階級別の総括表
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