バスタブはあっても使えない

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シリコンバレーで家を探す時に、譲れない条件の1つとしてバスタブのある家というのがあった。日本ではお風呂場には浴槽があるのが標準仕様だと思うが、こちらでは例えば2 bathrooms となっていてもどちらの浴室もシャワーのみで浴槽がない場合もあるのだ。湯船にゆっくり浸かる人はあまりいないらしい。

THE ジャパニーズの我が家は皆お風呂が大好きなので、浴槽のない家は秒速で却下し、現在の3軒目の家に至るまで必ずバスタブのある家を選んできた。そして7年かけて学んだことは、「アメリカ人にとってバスタブはオブジェのようなものであり、実際に使うものではないらしい」ということ。

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2軒目の家のバスルーム。使うのは右側のシャワールームばかりだった。

というのも、どの家の浴槽(ジャグジー付き)もお湯をバスタブいっぱいに張って極楽気分になったのも束の間、お湯がぬるくなってきたので足し湯をしようとすると途中からお湯が水に変わる(涙)。。。瞬間湯沸かし器が当たり前で、お湯は使い放題の日本の家とは違い、こちらではお湯は大きなタンクに溜めて温めて、それを使うのがまだまだ主流。つまり、タンクのお湯を使い切ってしまうと、しばらくタンクの中の水が温まるまでお湯は出ないのだ。そして湯船のお湯を温める追い焚き機能など当然のことながら付いておらず、夢のまた夢の世界である。

最初はこれを知らずに痛い目に遭った。湯船で体を温め、ご機嫌でシャンプーして流そうとシャワーを浴びていると、なぜか途中から水が・・・・。えっ、嘘でしょ?なんで?寒かったー(悲)

知人、友人から「できるだけタンクのお湯の設定を高温にして、浴槽にお湯を張るときは水を多めに使ってタンクの中のお湯が減らないようにするといい」とのアドバイスをもらい、恐る恐るお湯を使うのだが、どう考えてもバスタブの大きさとタンクのお湯の容量が合わない。次第にお湯の心配をしながら湯船に浸かるのが面倒になってしまい、家族の誰もバスタブを使わなくなってしまった。

アメリカに来て7年。シャワーだけの生活にすっかり慣れてしまい、特に浴槽がなくても生きていけるような気がしているが、たまに休暇先のホテルなどでお湯の心配をせずにゆっくり湯船に浸かれる時はやはり嬉しい。今、欲しいものリストの中で「瞬間湯沸かし器」が上位に来るのは間違いない。

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3軒目の家のバスタブ。1回しか使っていない

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