美白の国、ニッポン

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今回、一時帰国して驚いたのが日本女性の肌の白さ&美しさである。カリフォルニアに来てからの7年間、自分なりに日焼け対策には気を遣っていたつもりだったのだが、久しぶりに会って私の顔を見た友人のほぼ全員に「焼けたねー!」とか、「カリフォルニアの香りがする」と言われた。

客観的に自分の肌を見てみると、どうも私の顔の色は周囲の日本女性の皆さんに比べて黒かった。そして腕や首の肌色よりも顔の方が黒い。なんで?毎日欠かさず日焼け止めを塗っていたのだけれど、やはり日々の紫外線対策が甘かったのかもしれない。考えてみれば、アメリカに来てからはかつて日本で使っていた日傘を使うことは完全になくなった。実はこちらに来たばかりの頃、1回だけ日傘を使ったことがあるのだが、周囲に日傘など差している人は誰もおらず、なんとなく気恥ずかしくなってそれっきり使うのをやめてしまったのだ。まさに同調圧力に弱い日本人の私。皆さんがしていないなら、私もやめておこうという思考である。そして、今回色白さんだらけの日本で、すっかり色黒さんとなった私は日本人女性の肌の美しさにいたく感心した。あの肌の美しさは日頃の努力の賜物に違いない。

一般的にアメリカ人(特に白人)は日焼けを気にしない。というか、むしろ日焼けをしたがる。小麦色の肌を健康的かつ魅力的に思うらしい。例えば以前知り合いに「冬休みにハワイに行く」と言ったら、「おっ、いいね。日焼けできるね!(Oh, nice! You’ll get tanned!)」と日焼けをものすごく肯定的に捉えたコメントをもらったことがあるし、娘がお友達とビーチに出かけた時は、せっせと日焼け止めを塗りまくる娘の姿をよそに白人のお友達2人は日焼けできることを喜んでいたと言っていた。

最近でこそ、日焼け止めを塗って肌を守ることの大切さを伝えているアメリカ人も増えてきたように思うが、まだまだ「こんがり焼けた小麦色の肌を持つ私=バケーションに行く余裕のある素敵な私」と考えているアメリカ人も一定数いるような気がする。

1つ確かなことは、若い頃から気にせずに日焼けをすると確実に歳を重ねた時にその影響(ダメージ)が現れるということ。こちらのテレビのニュースキャスターでもデコルテや腕が日焼けの影響でシミだらけの人も結構いたりするのだが、本人がそれを気にしているのか、それとも誇りに思っているのかはよくわからない。

「よーし、アメリカに戻ったらもっと美白に力を入れよう!」と日本滞在中には考えていたのだが、こちらに戻って来た途端、色々な肌の色、髪の色、体型の人に囲まれ、その決意はあっという間に消え去った。「みんな違ってみんないい」のアメリカにいると、何を美しいと思うかは人それぞれ。こうでなければならないという概念は一切なし。どんな姿、形であっても私は私、今のままで十分OKと思わせてくれるのはダイバーシティ(diversity)に富んだアメリカのいいところだなと改めて感じたのであった。

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