アメリカ人はカードの残高を持ち越す?毎月全額払う人の割合|日本人が知らないアメリカの常識
2026年10月7日

この記事の要点
- アメリカでは大人の82%がクレジットカードを持ち、請求が来てから、最低額以上でいくら払うかを利用者が決めます。
- カードを持つ人の45%が過去12か月に1回以上残高を翌月へ持ち越し、55%は毎回全額を払っていました(2025年10月の調査)。
- 日本のカードは、買うときに1回払い・分割払い・リボ払いなどの支払方式を選べます。
アメリカでは、大人の82%がクレジットカードを持っています。
アメリカのクレジットカードは、通常、月に1回届く請求に対して、全額を払うか、一部だけ払って残りを翌月に持ち越すかを、払うときに決める仕組みです。
連邦準備制度理事会(FRB)が2025年10月に行った家計の調査では、カードを持つ人の45%が、過去12か月に1回以上、残高を翌月に持ち越していました。
日本人が知らないアメリカの常識を、日本との違いから解説するシリーズです。これまでの回は連載のページにまとめています。
請求が来てから、いくら払うかを決める
アメリカのクレジットカードでは、通常、月に1回、利用した金額や支払期日などをまとめた請求書(明細)が届きます。
請求書には、支払期日と、最低限払う必要のある金額(ミニマム・ペイメント)が書かれています。最低額以上であれば、いくら払うかは利用者が決めます。
支払いは、利用者が毎月、ネットやアプリなどで金額を指定して払うか、あらかじめ自動払いを設定しておきます。自動払いを設定する場合も、請求の全額を払うか、最低額を払うかといった金額の設定は利用者が選びます。消費者金融保護局(CFPB)の報告書では、2024年の最後の請求期間に、利用のあった口座(特定の店専用のカードを除く)のうち、自動払いで払った口座は27%で、半分以上はネットやアプリから利用者が自分で払っていました。
CFPBは、締め日から支払期日までの期間を「猶予期間」と呼んでいます。大半のカードは買い物について猶予期間を設けていますが、カード会社に猶予期間を設ける義務はありません。
たとえば、毎月15日が締め日で、翌月10日が支払期日のカードを考えます。1月16日から2月15日までの買い物は、2月15日に締められて、1枚の請求書にまとまります。このカードで猶予期間が適用されている場合、2月16日から支払期日の3月10日までが猶予期間です。この期間に請求の全額を払えば、1月16日から2月15日までの買い物に利息はかかりません。
支払期日までに請求の全額を払った場合と、全額を払わなかった場合の違いは、次の表のとおりです。
| 支払期日までに全額を払った場合 | 支払期日までに全額を払わなかった場合 | |
|---|---|---|
| 請求のうち、払わなかった金額 | なし | 翌月の請求に持ち越され、利息がかかる |
| 猶予期間 | 続く | 失うことがある |
| 2月16日以降の新しい買い物 | 猶予期間が適用されていれば、利息がかからない | 猶予期間を失うと、買った日から利息がつく |
つまり、同じカードを使っていても、毎回全額を払って利息を払わない人と、残高を持ち越して利息を払う人に分かれます。
残高を持ち越す人は45%、全額払う人は55%
FRBの家計の調査(2025年10月)では、カードを持つ人のうち、過去12か月に1回以上、残高を持ち越した人は45%でした。残りの55%は、一度も持ち越さず、毎回全額を払っていました。
世帯の年収による差もあります。年収が10万ドル以上のカード保有者では、残高を持ち越した人は37%でした。ところが、10万ドル未満となると、半数を少し超えました。
日本の場合:買うときに支払方式を選ぶ
日本のクレジットカードでは、買うときに「1回払い」「分割払い」「リボ払い」などの支払方式を選ぶことができます。
日本クレジット協会は、1回払いを、買った翌月に一括して支払う方式で、一般に手数料はかからない、と説明しています。分割払いは、支払回数を決めて払う方式で、利用金額や回数に応じた手数料がかかります。
リボ払いは、月々の支払額を一定の額、または残高に対する一定の率に決めておき、残高に応じた手数料を払う方式です。同協会は、残高があるかぎり支払いが終わらない、と説明しています。
日本では、通常、支払日に、カード会社が計算した支払金額が、指定した銀行口座から自動的に引き落とされます。
| アメリカ | 日本 | |
|---|---|---|
| 支払い方の選び方 | 請求が来てから、その請求についていくら払うかを決める | 買うときに1回払い・分割払い・リボ払いなどを選べる |
| 毎月の支払い | 利用者が金額を指定して払う。自動払いでも、全額や最低額など、払う金額を自分で設定する | 通常、支払日に、支払金額が銀行口座から自動的に引き落とされる |
| 全額を払った場合 | 猶予期間が適用されている場合、買い物の分には利息がかからない | 1回払いは一般に手数料がかからない |
| 全額を払わなかった場合 | 猶予期間を失った場合、残りに利息がかかり、翌月に持ち越す | 分割払い・リボ払いは、回数や残高に応じた手数料がかかる |
まとめ
アメリカのクレジットカードは、請求が来てから、最低額以上でいくら払うかを、利用者が自分で決める仕組みです。過去1年に一度も残高を持ち越さなかった人のほうが多いものの、持ち越したことのある人も半数近くいます。
アメリカのクレジットスコアについては、クレジットスコアの回で解説しています。
なお、本記事の内容は2026年10月時点のものです。
情報源
連邦準備制度理事会(FRB) – Economic Well-Being of U.S. Households in 2025 – Credit
連邦準備制度理事会(FRB) – Economic Well-Being of U.S. Households in 2025(報告書PDF)
連邦準備制度理事会(FRB) – Survey of Household Economics and Decisionmaking 2025 Codebook(調査票・PDF)
消費者金融保護局(CFPB) – What is a grace period for a credit card?
消費者金融保護局(CFPB) – The Consumer Credit Card Market (2025)(PDF)
消費者金融保護局(CFPB) – Regulation Z 公式解釈 Comment 2(a)(4) Billing cycle
消費者金融保護局(CFPB)公開の研究論文 – To Pay or Autopay? Fintech Innovation and Credit Card Payments(2023年・PDF)
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