テスラ新型ロードスター公開 飛行機能は招待制の1人乗りだけ
2026年10月16日

テスラは10月15日(米国時間)、テキサス州ウェーコ近郊のマクレガーにあるSpaceXの試験場で、第2世代のロードスターを公開しました。2017年11月の初披露から約9年、発表は何度も延期されてきました。
新しいロードスターは、車体を路面に吸い付けるファンと、SpaceXと共同開発した推進装置を備えます。ただし、テスラの公式サイトで「飛ぶこともできる」と説明しているのは、招待制の1人乗り仕様だけです。
飛行機能があるのは3仕様のうち招待制の1つだけ
テスラの予約ページには、ロードスターの3つの仕様が並んでいます。
| 仕様 | 座席 | 主な装備 | 予約金 |
|---|---|---|---|
| Performance | 2人乗り | 可動式の空力部品と吸引装置 | 5万ドル |
| Thrust | 2人乗り | 上記に加え、後部に加速用の推進装置 | 25万ドル(1人1件まで) |
| Rocket | 1人乗り | 上記に加え、車体の周囲に推進装置を備えた飛行システム | 招待制(金額の表示なし) |
PerformanceとThrustの予約金は、どちらも当日に5,000ドルを払い、残りを10日以内に払う形です。販売価格は発表されていません。
公式サイトはRocketについて、前と上への加速と横方向の回転を推進装置が支えると説明しています。その説明のすぐ後には「公道での使用は承認されていない」との注記があります。Rocketは、全ての地域で提供されるわけではないとしています。
加速性能について、公式サイトはThrustの0-60mph(約97km/h)加速を1秒未満としています。テスラ関連のニュースサイトTeslaratiによると、Performanceは1.6秒未満、Rocketは0.59秒未満と案内されています。いずれもテスラの公表値で、第三者が測った記録ではありません。マスクCEOによると、生産開始は2028年の予定です。
SpaceXの試験場で見せた「跳ぶ」デモの中身
TechCrunchによると、推進装置は10基あり、再充填できるタンクに入った600リットルの圧縮空気で動きます。
吸引装置は、床下から空気を引き抜いて車体を路面に押し付ける仕組みです。テスラは、止まっている状態でも車体を逆さに保てるとしています。
CNNによると、デモのロードスターには誰も乗っていませんでした。マスクCEOはその理由を「誰も死なせないため」と説明しています。車は急な坂を駆け上がって逆さの状態で張り付き、そこから空中で回転して、推進装置を使って着地しました。
走りながら車体を浮かせ、Cybercab、Cybertruck、Tesla Semi、Model Y、Model 3の5台を飛び越える場面もありました。英国のデザイン誌Dezeenは、車体が数秒間宙にとどまったと伝えています。
9年がかりの発表と、「飛行」への慎重な見方
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2017年11月 | 第2世代を初披露。2020年の生産開始を予定 |
| 2025年秋 | マスクCEOが2026年4月1日の公開を示す |
| 2026年3月 | 公開を「4月下旬」に変更 |
| 2026年6月 | 米テックメディアのThe Informationが、デモは8月以降にずれ込むと報道 |
| 2026年9月下旬 | 天候を理由に、10月1日の予定を10月15日に延期 |
| 2026年10月15日 | 公開イベントを開催 |
待つ間に予約を取り消す人も出ました。OpenAIのサム・アルトマンCEOは2025年10月、2018年に入れた予約の取り消しと返金を求めたものの、連絡がつかなかったとXで公表しました。マスクCEOは、24時間以内に返金したと応じています。
CNNがイベント前に取材した、スミソニアン国立航空宇宙博物館で垂直飛行を担当する学芸員のロジャー・コナー氏は、こうした車は持続的な飛行ではなく「跳んでいるだけ」との見方を示していました。
マスクCEO自身も、成功は保証されていないと述べています。Dezeenによると、飛行機能が公道で合法かどうかは不透明だとも認めています。
イベントは、両社のCEOを兼ねるマスク氏がSpaceXの施設で開きました。Reutersによると、アナリストのジーン・マンスター氏は、マスク氏がテスラとSpaceXの統合を急ぐ理由を示す最新の例だとコメントしています。8月には、両社による半導体工場「Terafab」の建設計画 も発表されています。
今後の注目点
販売価格と、各仕様の最終的な装備は発表されていません。飛行システムを持つRocketを提供する地域や条件も、公式サイトでは具体的に示されていません。
テスラは生産開始を2028年としていますが、これまで発表と生産の時期は何度も延びてきました。この予定が守られるかが次の焦点です。
情報源
TechCrunch – Tesla reveals SpaceX-powered Roadster that flies and falls with style
CNN(ABC17NEWS掲載) – Tesla unveils what it says is a flying car
Dezeen – Tesla launches flying Roadster concept car
Teslarati – Tesla Roadster: Three configs, one can fly, 0-60 in 0.8 seconds
Electrek – Tesla delays Roadster demo two weeks to October 15, blames weather
Electrek – Tesla pushes Roadster demo to August as SpaceX thruster work continues
The Information – Exclusive: Tesla Pushes Roadster Demo to August
Tesla North – Elon Musk Moves Roadster Reveal to Late April: Will the ‘Flying Car’ Actually Fly?
TechCrunch – Elon Musk wants you to know that Sam Altman got a refund from Tesla
Electrek – Sam Altman tried to cancel his Tesla Roadster, but he was ghosted
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