自動運転のMay Mobility、SPACでナスダック上場へ 企業価値14億ドル、NTTはシリーズD・Eを主導
2026年9月16日

自動運転技術の米スタートアップMay Mobility(メイ・モビリティ)が9月16日、SPAC(特別買収目的会社)との統合によってナスダックに上場する計画を発表しました。統合後の企業価値(プロフォーマ企業価値)は約14億ドルです。
上場はSPACのACP Holdings Acquisition Corp.との最終的な事業統合契約に基づくもので、完了すればティッカーシンボル「MAY」で取引が始まる予定です。
同社はトヨタ自動車の車両で自動運転の配車サービスを米国で運行し、NTTグループがシリーズDとEの資金調達を主導しました。名古屋市では9月11日にNTTグループとの実証実験も始まっています。
最大3億3,700万ドルの調達と統合完了の条件
統合で得られる資金は最大3億3,700万ドルです。内訳は、ACP Holdingsの信託口座から最大2億1,700万ドル、機関投資家などからの私募出資(PIPE)が1億2,000万ドルです。
信託口座の金額は、公開株主の償還(買い戻し)の規模で減るため上限として示され、PIPEの1億2,000万ドルは出資の約束が固まっている金額です。
完了時期は、共同発表では2026年末までの見込みとしています。一方、同日にSECへ提出した投資家向け資料では2027年第1四半期の完了を目標としており、資料間で時期に差があります。両社の株主による承認とナスダックの上場承認などが条件です。ACP Holdingsは、TechCrunchによればテキサス州ヒューストンの投資運用会社Atlas Credit Partners系のSPACです。
資金の使い道は4つです。安全担当者を乗せない「ドライバーアウト」運行の対象範囲を広げる研究開発、部品コストを下げる供給網への投資、米国内外での新しい展開、運転資金です。
May Mobilityは、この取引で「米国で初めて上場する自動運転配車専業の技術企業」になると位置づけています。
車両保有をパートナーへ移す「Autonomy-as-a-Service」への移行
May Mobilityは現在、車両や運営コストを自社で負担するモデルから、車両の保有・車庫の運営・整備をフリート運営パートナーが担い、同社が自動運転技術を提供する「Autonomy-as-a-Service」への移行を進めています。対価は固定料金か乗車1回ごとのライセンス料です。投資家向け資料では、移行の途中にあり、パートナーとの収益分配からはまだ大きな売上を生んでいないとしています。
配車の相手は米国のUberとLyft、シンガポールのGrabなどで、車両はトヨタ自動車が主な供給元です。米国ではアトランタでLyftと組んで商用運行しています。ミネソタ州のイーデンプレーリーとグランドラピッズでは自社の配車サービスです。発表資料では、米国の複数拠点で安全担当者を乗せない公道ルートを運行してきた数少ない企業の一つだとしています。
テキサス州アーリントンでは、Uberと組んだ商用運行を2026年第4四半期か2027年第1四半期に始める目標です。
Mobileyeが自らロボタクシー運営に乗り出す動き とは、目指す資産の持ち方が異なります。同社が米国と日本で完了した商用の自動運転乗車は55万回を超えています。
売上約1,000万ドルに対しキャッシュバーン約9,300万ドル
発表によると2025年の売上高は約1,000万ドルです。同じ年のキャッシュバーンは約9,300万ドルでした。2017年の創業から調達した資金は累計で約4億4,500万ドルです。
2023年11月の1億500万ドルのシリーズD調達はNTTグループが主導しました。トヨタ自動車系のToyota Venturesやあいおいニッセイ同和損害保険も参加しています。
日本では、NTTドコモビジネス、NTTモビリティ、NTTドコモの3社が9月11日に実証実験を始めました。愛知県から受託した事業で、名古屋市都心部で自動運転とオンデマンド配車を組み合わせます。May Mobilityの自動運転ソフトウェアを使い、期間は2027年3月19日までの予定です。
今後の注目点
実際にMay Mobilityへ入る資金は、ACP Holdingsの株主による償還の規模で変わります。両社株主の承認とナスダックの上場承認を経て、共同発表の2026年末までか、投資家向け資料の2027年第1四半期か、どの時期に統合が完了するかが最初の焦点です。
事業面では、テキサス州アーリントンでのUberとの商用運行開始の時期が判断材料です。2026年内に発表するとされる追加の展開先も同様です。名古屋での実証実験は2027年3月まで続く予定で、結果は公表されていません。
情報源
SEC EDGAR – ACP Holdings Acquisition Corp. Form 8-K Exhibit 99.1(2026年9月16日)
SEC EDGAR – ACP Holdings Acquisition Corp. Form 8-K Exhibit 99.2 投資家向け資料(2026年9月16日)
NTTモビリティ – 名古屋市都心部で自動運転とオンデマンド配車システムを組み合わせた実証実験を開始(PR TIMES)
May Mobility – May Mobility announces $105 million Series D investment round led by NTT
TechCrunch – May Mobility is going public in a $1.4B SPAC deal
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