離婚は身近にあります

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ジョニー=デップとアンバー=ハードの名誉毀損裁判がマスコミを賑わせている。一度は結婚するほど愛し合っていた二人がどうしてここまで憎しみ合うようになってしまったのかと思うと本当に残念。ブラッド=ピットとアンジェリーナ=ジョリーの離婚の時にも同じことを思った。どちらのカップルも美男美女でとってもお似合いだったのに。

アメリカに来て感じるのは、身近な友人やその家族に離婚経験者が非常に多いということだ。1回の離婚では済まず、2回、3回と離婚している人もいる。例えば、かつて家族ぐるみで親しくしていたゴルフコーチ4人(男性)を例に挙げると、1人を除いて全員の親が離婚していた。そして唯一、親が離婚していなかったコーチは本人が離婚経験者。前妻との間にできた2人の娘を連れて再婚した相手とは幸せな生活を営んでおり、かれこれ25年以上連れ添っている。ちなみに彼の兄は2回離婚していて、現在はパートナーと暮らしている(3度目の結婚はまだしていない)

仲良しの友人であるP夫妻の場合、夫のFさんは3人兄弟だが、自分以外は皆離婚していて、うち1人は3回離婚したと言っていた。

息子の小学校を通じて知り合った、これまた仲良しのGさんも最初のうちは結婚していると思っていたのだが、しばらくしてから離婚していることを知った。Gさんの場合は離婚後も元奥さんのBさんと関係が良好で、2人の子供達の学校行事には一緒に現れるし、元々一家で住んでいた家を出た奥さんは、車で数分離れた場所にあるアパートを借りて暮らしている。この元夫婦の関係は日本人の私からすると、とっても不思議。

ある時、夫と私、Gさんの3人で軽く飲みに出かけた時、Gさんの携帯に元奥さんのBさんからたまたま電話があり、2人の会話に私たち夫婦も加わったことがあった(私たち夫婦とBさんも友人同士なので)

離婚はどちらか一方が「顔も見たくなければ、声も聞きたくない。もう限界」というまで我慢を重ねた結果だと、日本人かつ昭和生まれの私は考えてしまうのだが、Gさん&Bさんの場合は極めて友好的な会話をしていた。そしてもっと驚いたことに、元夫婦は毎日のように電話で話しているという。もちろん子供のことでいろいろと協力し合うことがあるからだとは思うが、毎日普通に会話できるぐらいなら離婚までしなくてもいいのに・・・と思ってしまった。そこでGさんに「あなたとBさんはとっても素敵なカップルで、こうして毎日話もできているのに、どうして別れてしまったの?」と聞いてみたが、”It didn’t work out.” (うまくいかなかったんだ)との答えであった。それ以上、人のプライバシーに踏み込むわけにはいかないので、離婚の本当の理由は知らないままだ。

また息子の友達のNくんの家庭はもっと複雑である。Nくんは5人兄弟の2番目だが、お兄さんと、Nくん、弟3人の父親はそれぞれ違う。母親のAさんは美人で心優しい女性だが、恋愛はどうにも長続きがしないタイプのようでNくんのお兄さんとNくんは未婚のまま出産した(2人の父親は違う)。ようやく運命の人に巡り逢えたと結婚した相手との間に3人の男の子をもうけたが、結局離婚。その後もパートナーが次々と変わっていて、本当に恋愛に関してエネルギッシュ。もう相手のことを愛していないと思ったら、どうにも一緒にいられない性質なのであろう。

Aさんが結婚していた時に、当時の夫であるOさんを私に紹介してくれたのだが、それはNくんのお誕生日パーティーの会場の席であった。そこにはNくんの実の父親であるJさんも来ていて、Oさんと言葉を交わしていた。繰り返すが、日本人かつ昭和生まれの私から見るとなんとも不思議な光景であった。。。

カリフォルニア州では子供のいる夫婦が離婚した場合、どちらかにドラッグやアルコールなどの問題がない限りは共同親権(joint custody)が認められる。従って、子供は父親、母親それぞれの家を行き来することとなり、日本のような単独親権(sole custody)とは大きく事情が異なる。元夫婦は子供が成人年齢(18歳)に達するまで責任を持って子供を協力して養育する義務があるので、元配偶者へのさまざまな思いには自分なりに折り合いをつけて、父親、母親としての責任を全うしようとするのであろうが、それが容易ではないことは想像に難くない。

Gさん&Bさんや、Nくんのご両親のように努力して、できるだけ両親としての義務を果たそうとしている元夫婦もいるが、2人の子供を連れて離婚した知人のNさんは離婚して数年後に元夫に連絡先をブロックされたと言って怒っていた。今ではNさんの子供達を元夫の家へと送り届けるのは、Nさんのボーイフレンドの役目とのこと。やっぱり難しいのかも。

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