解説2026.10.27読了 約6分

シリコンバレーのコンサルティング会社の選び方|日本企業が確認したい8つの軸

シリコンバレーのコンサルティング会社の選び方|日本企業が確認したい8つの軸


シリコンバレーのコンサルティング会社の選び方|日本企業が確認したい8つの軸(記事バナー)

この記事の要点

  • 日本企業がシリコンバレーで頼れる主な依頼先を、この記事では公的機関、大手コンサルティング会社、現地の小規模なコンサルティング会社、アクセラレーター、資格を持つ専門家の5種類に分けて整理します。
  • 選ぶときの軸は、目的との一致、実際に担当する人の現地経験、紹介できる相手の具体性、成果物の形、契約の単位、利益相反の開示、本社との連携、情報の扱いの8つです。
  • 大きな契約の前に、1時間や1か月の短い依頼で相性を確かめる方法があります。


日本企業がシリコンバレーで情報収集・提携・出資・拠点づくりを進めるとき、現地のコンサルティング会社や支援機関に依頼することがあります。

ただ、「シリコンバレー コンサルティング」で検索すると、公的機関から個人のコンサルタントまで、性格の違う相手が並んで出てきます。どれが自社に合うかは、名前や規模だけでは分かりません。

この記事では、主な依頼先を大きく5種類に分けたうえで、選ぶときに確認したい8つの軸を、事実と判断の材料に絞って整理します。


主な依頼先を5種類に分ける

1. 公的機関

JETRO(日本貿易振興機構)はサンフランシスコに事務所を置き、現地での情報提供や相談、イベント、ビジネス展開の支援などを行っています。

2. 大手コンサルティング会社・会計事務所

戦略の立案から法務・税務の手配まで、一つの契約で対応できます。チームで動くため、提案した人と実際に担当する人が別になることがあり、契約の単位も大きくなりやすい形です。

3. 現地の小規模なコンサルティング会社・個人

シリコンバレーに住む日本人や、日系企業の駐在経験者が運営していることが多く、担当者本人が動きます。対応できる範囲は、その人の経験と人脈で決まります。

4. アクセラレーター・ベンチャーキャピタル

本業はスタートアップへの出資と育成です。日本の大企業向けには、スタートアップとの引き合わせや出資プログラムを提供する場合があります。紹介先に自らも出資していることがあるため、利益相反の確認が要ります。

5. 資格を持つ専門家

法務・移民・税務など、資格や専門知識が必要な手続きでは、弁護士、公認会計士(CPA:Certified Public Accountant)、米国税理士(EA:Enrolled Agent)などの専門家への相談が必要になる場合があります。コンサルティング会社が、必要に応じてこうした専門家を紹介し、プロジェクト全体の進行を支援する場合もあります。


選ぶときに確認したい8つの軸

1. 目的を一つに絞る

「市場調査」「提携先探し」「出資」「拠点設立」「人材採用」のどれが主目的かで、向く相手が変わります。目的が決まっていない段階なら、公的機関の相談や短時間の有料相談で整理するのが先です。

2. 担当者本人の現地経験

提案する人と、動く人が同じかどうか。その人がシリコンバレーに何年住み、どんな種類の案件を扱ってきたか。会社の実績ではなく、担当者本人の実績を聞きます。

3. 紹介できる相手の具体性

「ネットワークがある」という言葉だけでは判断できません。どの分野の、どんな立場の人に、どんな用件で会えるのか。過去にどんな引き合わせをしたのか(社名は出なくても、業種と相手の立場は聞けます)。

4. 成果物の形

報告書だけなのか、会議の設定・同席・議事録・本社向けの資料まで含むのか。日本語と英語のどちらで出るのか。本社の稟議や役員会にそのまま使える形かどうかで、社内の手間が変わります。

5. 契約の形と単位

月額の顧問契約、プロジェクト単位、1時間単位など、契約の形は会社によって違います。最初から長期契約を求められるのか、短い依頼から始められるのか、途中でやめる条件はどうなっているのかを確認します。

6. 利益相反の開示

紹介先のスタートアップに出資していないか、紹介料を受け取っていないか。聞けば答えてもらえることです。答えが曖昧な場合は、その点を契約書に書いてもらう方法があります。

7. 本社との連携

日本時間での会議に対応できるか、日本語で報告が出るか、本社の担当者が交代しても引き継げる記録が残るか。現地と本社の認識にずれがあると、意思決定やプロジェクトの進行が遅れることがあります。

8. 情報の扱い

NDA(秘密保持契約)を結ぶか、他社の案件で得た情報をどう扱うか。競合他社の案件を同時に受けるかどうかも、最初に聞いておく点です。


最初の問い合わせで聞くことの一覧

上の8つの軸を、初回の問い合わせで聞ける形にまとめると次のようになります。

  • 誰が担当するか。その人の経歴と在住年数
  • 直近1年で扱った案件の種類(社名は不要)
  • 紹介できる相手の分野と、過去の引き合わせの例
  • 契約の最小単位と、途中でやめられる条件
  • 出資・紹介料など利益相反の有無
  • 成果物の言語と形式、本社向け資料の有無
  • NDA の有無と、競合案件の扱い

いずれも、依頼前に確認しておきたい具体的な質問です。答えが具体的かどうかも判断の材料になります。


今後の注目点

生成AIの普及で、公開情報の収集と整理は自社でできる範囲が広がっています。そのぶん、現地のコンサルティング会社に求められる価値は、公開情報だけでは得にくい判断材料、人への紹介、交渉や会議の実務に移っています。

依頼の内容を決めるときは、自社で済む調査と、現地でしかできない紹介・実務を分けて考えると、各社の提案を同じ土俵で比べられます。


当社(Tomorrow Access)の場合

最後に、当社の立ち位置を同じ軸で書きます。

Tomorrow Access は、シリコンバレーを拠点に2021年に設立したコンサルティング会社で、日本企業の米国進出・新規事業開発・CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立と、スタートアップの成長を支援しています。

担当は代表の傍島健友が自ら行います。日本の大手通信会社で25年(通信技術者、新規事業、CVC の米国投資責任者)を経て、2015年からシリコンバレーに住んでいます。

契約の形は、プロジェクト単位のビジネス戦略コンサルティング(個別にお見積り)と、1時間のスポットコンサルティング($500)の2つで、短い依頼から始められます。日本語・英語で対応し、これまでに金融・健康食品・精密機器・重工業・ITサービス・旅行の大手企業と、十数社のスタートアップを支援してきました。

当社や代表が関わるファンドの投資先など、支援先と利害関係がある場合は、ご相談の前にお知らせします。ご相談はお問い合わせフォームからお願いします。


まとめ

この記事では、日本企業がシリコンバレーで頼れる主な依頼先を、公的機関から資格を持つ専門家まで5種類に分けて整理しました。向く目的はそれぞれ違います。

選ぶときは、担当者本人の現地経験、紹介できる相手の具体性、契約の単位、利益相反の開示を、初回の問い合わせで事実として確認できます。

なお、本記事の内容は2026年10月時点のものです。


情報源

JETRO サンフランシスコ事務所

Tomorrow Access ビジネス戦略コンサルティング

Tomorrow Access スポットコンサルティング


当社のメールマガジンでは、シリコンバレーの最新トレンドやビジネス戦略に関する情報を発信しています。現在は配信システムの障害のため、新規のご登録と配信を一時停止しています。再開しだい、このサイトでお知らせします。