テックニュース2026.08.30読了 約5分

米国務省、移民ビザ面接を全世界で一時停止 再開時期は未発表

米国務省、移民ビザ面接を全世界で一時停止 再開時期は未発表


米国務省、移民ビザ面接を全世界で一時停止 再開時期は未発表


米国務省が、世界各地の米大使館・領事館で移民ビザ(米国の永住権=グリーンカードの取得につながるビザ)の面接予約を一時停止しました。Reutersが8月25日、国務省報道官への取材をもとに報じました。

予約済みの面接も延期・再調整の対象となり、新しい日程は追って通知するとされています。正式な再開日は発表されていません。

停止の対象は移民ビザの面接です。就労・留学や商用・観光などのための非移民ビザまで含めた「全ビザの停止」ではありません。



何が止まり、何が止まっていないのか

移民ビザは、米国外に住む人が大使館・領事館での手続きを経て永住権を取得するためのビザです。今回の停止は、米国外で領事手続きによる移民ビザの面接を待つ申請者に影響します。

AP通信によると、影響を受けるのは主に、米国市民の親・配偶者・子・兄弟姉妹などを呼び寄せる家族ベースの申請者です。

面接を予約済みの申請者には、予約を再調整する旨のメールが届いていると報じられています。AP通信によると、8月に予定されていた面接は、その予定日には行われず、9月から11月にかけて日程が組み直されます。

国務省当局者は、これらの面接が取り消されたわけではないと説明しています。あくまで延期であり、予約の変更は申請そのものの却下を意味するものではありません。

一方、H-1B(専門職)やF(学生)、B1/B2(商用・観光)などの非移民ビザの面接が停止対象になったという発表や報道はありません。米国の移民法務を専門とする法律事務所Fragomen(フラゴメン)は、米国内で身分変更(Adjustment of Status)により永住権を申請中の人も今回の停止の対象外で、USCIS(米国市民権・移民業務局)の審査は続いていると解説しています。



国務省が説明する理由は領事担当官への研修

国務省報道官は8月25日、全世界の大使館・領事館を対象とする研修の取り組みを始めており、これに合わせてビザ関連の予約を調整すると説明しました。

Reutersによると、研修の狙いは、公的扶助に依存する可能性が高いと判断される申請者を審査し、ビザ申請者を「包括的かつ一貫して」評価できるようにすることです。パブリックチャージ(公的扶助への依存可能性)と呼ばれる審査基準に関わる研修で、8月上旬に始まったと報じられています。

一方、国務省は研修の具体的な内容や面接の正式な再開日を明らかにしていません。AP通信は国務省当局者の話として、停止は9月上旬から中旬を超えない見通しだと報じています。



8月21日の連邦地裁判決と9月18日発効予定の新規則

今回の停止に先立つ8月21日、ニューヨーク南部地区連邦地裁のジャネット・バルガス(Jeannette Vargas)判事は、75カ国の国民への移民ビザ発給を停止していた国務省の政策を無効としました。AP通信によると、判事はこの政策がマルコ・ルビオ国務長官の法定権限を逸脱すると判断しました。

無効となった政策は、1月21日から実施されていたものです。国務省は8月28日に公式サイトを更新し、裁判所の命令に従い、75カ国を対象とした移民ビザ発給の停止は8月21日付で効力を失ったと明らかにしました。

Fragomenによると、判決はこの政策のみを根拠とした発給拒否も取り消し、領事審査に差し戻しました。政府側が控訴するかどうかは、明らかになっていません。

パブリックチャージを巡っては、米国土安全保障省(DHS)側でも新しい最終規則が9月18日に発効する予定です。USCISの政策通知(8月18日付)によると、新しい指針は9月18日以降に提出される身分変更申請に適用されます。



今後の注目点

国務省は、移民ビザ面接の正式な再開日と再予約の日程を発表していません。AP通信が伝えた「9月上旬から中旬まで」という当局者の見通しどおりに面接が再開されるかが、当面の注目点です。

このほか、9月18日に発効する予定のDHSの新規則の運用と、無効化された75カ国政策に対する政府側の控訴の有無が、未確定の要素として残っています。



情報源

米国務省(travel.state.gov) – Immigrant Visa Processing Updates for Nationalities at High Risk of U.S. Public Benefits Reliance

USCIS – Policy Alert: Public Charge Ground of Inadmissibility(PA-2026-09)

Reuters – Trump administration issues pause on immigrant visa appointments for applicants worldwide

AP News – Trump expands immigration crackdown to those entering legally

PBS News(AP通信配信) – Federal judge vacates Trump policy that suspended processing of immigration visas from 75 countries

Fragomen – United States: State Department Temporarily Pauses Immigrant Visa Interviews Worldwide

Fragomen – United States: Federal District Court Vacates State Department’s 75-Country Immigrant Visa Ban


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