01 Expert Pitch #15

MBA or Entrepreneur?


01 Expert Pitch #15

MBA or Entrepreneur?


2022.09.27 TUE 12:00-13:00 JST
Kakeru Tsubota, MBA Candidate, Tuck School of Business at Dartmouth
アメリカでは「The Great Resignation」大退職時代と言われていますが、単純に企業からの解雇が増えただけではなく、自らの意思で仕事を辞める人も増えてきていると言われています。特に、スキルを持った人たちの人生観/価値観が変わることで、さらなるスキルをつけるためにMBA留学したり、新しく起業してチャレンジをしたいという人がどんどん増えています。 今回の無料ウェビナーでは、元SAPシリコンバレーにて数々のイノベーション関連プロジェクトを推進し、現在はアメリカ東海岸のダートマス大学のMBAプログラムに在学中の坪田 駆氏をお迎えして、アメリカエリート層のキャリア感や大手企業の人材活用の違いなど、詳しく解説していただきます。

▼ こんな方にオススメ

  • 米国MBAや起業に興味がある方
  • 優秀な人材をどのように採用/活用したら良いかを考える人事担当者
  • CVC担当、新規事業担当
  • 世界における最新のスタートアップの取組み状況と未来を知りたい方

▼ エキスパート
坪田 駆氏:MBA Candidate, Tuck School of Business at Dartmouth
2011年日本オラクル入社。大手製造業の基幹システム刷新などの大型プロジェクトを主導。2017年にSAPシリコンバレーに転籍し、日本企業の事業変革、新規事業開発、スタートアップ連携などを支援する。その後、SAPジャパンの経営変革プログラムの立ち上げに従事したのち、2021年からアメリカ東海岸のDartmouth CollegeのMBAプログラムに在学中。卒業後は、これまでの営業、経営戦略の知見を活かし、アメリカ国内のテック企業での製品戦略ロールへのキャリア転向を目指している。国際基督教大学卒。

小川:それでは12時になりましたので、01 Expert Pitch第15回を始めてまいります。「シリコンバレー発!世界のエキスパートが最新情報を日本語解説!」ということで、本日は「MBA or 起業?アメリカエリート層のキャリア観と人材活用の違い」をお送りいたします。

さて今回は、元SAPシリコンバレーにて数々のイノベーション関連プロジェクトを推進し、現在はアメリカ東海岸のダートマス大学のMBAプログラムに在学中の坪田 駆さんをエキスパートとしてお迎えしております。坪田さん、どうぞよろしくお願いいたします。

坪田:よろしくお願いします。

小川:そちらは夜中だとお伺いしたのですが、今、何時ぐらいですか。

坪田:11時ですね。あまり時間を意識しないように頑張ります。

小川:ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

坪田:よろしくお願いします。

小川:そして、本イベントの主催者であります、Tomorrow Access, Founder & CEOの傍島さん、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

傍島:よろしくお願いします。

小川:そして、私はナビゲーターを務めてまいります、フリーアナウンサーの小川りかこと申します。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは早速ですが、傍島さん、この01 Expert Pitchウェビナーの狙いなどを少しお話いただけますでしょうか。

01 Expert Pitchとは?

傍島:はい。あらためましてTomorrow Accessの傍島と申します。よろしくお願いいたします。Tomorrow Accessという会社はシリコンバレーを拠点にしたマネージメントコンサルティング会社になります。この01 Expert Pitchは昨年から開始してもう15回になります。今日は坪田さんをお迎えしてお話できるのを非常に楽しみにしてまいりました。

Expert Pitchの狙いは3つあります。1つ目は、「日本とアメリカの情報格差の解消」ということです。多くの日本の企業の方から「シリコンバレーの情報やグローバルの世界の情報を教えてください」という声をたくさんいただきますので、そういった情報を迅速に日本の方にお届けしたいというのが1つ目の狙いになります。

2つ目は、「正しい情報をお届けしたい」ということです。同じニュースでも、なかなかアメリカで感じている温度感と日本に伝わっている温度感が必ずしも一致しない、違うなと感じるときがあるので、きちんと正しい情報をお届けしたいということで、今回ご登壇いただく坪田さんのように、業界のエキスパートの方にきちんと解説していただいて、正しい情報をお届けしたいというのが2つ目の狙いです。

3つ目は、やはり「日本語での解説」ということです。英語の情報をたくさん集めて勉強するというのももちろん可能ですが、なかなか大変ですので、日本語できちんとお届けしたいという、この3つの狙いで01 Expert Pitchを運営しております。

本日も、坪田さんには夜中に無理を言って出ていただきましたが、最新のMBAの情報や世界の動きを教えていただけるということで、私も非常に期待してまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。

小川:傍島さん、ありがとうございます。そして、ウェビナーでは皆様からのご質問を随時受け付けて進行を進めてまいります。参加者の皆様、ぜひ坪田さんにご質問のある場合はZoom画面の下にございますQ&Aボタンからご質問をぜひお寄せください。随時、私のほうで拾ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは坪田さん、まずは簡単に自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか。

坪田 駆 氏プロフィール

坪田:ありがとうございます。坪田 駆と申します。先ほどのご紹介にありました通り、大学院生です。ダートマス大学という、アメリカの地図でいくと一番右上に位置し、本当に田舎の森の中にあって、歴史あるすごく良い環境で大学院生をしています。専攻はビジネスでして、いわゆるMBAを2年間かけて取得中で、ちょうど今、折り返し地点にいるところです。

キャリアとしては10年ぐらいIT業界でずっと働いていまして、日本で7年間、そのあと3年間、傍島さんともそこでお会いしたのですが、サンフランシスコベイエリアで事業開発の仕事をしていました。MBAを経て、できればまたシリコンバレーに戻って、IT業界の中のプロダクトや、よくグラビティの中心と言いますが、本当にイノベーションが生まれているような環境の真ん中で国籍関係なく戦いたいなという思いでMBAに来たところです。また、いろいろとその辺りもお話できればと思います。よろしくお願いします。

小川:よろしくお願いいたします。それでは早速ですが、本日はスライドをたくさんご用意いただいておりますので、ぜひお願いいたします。

坪田:はい。では、私のほうから20~30分ぐらいいただいて簡単に説明します。今日、Expert Pitchの準備している最中に少し胃が痛くて…。(笑)「エキスパートなのか、自分は?」と自問自答しながらつくった資料でして、ここにいらっしゃる皆さんの知らないことや少し新しいことをお届けできればなということでつくりました。タイトルがタイトルなだけにすごくおこがましいのですが、私自身の、どういう考えで今キャリアを自分が選択したかといったところを中心に、一緒に学んでいる環境はアメリカのエリート層が多いので、タイトルにあるようなお話を少し皆さんとディスカッションできればと思います。

傍島:100%エキスパートですから問題ないです。(笑)よろしくお願いします。

小川:そうですね。(笑)

坪田:そうですね。学生生活に関してはエキスパート、ということでお聞きいただければと思います。

傍島:とんでもないです。

坪田:先ほど自己紹介させていただきましたけれども、今、Tuck Schoolという、1900年にできた、100年以上続いているMBAのスクールに通っています。MBAというプログラム自体を提供し始めたのが世界で初めての学校らしくて、ものすごく由緒正しい学校の一員になることができました。

学校でいろいろな活動をしていますが、一番ハイライトというか、自分の中で頑張っているのが生徒会に入ってQuality of Life Chairというよく分からない仕事、名前からは想像できない仕事をしています。私は自分のことをスイーパーと呼んでいます。ほかの生徒会はいろいろな仕事があるんですよね。DEIの仕事をする人間や、それこそパーティーを企画する仕事もあるし、予算を管理する仕事もあります。私は間にこぼれたボールを全部拾う役ということで、広い意味でいくと学生のウェルネスや自己肯定感やコミュニティをつくるところに責任のある仕事をさせてもらっています。ほかにもテクノロジーを勉強したいという学生のクラブ、あとはEntrepreneurship Club、起業クラブですね、それからアジアのクラブ、この3つの代表をしています。

経歴はここに書いてある通りですが、ICUを卒業しまして、ジャーナリズムを当時専攻していましたが、裾野の広い仕事をしたいと思って日本オラクルというデータベースを中心としたソフトウェア企業に入り、そこで5年。そのあとSAPというエンタープライズ、ERPですね、企業向けのソフトウェアをつくっている会社でさらに5年。そのあと、今はMBAに在学しているというキャリアになります。ですから、今日は少し学生側の視点ということで、自分自身もアメリカでできれば働きたいなと、やはり一緒に勉強している仲間は本当に生まれから全然違うようなエリート層がたくさんいるのですが、その中に食い込んで頑張って勝負していきたいと思っていますので、自分自身の苦しい経験も含めてお話できればと思います。

3つ、できればお話させていただきたいなと思います。まず、MBAということ自体の少しコンテキストのすり合わせができればというのが1つです。2つ目に、MBA生側の視点ということで、どういう視点でキャリアパスや、そのあとのアップサイドを考えているのかということをお話できればと思います。最後に少し企業側の視点ということで、そういったエリート層を受け入れるために企業側がどんな仕組みもしくは待遇を持って対応しているかということをお話して、ひいては日本の皆さんの参考になればと思います。

MBAについて

まず、MBA自体の紹介をしたいと思います。私がいるTuck School、ダートマス大学は、いわゆるアイビーリーグの一角でして、アメリカでは非常にブランド力が大きい学校になります。300人ぐらいの環境で学んでいまして、40%ぐらいが留学生で、半分が女性という環境ですね。ほかの学校と比べても、すごく小さな学校に私は今おります。それこそ、このあともお話しますが、隣の仲間がどういうことを考えながらどういう目的を持って勉強しているかということがすごくよく分かる環境にいますので、もめ事があったら学校を巻き込んで大きな問題というか、それを解決しようという動きになりますし、すごく自主性がある学生が揃った、良いビジネススクールだなと思います。

傍島:ハーバード大学の3分の1ぐらいなのですね。知らなかったです。

坪田:はい、そうですね。ハーバード大学はさらに大きくて、おそらく1,000人を超えているのではないかと思いますね。

傍島:なるほど。すごい。

坪田:ハーバード大学の学生は7つぐらいのクラスに分かれますので、やはり100人200人ぐらいしかなかなか知り合いになれないと、よく言われます。われわれがよく言うのは、300人全員の顔と名前が一致するというのをすごく誇りにしています。本当にそうですね。私のことを知らない学生は少なくとも同じクラスメートにはたぶんいないと思います。ほとんどの学生は話したことがあって、深い話ができる関係になっていると思います。

小川:アットホームと言いますか、とても良い環境にいらっしゃるんですね。

坪田:そうですね。コミュニティをすごく大事にしています。よく「Tuck Nice」という言葉を使うのですが、やはり性格が悪いと300人の小さな学校ですとなかなか合いませんので、実は学校が生徒を選ぶクライテリア(基準)の中にも「いい人かどうか」というのがあります。どうやって測るんだろうというのは少し思ったりして…。(笑)

小川:確かに、気になりますね。

MBAにかかる費用

坪田:ええ。お互いがきちんと本音で、しかもその場にきちんと腰を据えてというか、その場に存在するということをすごい大事にしています。ぜひこの辺りも後ほどもう少しお話できればと思います。

MBAと言うと、イーロン・マスクが「MBA卒業生を絶対に雇うな」となぜか言っていますが、本当にこれが必要なのかというのはすごくあると思います。特に今は円安で、ものすごく学費が上がっていまして、私は家族も連れてきているのでおそらく4,000万円近くお金を払っていることになると思います。

傍島:すごい。家が買えますね。

坪田:はい。家が買えますね。

小川:リアルな数字を話していただいて。

坪田:本当に4,000万円の価値があるのかというと、私もよく分かりませんが、私はあまり数字が得意ではないので「払えるならいいや」と思ってここに来て、今、円安で大変なことになっているという。(苦笑)

MBAのメリット

それはさておき、われわれ学生から見たときにどんなメリットがあるのかというのを皆さんと少しシェアできればと思います。もちろん、いわゆる授業の中で学ぶことはとても気付きが多く、会計戦略、マーケティング、経済学などいろいろなことをまんべんなく学びます。視点としては、やはり企業のいわゆるジェネラルマネージャーというか、1つの部門を持つようなリーダーになるために必要な基礎知識は全部2年間で学び切ろうというのが基本的な考え方ですので、いろいろな勉強をしています。

ただ、私はそれ以上に、ここにある信用やネットワークといったことが非常に大事だと思っています。今日のタイトルにもありますが、やはりアメリカの中で移民が勝負するのは結構大変です。何もない中で、英語もそれなりに自分は得意だと思って、英語が得意なことを生かしたキャリアにこれまでしてきました。でも、アメリカ人の中で本当に毎日大量のインプットをしながら、さらにいろいろなものを書いたり文章をつくったりしていくのはすごく大変です。自分が日本語で100勝負できるときに、やはり70~80ぐらいしかできないわけですよね。そういう中で、自分がアメリカで日本よりおそらく厳しい環境をくぐり抜けていけるかということを探していくのは非常に大事で、やはり人の関係、ネットワーク、えこひいきで引き上げてもらうことがすごく大事なんですよね。その中で、もちろん起業家として投資家と関係をつくって、それこそドラマで見るような、シリコンバレーで成り上がりをしていくというのも1つあると思います。でも、私のような凡人がそれなりにアメリカで勝負していくためには、良い学校を卒業して、そのネットワークにアクセスがあるというのが非常に大事です。

私の学校は小さい学校で、みんな自分の学校を好きになりますので、毎年7割ぐらいが卒業寄付をしています。これはすごい数字で、MBAスクールの中では世界で一番寄付率が高いです。2番目がスタンフォード大学で40%ですのでもう全然違って、みんな学校が大好きなんですね。そうすると、やはり就職で口利きのお願いに行っても非常に快く受けてくれます。アメリカはすごくアンフェアな競争社会ですので、アメリカで働くということを前提にしたときにはメリットが高いと私は思っています。

アメリカは平等な社会か?

傍島:そうですよね。アメリカは平等のイメージがあるかもしれませんが、全然平等ではないですよね。(笑)

坪田:ものすごい不平等ですね。

傍島:とんでもない不平等ですよね。これはすごくよく分かります。

坪田:はい。アジア人が上に成り上がっていくことはものすごく大変なことです。超学歴社会ですので、私は自分の実力を考えると、学歴は持っておいたほうがアメリカの中では有利かなと思っています。

卒業後はMBAか起業か?

タイトルにもありましたが、「MBAか?起業か?」ということをよく問われます。私は自分の学校のEntrepreneurship Clubの会長をしているぐらいですので、起業にはすごく興味があります。これはスタンフォード大学の卒業生のデータです。一番右側のALL MBA GRADUATESという項目の中の下から3つ目の数字、18%に注目していただきたいのですが。これはスタンフォード大学の2021年の卒業生の18%、70人が起業しているということで、これは結構すごい数字です。もちろん起業するためにMBAは必要条件ではないと私は思いますが、やはりMBAを経て起業する割合がスタンフォード大学ではすごく高いです。MBA側も、やはりビジネス的な素地やネットワークを生かしたビジネスを立ち上げていこうという学生をすごく支援する、そんな背景が年々増えてきています。

皆さんご興味があるかもしれませんので、いくつか代表例を紹介したいと思います。ちなみに、左側はスタンフォード大学の調査で2021年の情報です。当時のユニコーン企業521社、その創業者1,263人の学歴を調べましたと。その結果、236人がMBAを取っているということですので、先ほど言ったように必要条件ではないと思いますが、やはり起業してそれなりのトラックでうまく成功していくためにはMBAが役に立つ場合もあると。私の300人の同級生の中にもやはり「卒業後は起業したい」という学生は非常に多くなってきていると思います。

右側の一番上にあるclearmetalという会社は、スタンフォード大学の名物授業でStartup Garageというのがあるのですが、これはいわゆる起業の体験授業のようなもので、そこで実はアイデアとその授業でできた友達を中心に起業して、2021年にproject44という別のサプライチェーン系のスタートアップに売却をした例です。ですから、授業をもとに出た、いわゆるお遊びではないと思いますが、アイデアをもとに起業していくケースは、clearmetalなどを中心に結構あります。

2つ目は、MBA生ならではの課題がきっかけで起業したJunoという会社です。これはハーバードビジネススクールで出会った2020年の卒業生の2人が創業した会社です。2人とも移民でして、あまり裕福なバックグラウンドになかった学生が、どうしたら学生でも借りられるかということを必死に考えました。アメリカのローンは結構大変でして、留学生がお金を借りようとするとアメリカ人の保証人が必要になってきます。これはやはりここに家族がいない学生からすると、ものすごく大きなハードルになっていまして。

傍島:無理ですよね。

坪田:ほぼ無理ですよね。やはり数千万円の借金をすることになりますので。この2人は非常に賢くて、同じような課題を持った学生を集めて、みんなで銀行に直談判に行くというビジネスをつくりました。やはり学生側の論理としては、学生になった時点ではあまり信用はないかもしれませんが、MBA生の将来のアップサイドはアメリカの中では非常に大きいです。特にハーバードビジネススクールのようなトップスクールの学生が集まれば、銀行側としても、実は通常の融資のチェックリストに載せていくとすごく信用のない人に見られてしまうと思いますが、長期的には貸し倒れのリスクが非常に少ない良い融資になるのではないですかということをみんなで交渉しにいくという。まだまだこれからのマイクロファイナンスの銀行業というか、ファイナンス規模としてはまだまだですが、非常に勢いがある、よくMBAでも話題になるスタートアップです。

3つ目のAlloy Therapeuticsは内輪の紹介ですが、実はDartmouth Tuckの外部カウンシルの代表をしている人がつくったスタートアップです。私は全然分からないのですが、抗体開発をしているスタートアップに、その創薬をするためのITプラットフォームを提供する会社です。この会社のすごいところは、ダートマス大学はMBA以外にも医学部やエンジニアリングスクールがありまして、これは確か医学部でできた技術をもとにつくった会社です。要は医学部生が技術を持っていても、それをビジネスにしていく過程はすごく難しいので、隣のビジネススクールに行って「これのビジネスモデルをつくってほしい」と持ち掛けました。そのときに私の先輩の創業者がうまくビジネスにして、去年、ダートマス大学出身の会社としては4つ目のユニコーンになりました。やはり大学に2年間いる中で、ものすごく潤沢なリソースをもらって、しかも創業者としてはノーリスクで起業していくということで、ものすごく出てきているなというのを感じます。

傍島:なるほど。ありがとうございます。これは後で話が出るかもしれませんが、どのタイミングでMBAに来られるのですか。大学を1度卒業して1回働いてから、もしくはマスターへ行ってからなど、どういうタイミングでMBAに来る方が多いのですか。実際、坪田さんの周りはどんな感じですか。

どのタイミングでMBAをとるべきか?

坪田:ありがとうございます。今すごく良い呼び水をしていただいたので、もう1つ次の話をしたいと思います。実際のMBA生はどんな感じなのかについて、私が面白いなと思った友達、6人をピックアップしてみました。

傍島:まさにこれですね。

坪田:1人目は、ペルソナAがエリート街道まっしぐらの28歳アメリカ人。インベストメントバンキングを経て、次、コンサルへ行って、大企業の要職に就きたいという典型的なビジネススクールのキャリア。だから、キャリアとしては5年ぐらいですね。

2人目は、ファイナンスの業界で銀行からプライベートエクイティ、そのあとVCというのが何となくアメリカのエリート層の中にはあります。そうするとやはりMBAを挟んでおかないとなかなかPEへのパスが開けないというのがあって、ファイナンスのバックグラウンドを持ったアメリカ人は実は非常に多く、確か2割ぐらいいまして、みんなこんな感じです。

3人目は、27歳インド人。国有コングロマリットのITコンサル部門でバリバリ働いていた人が、実際にテクノロジーの会社のソフトウェアの、PMというのはプロダクトマネージメントという、いわゆるプロダクト開発の、ポストMBAとしてはよくあるキャリア、いわゆるプロダクトのオーナーになるようなキャリア。そうすると、だいたい部長クラスで1億円を超えてくるので、MBAを出て5年ぐらいすると1億円を超えられるという、そんなアップサイドを狙っていく人です。

4人目は、起業予備軍の人です。実は私のすごく仲いい友達に、もともとTrader Joe’sで、オペレーションのトップとして働いていた、32歳の非常に優秀なアメリカ人の女性がいます。彼女はこのまま起業してうまくいけば一旗上げられると、だめだったらまた元のフード系のキャリアに戻りたいということです。

5人目は、シンガポール人のお偉いさんの息子や、6人目の人生夏休み、これは半分冗談で書いたのですが、マッキンゼーへ行って、帰国後は給料倍アップが約束できていると、こんな人がいます。

傍島:坪田さん、私見で良いのですが、坪田さんは10年ぐらい働いてMBAに行かれていますよね。どれぐらいのタイミングがいいなと感じますか。

坪田:そうですね。早ければ早いほうがいいと思います。私はちょっと来れなかったので。来れなかったというのは、ずっとキャリアのはじめから来たいなと思っていたのですが、自信がなくてこのタイミングになりました。だいぶ年上のほうですが、浮いてはないと思います。

傍島:早いほうがいいのですね。

坪田:早いほうがアップサイドは大きいと思います。私の場合は正直、起業したあとのキャリア的なアップサイドは行く前とトントンです。アメリカで働けば給料が上がりますので、アメリカで働くうまみでなんとか意味があるかなという感じですけれども。私は今34歳になりますが、アメリカ人がこれぐらいの年齢で来るとちょっと遅いかなという感じがします。

傍島:そうなのですね。1度会社に入って、事業を経験してからのほうがいいのかなと予想していましたが、そんなことはないのですね。

坪田:はい。そういう意味では在学中に貢献できる範囲はものすごくあるので、やはり20代で来るよりも大きいなと思います。すごく頼ってもらっていると思いますので、留学生で英語がネイティブでなくても輪の中心にきちんと入れることができたのは、この歳で来たからかなと思います。ただ、今日の話のポイントはキャリアをつくっていくということだと思いますが、その観点でいくとやはり早いほうがいいかなと思います。来れるのであれば早いほうがいいと思います。ただ、若いうちに来たら、結構それは日本のモノカルチャーな環境で育ってきた人はものすごく苦労すると思いますので、少しトレードオフがあるかなという感じです。

小川:なるほど。ありがとうございます。それでは、ここでご質問が届いておりますので、私のほうでお読みいたします。「スタンフォード大の起業率は高いイメージだったのですが、MBA以外の学科だといかがでしょうか」というご質問ですが、坪田さん、いかがでしょうか。

坪田:ごめんなさい、それはまったく分からないのですが…。やはり先ほどの話にもあったように、1つ言えるのは、やはりドロップアウトして起業するのがかっこいいというストーリーがよく巷を賑わせがちですが、実際のマジョリティ、大多数のエリート層の感覚としては、そこまでのリスクテイクをする人は当たり前ですが少ないなと、僕はそういう印象を持っています。すごく堅実なキャリアを歩む上で、リスクの少ない起業にチャレンジできる2年間というのをうまく活用して在学中に起業する人が多いので、結構そこら辺はみんな堅実に考えているのではないかなというのが私の肌感覚です。すみません、ちょっと数字は分からないです。でも、出ていると思います。

小川:ありがとうございます。そして、もう1つご質問が届いております。「起業はおろか、卒業後VCのキャリアを目指す日本人MBAが少ないのはなぜだと思いますか」というご質問です。

坪田:これは最後にお話しようと思っていたのですが、そもそもまず日本人のMBAに行く人、まずMBAの中での日本の競争力、もしくはMBAを出たエリート層というのを仮に定義したとしてその中の日本の競争力というのは、残念ながらものすごく落ちていると思います。1つには日本から来る人がすごく減っているということです。これはVCに行く行かないの前に、そもそもアメリカではまだそれなりに迫力のあるMBAというキャリアを取れる、もしくは取りたいと思う日本人が少なくなってきていると思います。これに加えて今は円安、アメリカでインフレですから。このダブルパンチで、なかなか日本人にとって、これからさらにMBAは遠くなっていくだろうなという感覚です。

ポストMBAのキャリアとして日本人のVCが少ないというのは、おそらくその通りだと思います。ただ、これは供給側の枠がそもそも潤沢にないということも少し関係しているかなと思います。私の感覚では、毎年アメリカンスクールに200人ぐらい日本人が留学していると思いますが、VCに就職したいと考えている人は結構多いと思います。ただ、その中でもちろん日本のVCの中でMBAを採用している会社がそもそもそんなに多くないということもたぶんあって、なかなかポストMBA、VCで成功したというキャリアがなかなか目立ちにくい環境にあるのかなというのが私の考えです。

傍島:確かに。

小川:坪田さん、ありがとうございます。ご質問いただいた皆様もありがとうございます。それでは引き続き、プレゼンテーションをお願いいたします。

坪田:ありがとうございます。私がなぜMBAだったのかというのも少しお話したいと思います。この図は恥ずかしいのであえて小さくしているのですが…。(笑)なんとなく絵の雰囲気で見ていただくとお分かりいただけると思いますが、基本的には日本でキャリアを積んできました。一部シリコンバレーでも働かせていただきましたが、基本的には日本でキャリアを積んできて、なんとなくこの後のキャリアのIT業界、つまりアメリカを中心にやはり産業ができあがっているIT業界でキャリアをつくっていこうと思ったときに、やはりアメリカに出たほうが自分のキャリア伸びしろとしてはあるだろうなとすごく純粋に思いました。先ほど傍島さんにもお話ししましたが、その中でいろいろなパスがあると思いました。自分が少しアメリカに駐在させてもらったのを生かしてそのままその会社の中で、アメリカで頑張っていく可能性もあったと思いますし、MBAを挟まなくてもアメリカでそのまま応募するというのもあったと思います。ただ、ビザの問題ももちろんあるし、そもそも移民が活躍しにくい環境ということもあり、いろいろなことを考えたときに、短期的な4,000万円の出費というのを除けば、MBAに来てアップサイドを狙っていくのがすごく自分のキャリアの中ではリーズナブルかなと思ったというのがMBAに来た理由です。

私の2年間のフォーカスというのは、いかにアメリカの就職をきちんと勝ち取ってこの選択を肯定できるようにするかということと、やはりアメリカの中で、日本人としてというよりはやはり一移民としてどれぐらい戦えるかというのをすごく見たいというのがあります。だから、在学中はいろいろなことに手を出そうと決めて、今の生徒会の活動やいろいろなクラブのポジションで、すごい力試しをしている感じです。(笑)

傍島:なるほど。アメリカのMBAに限らず、こういうスキルを付けると選択肢は増えますよね。いろいろなことができるようになりますよね。

MBA生の熾烈な就職活動

坪田:はい。先ほど傍島さんにまさに言っていただいた通り、本当にすごくアンフェアな環境だというのを日々痛感していまして、要は自分がえこひいきされる立場に回れば、ものすごく機会は加速度的に増えてくると思います。学校の中でもそうですし、学校を卒業したあとの就職の機会でも痛感しています。

例えば就職の話でいくと、これは自分自身の就活の様子を考えた図です。まずMBAの就活というのはものすごく仕組み化されています。つまり、何を言いたいかというと、要は社会人5年~10年ぐらい経った学生を雇う求人にわれわれは応募していくのではなくて、MBA生を雇いたい企業がMBA生を雇うための待遇を用意してポジションをつくっている枠に世界中のMBA生がうわーっと応募して、その中でしのぎを削ってそのポジションを勝ち取っていくという就活戦線があります。ですから、MBAに行かないと入れない環境というのがあります。

この図の左側は、私の去年のクラスメイトがいつオファーをもらったかをグラフにしたものです。これは何を言っているかというと、9月に入学をして2年間勉強していくのが基本的なアメリカのMBA生のパターンですが、1年間終わったあとに夏休みが来るわけですね。その間に自分が働きたい会社でインターンを3カ月ぐらいして、そのさらに1年後、卒業後の就職のオファーを勝ち取っていくというのが基本的な流れになります。このグラフは一番左が7月から、入学前のデータから始まっています。要は入学前からすでにこの1年後の夏休みのインターンシップを獲得した人間がちらほらいて、9月に入学したあとに、この3カ月ぐらいは死ぬ気で就活を行って、12月ぐらいからだんだんと増えて2月にピークになって、8月の夏を迎えて3カ月間インターンをして、基本的にはそこですでにもう1年後のオファーが精査をされて、いいところの会社はもうそこで内定が決まります。

小川:すごい。早い。

傍島:すごい。

坪田:今、テック企業などはものすごくヘッドハントしていると思いますが、もちろん景気に左右される部分は非常に多いですが、通常の、だいたい1年サイクルで決まっていく通常の雇用のヘッドハントとは別に、やはり幹部候補生を雇うための資金とその枠というのは各企業がしっかり準備しています。それがどれぐらいの数かと言うと、私が見た中でも5,000件ぐらいの求人がありました。その中で自分が応募したい会社を74社選んで、結局72社に提出して、面接は8社しかしていませんが内定1社と。初めに内定をもらったところで夏のインターンを決めて、最終的に来年のオファーももらえましたので、今はまだサインしていませんが行けると、そういう状況です。

傍島:もう来年の採用までオファーをいただいたんですか、坪田さんは?

坪田:はい、もらいました。

傍島:すごい。おめでとうございます。

小川:おめでとうございます。

坪田:ありがとうございます。金額はさすがに言えませんが、いつ入社してもいいよと。

傍島:すごいな。

坪田:この1年、もしくはもう期限がないんですよ。だから極端な話、5年後に入社してもいいオファーというレターになっていまして。

傍島:すごい。

小川 すごいですね。

坪田:だから、そういう感じですね。幹部候補生なので、あまり短期的な投資ではなくて、中長期的にぜひ入ってほしいと。もちろん基本的には来年卒業したらすぐ入る前提で出ていますが、その辺りの縛りがないオファーというのがどんどん出てくるわけですね。

傍島:K-POPなどのアイドルのし烈さよりも凄そうな感じですね。(笑)

小川:確かに。(笑)

坪田:はい。(笑)

傍島:すごい。

卒業後の給与待遇

坪田:ちなみに、私はIT業界出身というバックグラウンドがあってIT業界に応募していますが、それでもアプリケーションを72件提出して面接に8社しか呼ばれなくて。もちろん僕の経歴が大したことないというのはもちろんあると思いますが、だいたいみんなそんな感じです。だから、そもそも勝負する母集団が全然違うということです。私の友達には軍隊で500人ぐらいのチームを率いていた人間がいたり、オリンピックの金メダリストがいたり、アメリカの大統領オフィスのコロナの専門対策チームの一番上のリーダーがいたり、先ほどのTrader Joe’sのオペレーション責任者がいたり、非常にいろいろなバックグラウンドを持った人間が来ていますので、そういう人間と勝負していくとやはり10件打って1件しか当たらないと、そういう感じですね。そういうことをみんながしていくというのがざっくりとした状況です。

この辺りは皆さんがもし興味があればと思いますが、待遇の話を少しだけ。これはオフレコなところもありますが、これは実際に公開されている情報で、これは私の学校、ダートマス大学の2021年の卒業生の給料のデータですが、ざっくり$150Kぐらい、日本円にしますと今2,000万円近くのベースサラリーが、だいたい5年ぐらい働いたら出るということです。

傍島:ベースサラリーですよね?

坪田:そうです。

傍島:ベースサラリーですので、まずこの2,000万円ぐらいをいただいて、プラスアルファもあるんですよね?

坪田:そうですね。プラスアルファがどんなものかというのはあとでまたお話をしますけれども、ちょっと皆さん驚かれると思います。例えばマッキンゼー、BCG、ベインといったいわゆる戦略コンサルティング、本当に頭を使って仕事をしていく方、いや、みんな頭を使っていると思いますが、そういうコンサルティング会社のオファーは、ベースサラリーが今年は$200Kぐらいに上がっています。だんだん高騰しているということですね。これはインフレに合わせてというのもあると思いますし、いろいろな事情があると思います。

多様性への理解の重要性

最後に少しだけ。当初お約束した順番と少し入れ替わってしまいましたが、私がやはりMBAですごく勉強になっていることは、もちろんお金を稼ぐための場所というのもあるのですが、やはりすごくいろいろな環境でのリーダーシップを学べます。特にアジア人はだいたいそうだと思いますが、同じ言葉を話して同じ見た目をした人たちの中でどうやって勝負していくかというのと、アメリカの中でどうやってリーダーシップを取っていくかというのは全然違いますので、そういったところを生々しく学べているなと思います。

例えば私の仕事の1つに献血を誘致するという仕事があって、この間そのメールを全体に流したら、LGBTQのコミュニティから少し怒られまして…。少し問題があるのですが、ゲイの人は基本的には献血できないと。要はパートナーの方と、エイズがないことを保証できないから献血ができないということでものすごくアメリカで問題になっていまして、献血ということ自体がそういう少し色を持っているものだと。例えばですよ、すごく局所的な話ですけれども。そういうことをやはり分かっていかないと、企業でそういうことをしていたら一発でクビになってしまいます。やはり自分が成功していくために学ばなければいけないことはものすごくたくさんあるなと感じます。また、例えばよくある男性クラブのようなものをつくったら、その瞬間に問題になって謝罪沙汰になったり、いろいろなことを私も経験できているなということです。少し私の写真をお見せします。こんな感じで、よくサマーキャンプのような感じでみんなで楽しく過ごしています。

小川:気持ちよさそうですね。

坪田:はい。冬はマイナス20度ぐらいになりますが…。

小川:寒そう。すごい。(笑)

坪田:それから、これは分かりにくいと思いますが、みんなでパブリックスピーキングのイベント(自分の原体験を話すイベント)がありました。私も実はスピーカーとして、去年、自分が留学生としてどれぐらいしんどい思いをしているかといったことをみんなに話したら、すごく反響がありました。右側に150通ぐらい手紙をもらった写真がありますが、やはり自分自身を開示して恥をかき続けるということをものすごく肯定してくれる環境だなと。これはアメリカらしさもありますが、やはりビジネススクールに来ているエリートは人間性の部分をすごく重視するので。

小川:どういったご意見が一番多かったのですか。

坪田:やはり私が自分の弱みを見せて、やはりアジア人として、もしくはアメリカ人ではない人間としてここにいることがやはりしんどいという話をしたときに、留学生だけではなくてアメリカ人からも「違う観点だけれども自分も同じような気持ちをやはり抱いている、そのことを代弁してくれて本当にありがとう」と、そういうことを言ってくれる人が多いですね。アメリカのリーダーシップというのは何となくすごく「俺についてこい!」のようなイメージを私は持っていましたが、よくvulnerability、繊細さというか、弱さを見せるということをすごくリーダーシップの中でよく言っています。また、日本語でもよくサーバントリーダーシップがよく話に出るのですが、つまり、自分が手本になって人間らしい姿を見せれば付いてくる人は付いてくるというようにアメリカのリーダーシップ観はすごく変わっているなと感じています。

今日の趣旨に戻すと、こういうことをすごくエリートの中で学んできた300人の人たちが社会にわーっと出るわけですよね。そのタイミングでアメリカの企業がバーッと吸い取ってしまうわけですけれども。今日ご参加いただいている皆さんの観点でいくと、やはり日本という国の人材競争力もそうですし、そういう人材がつくったビジネスの競争力という観点でも、どうしたらこういう、いわゆる上澄みというと少し語弊がありますが、そういう人たちがつくってくれた環境で来た人たちと戦っていくか、また、日本は非常にモノカルチャーでなかなかこんな話をしにくい、なかなか会社で自分のつらい話をする機会はないと思いますが、そういうことを身に付けたリーダーをどのようにして日本に連れてくるか、そういうことを少し考える機会を少しご提供できたらと思って、そういうお話をさせていただきました。

傍島:当たり前のようにいろいろな人種の方がいて、本当にそれだけでも大変ですよね。大変と言ったら語弊がありますけれども、やはり日本は単一民族ですので、周りを見てもほぼ同じような顔の人たちだったりするわけじゃないですか。

坪田:そうですね。

傍島:その中でね、文化も違えば考え方も違えばという中でいろいろなことで取り組まれていらっしゃるのですごく大変だろうなと思います。今お話いただいたのは割と極端な例で、最先端のすごい先までいっていると思いますが、日本も終身雇用制がだんだんなくなってきたりして、自分のスキルがないとなかなか生きていけない世界になってくると思うんですよね。ですから、そうやって自分のスキルを付けて、管理職側の人たちも含めてですけれども、人がどんどん動いていって、そうなっていくのだろうなと。いきなりこんな世界が来るとはなかなか思えないですけれども、だんだんこういう世界になっていくんだろうなということを予想して、いろいろ準備を始めたほうがいいかなという気がしますよね。

坪田:そうですね。やはり先ほど話した就活の仕組みもそうですが、無理なくステップとして就職できるような仕組みができあがっているというのはすごく大事だなと思いました。日本企業でアメリカ人向けにMBA生で求人が出ているのはすごく少なくて、製薬のタケダや楽天などいくつかに結構絞られると思います。もちろん日本人を採用するというのはもう少しありますが…。

ごめんなさい。お時間がだいぶ過ぎてしまいましたので、一旦プレゼンテーションをこの辺りにしたいと思います。ありがとうございます。

小川:ありがとうございました。

傍島:すごいですね。ぶっ飛び過ぎていて…。そもそもすごいなと思っていましたけれども。(笑)本当に先ほども話しましたが、すごく極端な例ですけれども、ここを理解しておいて、どうなっていくのかというのを考えるきっかけになればなと思いますよね。

小川:ありがとうございます。では、ぜひ最後に、坪田さんから皆様にまとめやメッセージなどございましたらお願いできますでしょうか。

まとめ

坪田:今日の話のコンテキストは「自分はアメリカに行きたい」といったことを中心にお話ししたので、だいぶ偏ったお話だったかもしれません。やはり外を見る日本人が増えて、彼らがこういう切磋琢磨する経験を積んだ上で日本に帰ってきたいなと思う世界ができることがすごく本当は望ましいのだろうなと日々思うことが多いです。

日本人でいろいろな学校に通っている仲間ともよく話をしますが、アメリカに行きたいけれども、なかなかいろいろな家庭の事情であったり、ビザの問題であったり、先ほど話したように就活も大変ですので、そういうところでいろいろな事情があってなかなかアメリカに行けなくて、日本に帰るしかないという友人もやはり多いです。そうではなくて、キャリアパスとしてしっかりわれわれが誇りに思えるような社会、私自身もやはりアメリカに行ったあとは、いずれは日本に戻って良い社会をつくっていくことに貢献したいなと思っていますので、そういう観点の少し気付きがあればお話できて意義があったなと思います。

小川:ありがとうございます。これからのご活躍も陰ながら応援させていただきます。傍島さん、最後にメッセージありますでしょうか。

傍島:ありがとうございます。坪田さん、夜中だと思うのですが、本当に貴重なお話をありがとうございます。私はなかなかMBAへ行こうなんて思う気にもならなかったのですが、0.0001%ぐらい考えようかなと思いました。(笑)でも、本当に何かしらきっかけになったり、いろいろな選択肢が増えたりすればいいなと思っています。坪田さん、このあとの話もまたどこかのタイミングで聞かせてもらえたらうれしいです。よろしくお願いします。

坪田:はい。ぜひ! ありがとうございました。

小川:ありがとうございました。それではそろそろお時間となりますので、本日の01 Expert Pitchは終了となります。坪田さん、傍島さん、ありがとうございました。

傍島:ありがとうございました。

小川:そして、ご視聴いただいた皆様もありがとうございました。また次回ぜひお会いしましょう。ありがとうございました。

以上


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