01 Expert Pitch #26

A Startup Support Strategy by the Ministry of Economy, Trade, and Industry; Establishing a Silicon Valley Business Center


01 Expert Pitch #26

A Startup Support Strategy by the Ministry of Economy, Trade, and Industry; Establishing a Silicon Valley Business Center


2023.8.29 TUE 12:00-13:00 JST
Hideki Okamoto, METI, Hiroyo Akashi, Mori Building Co., Ltd.
政府による「スタートアップ育成5か年計画」の一環として、経済産業省より「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」が推進されています。本事業は、日本のイノベーション創出の加速、スタートアップ・エコシステム形成の鍵となる、イノベーションを担う人材の育成とシリコンバレーをはじめとするグローバルな先端地域とのつながりの強化に取り組むものです。その中で、海外進出するスタートアップのために、現地キーパーソンと常時つながることができるビジネス拠点がシリコンバレーに設置されます。 今回のウェビナーでは、本事業を推進する経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室 岡本 英樹氏と、受託者である森ビル株式会社で実際に現地に赴任予定の明石 礼代氏から、本事業の背景や取り組み、シリコンバレービジネス拠点が目指す姿などを解説していただきます。

▼ こんな方にオススメ

  • グローバルに活躍したいスタートアップ、日系企業の方
  • 政府が進めるスタートアップ支援にご興味がある方
  • 世界における最新の取組み状況と未来を知りたい方

▼ 登壇者
岡本 英樹氏 経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室  総括補佐
2012年経済産業省に入省。第二次安部政権における経済成長戦略の策定、電力市場自由化、財政健全化計画の策定等に従事。ノッティンガム大学行動経済学修士、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンMPA(イノベーション政策)。2022年より新規事業創造推進室の総括補佐としてスタートアップ政策の企画立案・執行・総合調整を担当。

明石 礼代氏 森ビル株式会社 営業推進部オフィス事業部企画推進部 チームリーダー
2009年森ビル株式会社入社。調査企画部門、メディア企画部門などを経て、都市開発のコンサル業務に従事。日本国内や台湾などで街づくり、公共施設や観光施設の計画・運営管理などを推進。その後、ARCH Toranomon Incuvation Centerを統括するオフィス事業部門内の企画推進部にて麻布台ヒルズ(2023年秋開業)内の新しいワークプレスの企画、イノベーション施設の計画を行う。
経済産業省「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」の受託に伴い、施設開業に向けて推進中。

Table of Contents

小川:皆様、こんにちは。お待たせいたしました。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、12時になりましたので、01 Expert Pitch第26回を始めてまいります。「シリコンバレー発!世界のエキスパートが最新情報を日本語で解説!」ということで、本日は『経済産業省が進めるスタートアップ支援 -シリコンバレービジネス拠点の開設-』をお送りいたします。

さて今回は、経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室 総括補佐 岡本英樹さんと、森ビル株式会社 営業推進部オフィス事業部企画推進部 チームリーダー 明石礼代さんをエキスパートとしてお迎えいたします。岡本さんは少し機材のトラブルがございまして遅れていらっしゃいますので、明石さんのほうからお話をお伺いしてまいりたいと思います。明石さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

明石:森ビルの明石と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

小川:よろしくお願いいたします。そして、本イベントの主催者でありますTomorrow Access, Founder & CEOの傍島さん、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

傍島:よろしくお願いいたします。

小川:そして、私は本日ナビゲーターを務めてまいります、フリーアナウンサーの小川りかこと申します。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは早速ですが最初に傍島さん、この01 Expert Pitchの狙いなどを少しお話いただけますでしょうか。

01 Expert Pitchとは?

傍島:はい。Tomorrow Accessの傍島と申します。よろしくお願いいたします。岡本さんが機材のトラブルで入ってこれないということで、今、裏でサポートいただいていますので、もう少々お待ちいただければと思います。

小川:お願いいたします。

傍島:Tomorrow Accessはシリコンバレーを拠点にしたコンサルティング会社になります。この01 Expert Pitchの狙いをまず最初にお話をさせてください。1つ目は日本とアメリカの情報格差の解消ということです。多くの日本の企業の方から、「シリコンバレーの最新情報を教えてください」「アメリカの最新のニュースを教えてください」という声をたくさんいただきます。こういった声に迅速にお答えをすることによって日本とアメリカの情報格差を埋めたいというのが1つ目の狙いになります。

2つ目は正しい情報をお届けしたいということで、同じニュースでも、日本とアメリカで伝わり方が違うなと感じることがあります。特にアメリカのニュースを英語で見ていても、何か例えばネガティブに伝えているような情報も、例えば日本語になったメディアの記事を見ているとポジティブになっていて、逆になっているような、そんなときもたまにあるのです。こういったところをきちんと現場の最前線にいらっしゃる専門家の方に、今回の明石さんのようにまさに現場にいらっしゃる方にきちんと解説をしていただいて、正しい情報をお届けしたいというのが2つ目の狙いになります。

3つ目は日本語での解説ということで、英語の情報はたくさんあるのですが、なかなか読むのが大変ですので、きちんと日本語で解説をして正しい情報をお届けしたいと、この3つの狙いでイベントを運営しております。

岡本さんはまだ入ってこれないということで、まずは森ビルの明石さんのほうから、今回シリコンバレーのほうにできる拠点のお話も先にしていただきながらお話したいなと思います。本日もよろしくお願いいたします。

小川:傍島さん、ありがとうございます。本日のイベントは皆様からのご質問を随時受け付けて進行を進めてまいります。参加者の皆様、ぜひご質問のある方はZoom画面の下にありますQ&Aボタンからご質問をお寄せください。随時私のほうでご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さあ、それではまずは明石さんから、スライドを使って簡単に自己紹介から始めていただけますでしょうか。

明石 礼代氏プロフィール

明石:ありがとうございます。私は明石礼代と申します。森ビル株式会社の営業推進部オフィス事業部企画推進部という、とても長い部署にいます。今、私は森ビルに入社してだいたい15年くらい経ちました。日本の企業らしく、部署異動というのがいくつかあるのですが、私の場合は最初に都市開発を調査する調査企画部門に数年おりまして、そのあと日本の官公庁のほうがメディア芸術という、漫画やアニメ、ゲーム、そういったものを世界に発信していくという事業を森ビルで受託しておりましたので、そういった文化を世界に発信していくというような事業に2~3年ほど関わらせていただきました。そのあと本業と言いますか、都市開発のほうに従事をいたしまして、ここから長らく10年弱、都市開発のほうに携わってきたというところでございます。

森ビル株式会社は基本的に六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズといった東京の都心部を中心にまちづくりを進めてはいるのですが、そこで培ったナレッジや考え方をほかの都市でもお手伝いしたいなというところで、日本の地方都市や台湾などほかの国でもまちづくりや公共施設、それから観光施設、例えば工場跡地を何か人が喜ぶ施設にしたいなど、そういった計画や運営管理といったことを取り組んでまいりました。

そのあと、2~3年前ですが、今、私が所属をしておりますオフィス事業部企画推進部というところに所属をしております。ご存じの方もいらっしゃるかもしれないのですが、簡単にご説明させていただきますと、ARCH虎ノ門インキュベーションセンターというのが虎ノ門ビジネスセンターの中にございまして、大企業の新規創造部門の方に120社くらい入っていただいている、大企業の方向けのコワーキングスペースとなっております。そちらを運営している事業部で私は今年の秋に麻布台ヒルズの中に開設するTokyo Venture Capital Hubの企画に関わらせていただいたというところで、ここ数年スタートアップエコシステムの関連の仕事を取り組ませていただいているところでございます。今年の4月にこの「海外における起業家等育成プログラムの実施・拠点の創設事業」というのを受託したことに伴いまして、私が今、施設の開業に向けてチームメンバーと一緒に推進しているというところでございます。

私のしっかりした経歴はこんな感じですが、私は結構サウナが好きでして、週末に行ったりしています。最近は東京の施設もすごく増えてきているので、会社のメンバーと行ったりもするのですが、ちょうど年末年始に少し休暇が長く取れたので、北欧のほうにひとり旅で行ってきました。

小川:ひとり旅ですか、すごーい!

明石:ただ、私はサウナは好きなのですが、水風呂は苦手なので、一緒に行く同僚からは「それはまだサウナーではない」と言われているのですが。(笑)ただ、サウナに行って同僚や友達といろいろと話をしたり、仕事以外のことも話すのは楽しいなというところで、女子にサウナということで掲げているというところでございます。

小川:このお写真はそのときのお写真なのですか。

明石:そうですね。ちょうど真ん中に小さい小屋が写っているかと思いますが、そこがサウナ小屋でして、その中でもくもくとスモークで焚かれるというものですね。

小川:もう何年ぐらい通っていらっしゃるのですか。

明石:サウナはここ2~3年くらいですかね。でも、いまだに水風呂に入れないというので。(笑)

小川:(笑)ありがとうございます。続きをお願いいたします。

森ビルが推進するスタートアップエコシステム関連の取り組み

明石:はい、ありがとうございます。本来ですと先に経産省さんの事業についてご説明させていただくところだったのですが、機材トラブルで先に私どものほうで拠点についてご説明させていただこうと思います。

先ほども簡単に弊社の取り組みをご紹介させていただきましたが、弊社は都市開発といったイメージが強いものの、近年こういった、ARCH虎ノ門インキュベーションセンターや、Tokyo Venture Capital Hub、それから虎ノ門ビジネスセンターの中にはCIC Tokyoさんというケンブリッジ・イノベーション・センターさんの東京出店されている施設がございまして、スタートアップ、大企業、それからベンチャーキャピタルといったスタートアップエコシステムを支えていくプレイヤーの方たちを虎ノ門および麻布台周辺で皆様と連携していきたいなという中で森ビルとして事業を進めているところでございます。

併せて、ジャパンエントリーということでアメリカから日本にエントリーされる企業さんのサポートもここ数年させていただいております。ちょうど今回シリコンバレーで拠点を開設するという事業を受託いたしましたので、右側の矢印が左方向だけではなくて右方向にも向いていくというところで、これから日本を拠点にしつつ世界とつながって、日本のスタートアップエコシステムを強くしていけるように取り組んでいきたいなと思っているところでございます。

小川:かなり長期なプロジェクトだと思いますので、とても大変だと思いますが、わくわくする事業ですよね。

明石:そうですね。今回、経産省さんが「スタートアップ育成5か年計画」というところで、この施設も5年間継続されるということで経産省さんから伺っております。やはり何事もつくるときは最初はスロースタートと言いますか、徐々に徐々にというところになると思いますが、大きく成長させていくためにはやはり時間もかかるかなと思います。それはまちづくりと一緒だなと思っておりまして、私たちもまちづくりに20年30年かかりますが、そういったエコシステムを長期の視点で育てていきたいなと、そのためのサポートをぜひ森ビルとしてさせていただきたいなと思っております。

シリコンバレーセンター(仮)が開設される場所「Palo Alto」

明石:では続きまして、ここも本来であれば経産省さんが先にお話いただいたほうが良かったのですが、今回、経産省さんの動ける事業の中で設置する場所が、シリコンバレーの中のCity of Palo Altoです。ちょうど中心の辺りになりますかね。こちらに今回拠点を設けるということで、私どものほうで賃貸の物件を借りて今準備を進めているところでございます。こちらのウェビナーをお聞きの皆様もシリコンバレーについてはどういった場所かよくご存じかと思いますので、そこは割愛させていただきつつ、Palo Alto周辺のお話をさせていただきたいなと思います。Palo Altoというのが、ちょうどスタンフォード大学から道路を挟んで反対側を中心に広がっているところです。こちら、ごめんなさい、この黄色く塗っているところだけではなくて、海側のビクスビー公園などもっと幅広くPalo Alto市なのですが、ちょうど中心部がこの黄色く塗っているところかなと思います。ちょうど道路を挟んで反対側にスタンフォード大学が広がっているというような立地になっております。ちょうどこの黄色く塗っている場所の辺りにほかの国のインキュベーション施設などもいくつかございまして、例えばノルディック、北欧の5カ国や、それからジャーマン、ドイツのアクセラレーションハブなど、ほかの国のインキュベーション施設も集まっていらっしゃるエリアかなというところです。

小川:明石さんはもうすでに何度かこちらに足を運ばれていらっしゃるのでしょうか。

明石:そうですね。私も3度ほど出張していますが、ちょうど今、ビザを申請しているところなので、今はアメリカに渡米できず、ビザ待ちというところです。

小川:今後行かれるということですものね。

明石:そうですね。行って向こうのセンターで運営をしていきたいなと思っています。というところで、場所としてはこのPalo Alto、黄色く塗っているところの中で今回場所を借りてセンターを開設していくということで考えております。ちょうどこの辺りがSand Hill RoadでVCの方たちも多くいらっしゃる場所ということもございますので、できる限りスタンフォード大学の方、ほかの大学の方、VCの方、スタートアップの方、また、Googleさんなどの大きな企業の方にもつながっていきたいなと思っています。

小川:楽しみですね。

明石:街中の写真も少しだけイメージをというところで、写真をご紹介しようと思います。ちょうど中心部のところが低層のそれほど高くない2~3階建てのビルが並んでいて、景色はグリーンがたくさん見えるような街中ですね。

小川:気持ちよさそうですね。

明石:はい。ちょうどいいシーズンで、この右側に見えているVERVE COFFEEというところが、これは日本にも1店東京にありますが、スタートアップの方がよく集まっていらっしゃるカフェということです。私たちもこの施設から2~3ブロック離れたところですが、こういった街中ですね。

小川:素敵ですね。

明石:はい。こちらはもともと映画館と伺っております。今はコワーキングスペース兼BLUE BOTTLE COFFEEさんが入っていて、スタートアップの方がよく集まっていらっしゃる場所ですね。これは少し前、3月に行ったときはこんな感じでした。

小川:まだ寒そうですね。

明石:そうですね。なので、グリーンが、ちょうど木がもくもくしているとちょうど気持ちいいタイミングだなというところですね。反対側にあるスタンフォード大学というのはよくご存じのところかと思いますが、こういった名門の大学さんでいらっしゃいますね。

今回私たちが借りた物件というのが、ちょうど写真の真ん中に写っているピンクの物件を私たちのほうでは5年賃貸をして、これからここで内装工事を始めるところになっております。

小川:素敵な場所ですね。

明石:はい。傍島さん、最初に街中の写真だけご案内しましたが、傍島さんのお勧めの場所などあれば。

傍島:今写っているコーヒー屋さんは本当にたくさんのスタートアップもいますし、先ほど地図があったと思いますが、シリコンバレーの全体の地図、もう1つ前の地図の黄色い部分の本当にど真ん中にあるのですよね、City of Palo Altoと書いてあるところですけれども。距離感が少し分からない方もいらっしゃると思いますが、左上にサンフランシスコとありますよね。ここから右下のサンノゼと書いてあるところまでありますよね。ここの距離がどれぐらいあるかと言いますと、東京駅から成田空港ぐらいあります。

小川:まあまあな距離が。

傍島:すごく広いです。車だと空いていて1時間から1時間半ぐらいかかります。夕方や朝晩ですと2時間から2時間半ぐらいかかるぐらいの距離ですが、その中でもこのシリコンバレーのど真ん中のCity of Palo Altoというのは本当にいい場所です。昔のスタートアップは若者が多かったのでサンフランシスコ市内にいることも多かったのですが、最近はベテランのスタートアップも多くて、このPalo Altoから南の辺りのエリアに住んでいる人もたくさんいらっしゃいます。ご家庭を持っていらっしゃる方は本当にこのPalo Altoは高級住宅街で非常にいい場所だということで、おそらく日本だけではなくて世界各国からこういった拠点がPalo Altoに集まっているのではないかと思います。

小川:ますます盛り上がっていきそうですね。

傍島:そうですね。

施設概要、物理的な場所だけではない「コミュニティ」

明石:ありがとうございます。先に写真だけご案内させていただいたので、これから私たちが考えている施設の概要を簡単にご説明させていただきたいなと思います。拠点という名前であり、場所を設けますというお話をさせていただいてはいますが、単なるスペースをつくるということではなくて、日本のスタートアップエコシステムを大きく育てていく、それから今ちょうど現役で頑張っていらっしゃるスタートアップの方たちをきちんとサポートしていきたいと思っておりますので、場所ではなくてコミュニティですと私たちは今考えているところです。ただ空間があるということではなくて、その中でどのような人のつながりや人の行動が生み出せるかというところが私たちの要かなと思っておりますので、「This is not space but community.」というところで、コミュニティとしてかれから育てていきたいなと思っています。

私たちのビジョンは、先ほども簡単に申し上げました通り、長く長期にわたっていろいろなスタートアップエコシステムを育てていくという中では、今をサポートすることに加えて「次の時代をつくっていく」ということに取り組んでいきたいなと思っておりますので、「人をつなぎ、知恵をつなぎ、挑戦をつないでいく。」といったかたちで掲げているところです。こちらをもう少しブレークダウンして、いくつかカルチャーというかたちで、Pay it forwardや、Chase your vision、とにかく行動しましょう、Fail and run(=失敗しながら学んでいきましょう)、そういったスタートアップマインドをこの施設を中心に盛り上げていけたらいいなと思っております。

「コミュニティです」と言いつつ、またハードの話に戻ってしまって恐縮ですが、私たちが借りた物件はこのようなピンク色の建物です。こちらは保存建築という扱いになっていらっしゃるということで、築100年くらいと伺っています。よく見るとなんとかbread、なんとかbakeryと壁に見えるのですが、もともとパン屋さんだった工場を保管されているというものです。外観や窓のサッシは色を変えてはいけないというルールがありますので、ローカルのルールはきちんと守りつつ、中でスタートアップの情報発信をしていきたいなと思っています。2階建てですが、2階はいくつか個室がございますので、個室をスタートアップの方に企業として入居いただこうと思っています。また、1階は比較的広いので、コワーキングスペースとイベントオープンスペースというかたちで今ちょうどレイアウトを組んでこれから工事を進めていくところでございます。だいたいコワーキングスペースが40席くらい、それからフリーにお座りいただけるスペースが30~40席くらい、あと、イベントスペースのところがレイアウトによっては50人くらい座っていただけるかなというところです。また、せっかくのスタートアップの施設になりますので、日本のスタートアップの方のつくった製品や取り組み、そういったことをショーケースというかたちでご紹介していきたいなと思っております。なので、ぜひお近くの方にもお立ち寄りいただきたいなと思いますし、ぜひ見ていただける展示を頑張って取り組んでいきたいなと思っております。傍島さんもぜひ来ていただいたらと思います。

小川:そうですよね。

傍島:もちろんです。しょっちゅうこのエリアにはお伺いしますので。われわれがふらっと立ち寄れるスペースもあるのですか。

明石:はい、もちろんです。

傍島:ありがとうございます。

明石:基本的にスタートアップの方向けの施設にはなりますが、1day利用やイベント時など、本当に幅広くいろいろな方に使っていただきたいなと思っておりますので、傍島さんのようなコンサルの方もそうですし、学生さんやVCさんなど、本当に広く、日本だけではなくて外国の方も含めいろいろな方に使っていただきたいなと思っています。なので、私たちも積極的にプロモーションしていかなければなというところですね。

傍島:そうですね。すごく便利になると思いますね。飲みたくもないコーヒーを飲んで、朝も昼も夕方もコーヒー屋さんで打合せすることが非常に多いので、本当にこういう場所があるのはすごく助かる方が多いのではないかなと思います。

明石:ありがとうございます。ぜひ多くの方に、今日ご参加くださっている方も、皆さんにぜひ使っていただけたらありがたいなと思います。

コミュニティーにおける取り組み

先ほどコミュニティでというところでお話をして、ごめんなさい、何度も行ったり来たりして本当に恐縮ですが、コミュニティの中で取り組んでいくことをご紹介させていただきたいなと思います。まず左上のSPACEというのは場所というところで、運営者である私どものほうで利用者の皆様にご提供させていただくものとなります。DIGITALやEVENTというところにつきましては、利用者の皆さんと、コミュニティメンバーの皆さんとつくり上げていきたいなと思っているものです。ずっとこの施設に毎日通ってくださいということではなくて、例えばニューヨークに住んでいらっしゃる方や東京にいらっしゃる方が、たまに例えばシリコンバレーにVCに会いに来ましたというときに使っていただきつつ、ただ、日本に帰ったときにもまたこの施設とつながっていただけるというのを、リアルにその場にいなくてもデジタルでつながって情報共有していけるようなプラットフォームにしていきたいなと思っておりますので、デジタル上のコミュニティもぜひ活性化していきたいなと思っております。EVENTにつきましては、リアルな場所がありますので、そこを活用していろいろな方とつながっていくようなイベントにも取り組んでいきたいと思っています。次のページでまた簡単にご紹介させていただきます。それからほかに「BUSINESS SUPPORT」と「LIFE SUPPORT」と書かせていただいておりますが、日本の方が初めてアメリカで事業を起こそう、生活環境をつくろうとなると、やはりいろいろなことが大変です。傍島さんはよくいろいろと情報をお持ちだとは思いますが、私たちも今回初めて米国法人を設立して、例えば銀行口座をつくるにしても、登記をするにしても、それから不動産を借りるにしても、結構日本と商習慣が違います。また、ビザを取るときや生活環境を整えていくなど、そういった面でもいろいろと課題があり、それは結構皆さんが1回ぶつかってしまう壁かなと思います。そういったところをすでに現地にいらっしゃる傍島さんや、例えばJetroさんや政府関係の方、いろいろな方とつながって、スタートアップの方ができるだけ本業に注力できるように最初のバリアのところはお手伝いさせていただきたいなと思っております。

傍島:すごく大事ですよね。森ビルさんがハブになってここを請け負っていただけるのは、おそらくすごくスタートアップの方や日系企業の方には役に立つのではないかなと思います。生活のほうが本当に大変ですからね。

明石:そうですね。ときどき情報も変わってしまったりして、「あれ?これ提出したかな」「あれ?返事来ないな」などいろいろありますので、きちんとビジネスに注力いただけるためのその前段階のところはお手伝いしたいなと思っております。

小川:とても安心感がありますね。

明石:そうですね、はい。ありがとうございます。続いて、先ほどのイベントのところですが、イベントもいくつか種類を今、区分けで考えております。業界特化のものや皆さんで失敗を共有するようなイベント、それから業界特化とは真逆になりますが、職種、例えばプロマネで集まるようなもの、それから日本の施設ということもありますので、日本のカルチャー、食や漫画・アニメ、それから日本の企業とつなぐようなもの、また、アメリカの企業さんがジャパンエントリーしたいときにもつなげられたらいいなと思いますので、そういったことにも取り組んでいきたいなと思っております。

後ほど岡本さんがご説明されるところも被ってしまうかと思いますが、先ほどご案内したこの施設の個室とコワーキングメンバーの入居者の募集を9月上旬頃に経産省さんのホームページで情報公開が始まりますので、チェックいただけたらありがたいなと思っています。施設の本格的なオープンは年内ということで予定しております。少し長くなりましたが、私のほうのご説明は以上となります。

小川:明石さん、どうもありがとうございました。それではあらためまして岡本さん、どうぞよろしくお願いいたします。

岡本:どうも遅くなりました。岡本です。よろしくお願いいたします。

小川:よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

傍島:よろしくお願いします。

小川:それでは岡本さんのほうから簡単な自己紹介をしていただきまして、プレゼンをお願いしてもよろしいでしょうか。

岡本 英樹氏プロフィール

岡本:はい、よろしくお願いいたします。私は岡本英樹と申しまして、ただいま経済産業省の新規事業創造推進室という部署で働いてございます。こちらの名前は長いのですが、新規事業創造ということでスタートアップの部署でございます。私自身は経済産業省に入って、今まで経済成長戦略全体の取りまとめや電力市場の自由化など、そういったさまざまな業務をやらせていただきました。昨年2月からスタートアップを担当させていただいてございます。よろしくお願いいたします。

小川:それでは早速お願いいたします。

政府が推進するスタートアップ政策の背景

岡本:それでは、今、明石様からシリコンバレーの拠点のご説明をしていただきましたが、それの背景となる、なぜ政府が今、スタートアップに力を入れていて、その中で今回の事業がシリコンバレーの拠点がどういう位置付けにあるのかというようなご説明をさせていただこうと思います。そういう意味で、本来は先にこの背景をご説明させていただく予定でしたが、本日は機材トラブルで遅れてしまい、大変失礼いたしました。

それでは説明させていただきます。まず、実は昨年から岸田政権になりまして、政府がスタートアップ政策に非常に力を入れてございます。われわれの感覚からしても、今までになくほぼ関係者が、間違いなく今が一番スタートアップ政策に力を入れている時期だと皆が言うほど、私どもの中ではスタートアップ政策が今非常に盛り上がっています。

それでは、なぜスタートアップが重要なのかというところです。今お聞きの皆様はすでにいろいろご認識されていらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますが、わが国を代表するような、今の大企業の電機メーカーや自動車メーカーも戦後直後に立ち上がったスタートアップでございます。そういった企業が戦後の混乱期に立ち上がり、高度経済成長期を経て、今、世界に冠たるような大企業に成長しているということでございます。そういったあらゆる企業がスタートアップから始まるわけですが、世界が今、多くの国がスタートアップに力を入れていく中、非常に、残念ながら日本はまだまだアメリカや欧州、中国などに比べてユニコーン企業の数やスタートアップの活動量を示す開業率については低い水準で推移をしているかなと思っております。そこで、政府としては、戦後の創業期に次ぐ第二次創業ブームを実現しようということで力を入れて取り組んでいるというところでございます。

では、スライドをお願いいたします。こちらのグラフは、なぜスタートアップが重要なのかということを示したグラフでございます。青と赤と黒の3本の線が引いてございますが、縦に株式の騰落率を取って、右側に年数を取っております。こちらの図は何を示しているかと申し上げますと、まずこの黒線を見ていただきたいのですが、黒線が日本のTOPIXの株価の推移でございます。2010年から2020年まで、残念ながらほぼ横ばいでございます。他方で青い線がアメリカのS&P500の推移でございます。この10年間で一目瞭然で非常に株価が高騰してございます。他方、このS&P500の中からGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの5社)を除いた数字が赤線になっていますが、実はこの赤線が日本のTOPIXとあまり変わらないのです。つまり、この10年間で日米の差がだいぶ開いてしまったかのように語られることがあるのですが、株式だけで見ると実はこのGAFAMが入っているか入っていないかの違い、つまりGAFAMのような大きな企業を生み出すことができたか、できなかったかの違いであると考えることもできるのではないかなと思っています。まさにこのGAFAMが10年前20年前のスタートアップでありますので、そういった新産業をスタートアップとして起こせたアメリカと、残念ながらそこまで至らなかった日本の差がここで如実に表れているのではないかなと考えてございます。

次のスライドは飛ばしていただいて、その次をいただけますか。ありがとうございます。スタートアップは非常に経済成長の意味で大変重要だと考えておりますが、経済成長だけでなくて、新しい社会課題を解決する主体にもなるということに非常に注目してございます。岸田政権におきましては、新しい資本主義ということで、必ずしも経済成長だけを追い求めるわけではなく、経済成長と同時に社会課題の解決にもしっかりと力を入れていくということを掲げていますので、そういった意味でスタートアップはまさに経済成長のエンジン、イノベーションのエンジンでありながら、社会課題の解決にも資するという意味でまさに新しい資本主義の担い手として非常に注目をしているということでございます。

こちらに書いてある例は、皆さんご存じの方も多いと思いますが、例えば社会課題解決に役立つスタートアップということで、新型コロナワクチンで活躍したあのモデルナも2010年に設立された比較的若いスタートアップでもありましたし、右側は自然エネルギー、再生可能エネルギーの活用ということでは、ここでは例として自然電力株式会社様を掲げておりますが、まさにさまざまなスタートアップの方が参入しているような市場でございます。まさにこのように社会課題解決にダイレクトに迅速にスタートアップが貢献しているというところも、政府がスタートアップを応援する理由となっています。

傍島:この資料、分かりやすいですよね。先ほど2つ前のGAFAMというところ、ここがアメリカの経済をすごくけん引したというのは一目瞭然ですよね。おそらくこの2010年以降、まさにインターネットが本当に広がって、インターネットだけではなくてモバイルが広がって、もう本当にGoogleやスマホがなかったら今は街を歩けないですよね。先ほどのPalo Altoエリアもおそらく歩けないと思います。こういったGoogleやAppleもそうですし、こういった人たちが時代をつくってきたんだなというのは本当に一目瞭然です。先ほどご紹介があったモデルナや風力といったところもそうですが、結構時間をかけて、いろいろな技術のベテランと言いますか、Tシャツのいわゆる大学生のスタートアップではなくて、長年研究を重ねてきたような人たちがスタートアップを起こして新しい事業が生まれてきているなと、アメリカに住んでいて感じます。前半も少しお話しましたが、今、アメリカのスタートアップの平均年齢がMITの教授が出した数字によると42歳らしいのです。スタートアップを起こす年齢ですね。しかも、本当のスタートアップという意味だと45歳という数字がデータとして出ているようです。そういった本当に社会的な経験がある人たちが新しく事業を起こしてこういった世界を変えていくというのが本当にアメリカでは目の当たりに接していますので、決してスタートアップだから若者ということではなくて、本当に経験のある方が事業を起こしていらっしゃるというところがここのポイントの1つかなと思いました。

岡本:ありがとうございます。まさにおっしゃる通りです。特にアメリカでは、学生がスタートアップを立ち上げるというだけではなくて、大企業とスタートアップの人材の移動というのもすごく活発に行われているのではないかと考えています。大企業で活躍された方がスタートアップを立ち上げる、また大企業がスタートアップを買収して、スタートアップの力を取り込んでさらに成長していく、それをわれわれはオープンイノベーションと呼んでいますが、そういったオープンイノベーションや人材の流動化など、そういったところが日本とは違ったダイナミズムを生んでいるのではないかなと考えています。

それでは説明に戻らせていただきまして、とは言え、実はここ10年間の日本のスタートアップを取り巻く環境はどうだったかというところをご説明させていただきます。こちらの図は国内のスタートアップへの投資額を表したものでございます。直近が8,774億円と約1兆円に迫る額になっておりまして、ここ10年間で実は10倍に成長して伸びています。まだまだ世界に比べるとというところはあるのですが、日本は足元かなりスタートアップが盛んになっているのは間違いないという状況でございます。関係者の肌感覚の話でも、やはり10年前と比べるとだいぶ全然景色が違ってきているのではないかなというところはございます。

また、さらに一言この図に補足させていただきますと、昨年、残念ながら、さまざまな問題があってアメリカでスタートアップを取り巻く市況がかなり悪くなっています。日本にもその影響はあるのですが、アメリカに比べるとそこまで大きな影響は比較的ないのではないかと思っております。少し世界のスタートアップの市況が悪くなっていく中、日本が引き続き堅調であるというところもあるのではないかなと思っています。

傍島:そうですよね。このグラフ、アメリカのグラフが並べられたら面白いのですが、2022年の一番右端の棒グラフがありますよね。実はアメリカは2021年の高さから半分ぐらいまで落ちています。日本は右肩に上がっていると思いますが、世界は、アメリカやほかの国はこの日本のグラフでいくと2021年の8,508億円のところから半分ぐらいまで落ちているイメージです。

小川:そうなのですね。

傍島:はい。ただ、マーケット自体は実はもうこれの30倍や50倍ぐらいあるようなすごく大きな数字ですので、アメリカ自体のマーケットは大きいのですが、伸びているかどうかで言うと、実はグラフだけを見ていると日本だけ無風のように伸びているようなグラフになっているので、これが面白いところですね。

小川:そういった背景もあるのですね。

岡本:ありがとうございます。そういった背景もある中で、冒頭に申し上げましたように、昨年来、岸田政権になってから、政権としてスタートアップを応援していこうという動きが加速してございます。具体的には、昨年の1月、この左の写真のところにありますが、昨年の年頭記者会見において、岸田総理が「2022年をスタートアップ創出元年とする」ということを宣言いたしました。そのあとこの矢印のように伸びていくのですが、例えば11月に「スタートアップ育成5か年計画」ということで、今後5年間の中のスタートアップの施策をどうつくっていくかと、スタートアップ政策をどう盛り上げていくかという計画を策定しました。具体的にその1か月後の12月には、過去最高規模のスタートアップ関係だけで1兆円規模の補正予算を組ませていただき、そのあと年末には税制改正で7つの税制を改正しました。これはなかなか分かりにくいのですが、われわれとしてはこの7つの税制というのはとても今までにない数で、一つのトピックだけで7つを変えるというのはもう相当の気合いの入りようだということがなんとか皆様に伝わればなと思っています。当然、去年だけでなくて、今年の6月にも引き続き「骨太の方針」という政府の経済政策の全体を決める文書の中で、スタートアップが引き続き重点分野ということで定められたかたちになっています。

スタートアップ育成5か年計画

それで、昨年定めた「スタートアップ育成5か年計画」の中身がどういうものなのかということですが、大きな目標はスタートアップの投資額を5年で10倍にするというのが大きな目標でありまして、その中に3つの柱を立てています。1つ目が人材・ネットワークの構築、2つ目が資金供給の強化と出口戦略の多様化、3つ目が大企業とのオープンイノベーションの推進ということになっています。その中で、まさに先ほど明石様からご説明いただいたシリコンバレー拠点の施策というのが1つ目の人材・ネットワークの構築というところに入ってくるわけであります。

人材ネットワークの構築の具体的な施策をいくつかご紹介させていただきたいと思います。1つ目が起業家の海外派遣事業「J-StarX」というのがございまして、こちらは今までも実は「始動」という名前でシリコンバレーに年間20人ほどイノベーション人材を派遣しまして、そこで研修を行ってございました。この毎年20人派遣する事業を5~6年続けておりまして、そういったOBの方が立ち上げたスタートアップの時価総額が今、700億円ぐらいまで達しています。そういう意味で、われわれとしては非常に成果があった事業かなと考えております。この年間20人のところを資金調達額を5年で10倍にするということで、20人を10倍にして、年間200人規模、5年間で1,000人規模派遣をするというプログラムを立ち上げています。

早速今年はもう動き始めていまして、シリコンバレーに限らず世界中のスタートアップが盛んな拠点に派遣をしていくということでございまして、シリコンバレーだけでなく、ロンドンや、アメリカでもボストン、それからイスラエル、シンガポールなど、そういうところに幅広く派遣を行っています。今もまだ募集中のところもありますので、こういったところにご関心のある方はどんどん応募していただいて、5年で1,000人というかなり大きな規模でありますから、日本のスタートアップの総数が1万社ぐらいと言われている中で、1,000人の方々を世界に派遣して、そういった方々の何割か、相当な数の方が起業していただいて、すでに起業されている方も中にはたくさん含んでいますので、そういった方々が今後の日本のスタートアップエコシステムを引っ張っていただけるのではないかと考えています。お願いします。

傍島:これはうらやましいですよね。先日、この赤字で書いてあるシリコンバレーの7月のプログラムのメンターを私は務めさせてもらいましたが、たくさんの方に来ていただいて、もう本当に今、アメリカの物価は非常に高くて、なかなかアメリカに来るのも大変な中、こういった政府のプログラムを使って来ていただけるのは非常に良い機会だなと思いました。こちらに来てかなり充実された日程を過ごして帰られたというのがあるので、これがシリコンバレー以外も広がるというのはすごくいいなと思いますね。

岡本:ありがとうございます。われわれの狙いとしては、日本のスタートアップはすごく良い技術を持っていたり、サービスを持っていたりする中で、もっともっと海外に出てほしいという思いはあります。ほかの、例えば韓国や近隣の国と比べましても、日本は、日本市場がすごく大きいので、ある種日本にいても結構成功できます。それはすごく良いことではあるのですが、逆にほかのこの韓国やイスラエルなどの小国のほうが、国内マーケットが小さい分、最初から海外市場を獲りにいこうという思いが強い方が結構多いと思っております。日本の若い方もぜひ海外市場を積極的に獲りにいってほしい、若い方に最初に海外を経験して海外のネットワークにつながってほしい、そういう思いを込めてこちらのプログラムを立ち上げています。

傍島:いいですね。

海外のトップベンチャーキャピタリストを招聘するイベント「MOMENT 2023」

岡本:ありがとうございます。次のページをお願いします。次は、今度は逆に海外から呼び込むということを考えておりまして、海外のベンチャーキャピタルは、出資額が本当に大きくて一気にスケールをさせていただけるという、規模の面の強さもありますし、そういった海外展開のノウハウを持っているという意味でも非常に強力なプレイヤーであると思っています。ただ、今は海外のベンチャーキャピタルが日本のスタートアップに注目をしていただけているかというと、残念ながらまだまだ注目していただけていないのかなと。日本のスタートアップの実力であれば、もっと目を向けていただいてもいいのではないかなと思っております。実際に海外の、アメリカのVCの方々も、日本のスタートアップに興味はあるけれども知らないというところは結構あると思っています。その解決策の1つとして、海外のトップのベンチャーキャピタリストの方々を日本に招待して、そこで日本のスタートアップの関係者とのイベントを行うことを考えていまして、こちらが10月10日、11日の2日間を使って開催しようと思っております。例えばアンドリーセン・ホロウィッツですね、共同創業者のベン・ホロウィッツや、セコイア・キャピタルなど、錚々たるメンバーの方々に来ていただくことになっております。これはアンドリーセン・ホロウィッツのほうも相当気合いを入れて企画していただいておりますので、かなり大きなイベントになるのではないかなと思っておりますし、これをきっかけに日本のスタートアップにどんどん関心を持っていただきたいなと思っております。

MOMENT2023
https://j-starx.jp/event/

小川:ありがとうございます。

傍島:これはうらやましいですよね。こちらはリアルのイベントですよね。虎ノ門ヒルズで、あとオンラインもあるのかな。これは、私はシリコンバレーにいながらこのイベントに出たいですよね。すごく豪華なメンバーで、今、チャット欄に貼ったリンクをご覧いただければと思いますが、正直アメリカにいてもなかなか話を聞けないような方たちがたくさん出ている、すごいイベントです。これはもう、ぜひ、日本にいらっしゃる方はご参加いただいたほうがいいと思います。

小川:皆様、ぜひ、ゆっくりと後ほどご覧ください。

岡本:ありがとうございます。われわれもこれまでの持てるネットワークを駆使して一生懸命呼んだ自信作と言いますか、力の入ったイベントでございますので、ぜひ皆様に応募していただければなと思っております。

小川:ありがとうございます。

岡本:最後にご紹介するのが、順番が逆になってしまって大変恐縮ですが、明石様からご説明いただいたシリコンバレーの拠点ということでございます。ロケーションや中の内容は、明石様から非常に分かりやすいご説明をしていただきました。こちらの政府としての意図、政策的な意図としては、先ほど申し上げたように、海外のベンチャーキャピタルや海外のスタートアップ関係者からすると、日本のスタートアップが実力のわりにあまり注目していただけていないのではないかというところが私たちの問題意識でありまして、もっともっと日本もやるぞというところを示していきたい、日本のプレゼンスを上げていきたいというのがわれわれの問題意識の第一にあります。ここのPalo Altoの場所は、傍島様からも補足いただいたように、本当にシリコンバレーのど真ん中で、非常に場所をこだわって森ビル様に選んでいただきまして、本当にいい場所です。こんなにいい場所に日本政府が場所を設けるなんて、何か動きがあったな、何か日本が本気を入れているな、ということをシリコンバレーに示していくと。ここに何か日本のスタートアップの方々が集まっていて、日本のスタートアップへの熱が感じられるような、そういったところをシリコンバレーにつくって、何か日本のスタートアップは変わったぞと、何か日本のスタートアップエコシステム面白そうだなというのをこの界隈の方々に感じていただくというのが、われわれの裏目的であります。もちろんアメリカに進出するスタートアップの方々に使っていただきたい、その方々をサポートしたいという思いのある中で、さらにそれを通じて日本のスタートアップはすごいなということをシリコンバレーの方々に発信していきたいというのがこの施策の背景にあります。

小川:楽しみですね。

傍島:ありがとうございます。

視聴者からのご質問

小川:岡本さん、ありがとうございました。それではご質問をいただいておりますので、1つご紹介させていただきます。「Jetroとの差別化を教えてください。Jetroは国内外の拠点、海外の地域、産業調査等に豊富な知見を持つ人材、現地政府、企業、研究機関、国際機関とのネットワーク、アジア経済研究所における研究成果の蓄積の強みを活用して調査分析を行い、最新の海外ビジネス情報を日本企業に広く提供しています」ということですが、いかがでしょうか。Jetroとの差別化、お願いしてもよろしいでしょうか。

岡本:非常にするどいご指摘ありがとうございます。本件で申し上げますと、実はJetroとは強く連携をしておりまして、この事業は先ほどご説明させていただいたシリコンバレー、海外への派遣事業とパッケージで考えていて、海外に派遣するというのと、それからシリコンバレーに拠点をつくるというのを1つの政策のパッケージシステムとして考えています。その中で、こちらの派遣プロジェクトの中でJetro様もかなり中心的な役割を担っていただきまして、Jetroと連携しながら、Jetro様のネットワークも活用しながらこういった海外展開の施策をつくっているという状況です。

小川:ありがとうございました。ご質問いただいた皆様、ありがとうございました。お時間の都合上、こちらでご質問は終了とさせていただきます。それでは、ここで傍島さんからCES簡単ガイドブックに関する告知をお願いいたします。

(告知)「CESかんたんガイドブック」、「近畿日本ツーリスト様CESツアー」

傍島:昨年末に「CESかんたんガイドブック」というものを発売いたしました。今回初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますが、毎年1月にラスベガスでCESという非常に大きなイベントがあります。こちらについては日本からたくさんの方が出張で行かれていらっしゃると思いますが、もう本当にスタートアップの祭典のようなイベントです。こちらの会場の歩き方や、それからCESというイベントの中でアワードということで優秀なプロダクトに関してはアワードで表彰されているようなことになっています。今年の1月に関しては454の製品がありまして、こういった製品のところを一覧表で私のほうでスプレッドシートにまとめています。あとは現地のブースの番号もついていて、どこに展示をしているのかというのが一目で分かるようなかたちで整理しました。また、どういったスタートアップが人気になっていて、どういうカテゴリーが多いのかなど、こういったところを日本語できちんと解説したレポートを販売しております。

今年も、今は8月末ですけれども、CESに向けて準備を始めていらっしゃる方が実はいらっしゃいます。というのは、CESは本当に世界中から、一番多いときは17万人ぐらい集まったような大きなイベントで、ラスベガスが本当にお祭り状態になって、現地に入る飛行機やホテルが非常に高騰します。ですから、今の段階から航空券や現地のホテルの手配をする方が非常に増えています。今回、画面にお見せしていますが、近畿日本ツーリスト様とわれわれTomorrow Accessでのコラボレーションが決まりまして、近畿日本ツーリスト様のほうでCESの視察ツアーも2024年版で企画されています。これは9月上旬にWebサイトも発表されるということですが、非常にリーズナブルな航空券とホテルになっておりまして、こちらにご参加いただいた方にはわれわれのほうで販売を予定しております「CESかんたんガイドブック」をもれなくプレゼントということでついてくるかたちにしております。ご興味がある方はぜひご覧いただければと思います。

近畿日本ツーリスト様 企画・実施 「CES2024ツアー」
https://biz.knt.co.jp/ces/

まとめ

小川:皆様ぜひご覧いただければと思います。それでは最後に岡本さん、明石さん、今日はいかがでしたでしょうか。一言ずつ簡単にメッセージ頂戴できますか。では、明石さんから。

明石:今日はお時間いただきまして、どうもありがとうございました。これからセンターが10月頭、秋から冬にかけて開業していく中で、皆さんに使っていただける、皆さんの身近な施設にしていきたいなと思いますので、ぜひこれからも見ていただけたらなと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

小川:ありがとうございます。お体に気を付けて頑張ってください。

明石:ありがとうございます。

小川:そして岡本さん、皆様に一言メッセージをお願いいたします。

岡本:ありがとうございます。今日はすみません。遅くなりまして大変失礼いたしました。われわれもこういった施策をたくさん準備しておりますが、活用していただかないと意味がないものでございますから、ぜひぜひどんどん使っていただいて使い倒していただければなと思っています。よろしくお願いいたします。

小川:ありがとうございます。それでは本日の01 Expert Pitchは以上をもちまして終了となります。岡本さん、明石さん、傍島さん、本日はどうもありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

小川:最後までご視聴いただいた皆様も本当にありがとうございました。ぜひまた次回もご参加いただければと思います。それでは、さようなら。

以上


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