夫が駐在員としてアメリカに滞在していた約6年間は勤務先から支給される保険のお蔭で、高額といわれるアメリカの医療について特に心配することもなく、自分達が入っている保険の内容も正直よく理解していなかった。幸い我が家は皆健康体なので、ほとんど医療保険は使っていない。歯科保険についても私以外の家族は年2回の定期検診以外ほとんど使っていない(夫は50歳にして虫歯がほぼゼロで、幸い子供たちも夫の良い遺伝子を引き継いだようだ。大変ありがたい)
2021年3月末で夫が勤務先を退職し、こちらで独立起業すると決めた時に気になったことの1つに今後の健康保険はどうしたらよいのかということがあった。これまでは会社からもらった保険カードを持って病院にいくだけでよかったけれど、今後は自腹で保険料を払っていかなくてはいけない。その保険料もカバーされる内容によって保険料は大きく変わる。いろいろと自分で調べていくうちに、会社員であった夫は退職日から1年半(18ヶ月間)は元々会社で入っていた医療、歯科保険に継続して加入できることがわかった。いわゆるCOBRA(Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act)を利用し、これまで会社が支払っていてくれた保険料を自分で支払う以外は何ら他に変わることなく、今までどおりの保険を利用することができた。
そしてCOBRAの利用期限(2022年9月末)がいよいよ迫り、再度真剣に我が家の健康保険について考えざるを得ない状況となった。医療保険は大きく分けてPPO(Preferred Provider Organizations)とHMO(Health Maintenance Organizations)の2つのタイプからまず選択し、その後更にプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズプラン(*保険料はプラチナが一番高く、ブロンズが一番低い)という4つのプランから自分に好ましいプランを選ぶ。保険についてはこちらのHPが参考になった。
よく病院に行く人は、月々の掛金が高くても実際に病院にかかった時に支払う料金が少なくて済む(保険料でカバーされる割合が高い)プラチナプランを選ぶことが多いであろうし、逆に滅多に病院に行くことのない人は保険料節約のためにブロンズプランを選択するのだろうが、これも保険会社によって内容がさまざまであるため、自分のかかりつけ医がその保険会社の保険を受付けているのかについても調べる必要が出てくる。
熟慮した結果、我が家は医療保険はHMOであるK社のブロンズプラン、歯科保険はB社のPPOプランを選択した。(眼科保険については、わざわざ保険に入らなくても必要な時に実費を支払えばよいと思ったので加入しなかった。)これまで加入していた医療&歯科保険はPPOプランだったので、今回医療保険をHMOに変えるにあたり、これまでのかかりつけ医は変更することになるが、歯科については今までどおり同じところに通院できる。そしてこの医療&歯科保険は夫と私、息子の3人のみの加入。現在、大学3年生の娘については大学が提供する保険に個別に加入させることにした。ちなみに娘の保険は医療はPPOであるA社、歯科保険はD社である。保険料は年間で約3000ドル超であるが、これは学生用の保険なのでかなり割安である。
幸いにして健康体である我が家は、ほぼ病院に行くことはないであろうという予測のもと、医療はブロンズプランで、しかもHDHP(High Deductible Health Plan)という実際に保険が効くまでの自己負担額が多いプランを選択した。これは家族1名あたり年間7,000ドル、家族全体では14,000ドルまでの医療費は自分で支払うが、それ以上かかった医療費については全て保険でまかなわれる。医療費がかかった場合の負担は最初は大きいが、裏を返せばどんなに医療費がかかったとしても最大1名あたり7,000ドルだということなので、その分は貯金しておけばよいということだ。
そしてその貯金に関してはHSA(Health Savings Account)を利用することで、お得に医療費を貯めておける。HSAを開設することで、2022年は1人あたり$3,650まで、家族では $7,300までを医療費用として貯蓄でき、これに税金はかからないので、節税対策となる。ただし、あくまでもこの口座に入れたお金は医療費に(保険料の支払いは不可)使われた場合のみ使用が可能となる。口座に入れたお金を使わなかった場合は翌年以降に持ち越されるので、ある程度HSAにお金があれば、さほど医療費についての心配はいらないということだ。
HSAについての理解を深めるために、今月(10月)は4回もBank of America主催のHSAについてのウェビナーに参加することにした。 ウェビナーで新たな知識が得られたら、またこちらに記したいと思う。