アメリカの常識2026.10.11読了 約5分

カード払いは3%増し?アメリカの店がクレジットカード手数料を客に請求できる理由

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カード払いは3%増し?アメリカの店がクレジットカード手数料を客に請求できる理由|日本人が知らないアメリカの常識


カード払いは3%増し?アメリカの店がクレジットカード手数料を客に請求できる理由|日本人が知らないアメリカの常識

この記事の要点

  • アメリカでは多くの州で、店がクレジットカード払いの客に手数料を上乗せできます。
  • Visaのルールでは、上乗せできるのは店が実際に払う手数料率か3%の低いほうまでで、デビットカードは対象外です。
  • 日本では、カード会社と店の契約(加盟店規約)で、この上乗せが禁じられています。


カリフォルニア州では、店の入口やレジの横に、クレジットカード払いには3%の手数料がかかる、という掲示を見かけることがあります。

デビットカードや現金で払えば、この手数料はかかりません。

日本でこの掲示を見ることは、まずありません。日本では、店がカード払いの客に手数料を上乗せすることを、カード会社との契約で禁じているためです。

日本人が知らないアメリカの常識を、日本との違いから解説するシリーズです。これまでの回は連載のページにまとめています。

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Visaのルールでは上乗せできる手数料は最大3%

店がクレジットカードの支払いを受け付けると、店はカード会社に手数料を払います。アメリカでは、この手数料を店が客に上乗せして請求することが、多くの州で認められています。

ただし、何%でも上乗せできるわけではありません。Visaの加盟店向けのルールでは、上乗せできるのは、その店が実際に払っている手数料率か3%の、どちらか低いほうまでです。100ドルの買い物なら、足されるのは3ドルまでです。

上乗せできるのはクレジットカードだけです。デビットカードとプリペイドカードには上乗せできません。

店は、入口と会計の場所に上乗せすることを掲示し、レシートにも手数料を別の行で示す決まりです。Visaは外部の調査員による覆面調査を毎年行っており、ルールに反した店の決済会社に罰金を科すことがあります。

Visaのルールの要点は次のとおりです。

項目Visaの加盟店向けルール
上乗せできる上限店が実際に払っている手数料率か3%の、どちらか低いほう
上乗せできるカードクレジットカードだけ(デビットカードとプリペイドカードは不可)
客への表示入口と会計の場所に掲示し、レシートにも別の行で示す
ルールの確認外部の調査員による覆面調査を毎年行い、違反した店の決済会社に罰金を科すことがある

どのくらいの店が上乗せしているのでしょうか。調査会社J.D. Powerがアメリカの小規模事業者約4,400社に行った調査では、クレジットカード払いの客に手数料を上乗せしている事業者は35%でした。2025年8月から10月に行った調査で、前年の調査から1ポイント増えました。Payments Diveが2026年1月に報じています。



日本では「契約違反」、例外は税金のカード納付

日本でこの上乗せを禁じているのは、カード会社と店の間の契約(加盟店規約)です。

公正取引委員会が2022年にまとめた調査では、VisaやMastercard、JCBなどのカードの仕組みを提供する会社(国際ブランド)の全てと、カードを発行する会社の約9割が、契約でこの上乗せを禁じていました。

一方で、払う人が手数料を負担する仕組みが公式にある支払いもあります。国税のクレジットカード納付です。

国税庁の案内では、納める税額1万円ごとに99円(税込)の決済手数料を、納める人が払います。この手数料は、国税庁長官が指定した民間の納付受託者が決めるもので、国の収入にはなりません。

日米の違いは次のとおりです。

項目アメリカ日本
店がカード払いの客に手数料を上乗せすること多くの州で認められているカード会社との契約(加盟店規約)で禁じられている
上乗せの上限Visaのルールでは、店が実際に払っている手数料率か3%の低いほう(上乗せ自体ができない)
デビットカードへの上乗せできない(同上)
上乗せしている店小規模事業者の35%(J.D. Powerの調査)(上乗せ自体ができない)
払う人が手数料を負担する公式の仕組み店の上乗せ(上限3%)国税のカード納付(1万円ごとに99円)など


まとめ

アメリカでは、店がクレジットカード払いの客に手数料を上乗せすることが、多くの州で認められています。Visaのルールでは上限は3%で、デビットカードには上乗せできません。調査会社J.D. Powerの調査では、小規模事業者の35%が上乗せしていました。

日本では、上乗せはカード会社との契約で禁じられています。払う人が手数料を負担する仕組みが公式にあるのは、国税のカード納付などです。

アメリカのクレジットカードの使われ方については、カードの残高の回で解説しています。

なお、本記事の内容は2026年10月時点のものです。



情報源

Visa – U.S. Merchant Surcharge Q and A(PDF)

Payments Dive – Consumers push back on swipe fees: survey(J.D. Power 調査の報道)

公正取引委員会 – クレジットカードの取引に関する実態調査報告書(PDF)

国税庁 – クレジットカード納付のQ&A

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