テックニュース2026.08.12読了 約5分

YouTubeが広告収益化の視聴要件を2倍に、8,000時間へ

YouTubeが広告収益化の視聴要件を2倍に、8,000時間へ


YouTubeが広告収益化の視聴要件を2倍に、8,000時間へ


YouTubeは2026年8月10日、新規クリエイターが広告収益化を始めるための要件を引き上げると発表しました。対象は「YouTubeパートナープログラム(YPP)」で広告とYouTube Premiumの収益分配を受けるための基準です。

2027年2月1日以降、新規クリエイターが広告とPremiumの収益分配の対象になるには、直近365日で8,000時間の視聴時間、またはショート動画の直近90日で2,000万回の視聴が必要になります。いずれも現行の2倍で、広告収益化を目指す新規クリエイターには参入のハードルが大きく上がる変更です。



2027年2月1日から適用される広告収益化の新規要件

公式ブログによれば、現在、広告とPremiumの収益分配を受けるための基準は「登録者1,000人+直近1年の視聴時間4,000時間」または「登録者1,000人+直近90日のショート視聴1,000万回」です。2027年2月1日からは視聴時間の要件が8,000時間に、ショート視聴の要件が2,000万回に引き上げられます。登録者数の要件は変わりません。公式発表で「qualified」とされる視聴時間・視聴回数が集計の対象です。

この新規参加基準の引き上げは、新たにYPPへ申請するクリエイターが対象で、既にYPPに参加しているクリエイターには適用されません。メンバーシップや投げ銭などのファン向け機能、ショッピング機能に参加するための要件も従来のままです。

なおYPPには、これより低い基準でファン向け機能から収益化を始められる段階もあり、今回の引き上げは広告とPremiumの収益分配の基準だけが対象です。



ショート動画の分配条件とPremium Liteの世界展開

ショート動画の収益分配には、受け取りを続けるための維持条件が導入されます。広告とサブスクリプション収益の分配を受けるには、直近90日で1,000万回の対象となる(qualified)ショート視聴を保つ必要があります。

下回ってもYPPから外れるわけではなく、止まるのはショート分の分配だけです。長尺動画の収益は続き、再び基準を超えればショートの分配も自動で再開されます。

また、割安プラン「Premium Lite」をYouTube Premium提供の全ての国へ広げることも発表されました。Premiumは全ての動画を広告なしで見られる上位プラン、Premium Liteはほとんどの動画が広告なしになる低価格プランです。

クリエイターへの収益配分は、3段階で計算されます。まずYouTubeが、純サブスクリプション収益の一部(Premiumは30%、Premium Liteは60%)をクリエイター向けの配分プールに入れます。

次に、そのプールを「有料会員がどのクリエイターの動画をどれだけ見たか」(視聴時間・視聴回数)に応じて山分けします。最後に、割り当てられた額のうち長尺動画なら55%、ショートなら45%が実際の受け取り分になります。

YouTubeは「ユーザーがPremiumに登録すると、広告を見ていたときよりもパートナーの平均収益は高くなる」と説明しています。



「ショート1日2,000億回」の規模拡大と他社の収益化見直し

YouTubeは要件引き上げの理由を、1日2,000億回を超えるショート視聴、テレビでの1日10億時間超の視聴時間という「YouTubeの成長に歩調を合わせるため」と説明しています。

一方TechCrunchは、今回の変更で新規クリエイターが収益化に到達しにくくなり、特にショート中心のクリエイターへの影響が大きいと指摘しています。

収益化プログラムの見直しはYouTubeだけではありません。TechCrunchによれば、X(旧Twitter)は2026年8月、従来の収益分配プログラム「Revenue Sharing」を終了し、独自性のあるコンテンツを重視する「Original Content Rewards」へ移行すると発表しました。新制度への申請受け付けは9月8日に始まります。

Facebookも2026年春に、TikTokやYouTubeの人気クリエイターを取り込む新しい収益化プログラムを開始しています。Google傘下では、DeepMindが映画製作会社A24とAIを活用した映像制作の研究提携を結ぶ など、コンテンツ制作分野への投資も続いています。



今後の注目点

Premium Liteの拡大について、国ごとの提供開始時期は発表時点では示されていません。新しい要件が新規参入にどの程度影響するかも、発表時点では分かりません。

また、ショートの分配維持条件(90日で1,000万回)が実際のクリエイター収益にどう影響するかは、2027年2月1日の適用開始後に明らかになります。



情報源

YouTube公式ブログ – New opportunities to earn and changes to the YouTube Partner Program

Google – Google DeepMind and A24 announce research partnership

TechCrunch – YouTube now requires creators to have twice as many watch hours to start earning money

TechCrunch – X replaces ‘misaligned’ Revenue Sharing program with Original Content Rewards

Engadget – YouTube is making it harder for creators to start getting a cut of ad revenue


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