テックニュース2026.10.06読了 約5分

トランプ大統領が「超知能部隊」設置 議長は国家情報長官

トランプ大統領が「超知能部隊」設置 議長は国家情報長官


トランプ大統領が「超知能部隊」設置 議長は国家情報長官


米国のトランプ大統領は10月4日、自身のSNS「Truth Social」で、新しい組織「超知能部隊(Super Intelligence Force)」の設置を発表しました。AIをめぐる連邦政府の取り組みを調整する組織で、トップには国家情報長官のジェイ・クレイトン氏が就きます。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、この部隊が120日以内に、AIのリスクと機会についての報告書をまとめると報じています。



超知能部隊を率いる4人と120日の期限

トランプ大統領の投稿によると、超知能部隊の任務は、連邦政府の取り組みを調整することです。米国が超知能の分野で世界をリードし続けることを目的に掲げています。

WSJの報道を伝えたTechCrunchによると、議長はクレイトン氏で、副議長には次の3人が就きます。

  • アンドリュー・ファーガソン氏:連邦取引委員会(FTC)委員長
  • エミル・マイケル氏:国防総省(戦争省)研究・工学担当次官
  • スコット・クポール氏:人事管理局(OPM)局長

TechCrunchは、この人事により、クレイトン氏が事実上、政権のAI政策の新しい責任者になると伝えています。

報道によると、部隊の憲章には、超知能を使った社会への脅威に対応する計画をつくる方針が書かれています。

同時に、技術革新や競争を妨げる過剰な規制を防ぐことも掲げているとされています。規制が特定の業界に取り込まれる事態を防ぐことも、その対象です。



「AI」の呼び名変更から部隊設置までの流れ

超知能部隊の設置は、9月から続く一連の動きの延長線上にあります。

トランプ大統領は9月19日、Truth Socialで「AI部隊(AI Force)」をつくると表明していました。あわせて、AI担当の責任者を任命するとも述べていました。この時点では、部隊の具体的な役割は示されていませんでした。

9月29日には、大統領令14434「Inaugurating The Era Of Super Intelligence(超知能時代の幕開け)」に署名しました。行政府の各省庁・機関に、「人工知能(AI)」の代わりに「超知能(Super Intelligence、SI)」という言葉を使うよう求める内容です。対象は公式文書や対外発信などで、法律で認められる最大限の範囲で適用するとしています。

この大統領令は、大統領の科学技術担当補佐官にも指示を出しています。60日以内に、「超知能」の連邦の定義を定める法案の文言を大統領に提出するという内容です。

同じ9月29日、ホワイトハウスではトランプ大統領とAI企業のトップらが、安全性についての共同誓約「Joint Commitment on Frontier Responsibilities」に署名しました。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、企業側の署名者は次の6人です。

  • ダリオ・アモデイ氏:Anthropic CEO
  • グレッグ・ブロックマン氏:OpenAI 社長
  • スンダー・ピチャイ氏:グーグル CEO
  • マーク・ザッカーバーグ氏:メタ CEO
  • イーロン・マスク氏:xAI
  • ジェンスン・フアン氏:エヌビディア CEO

TechCrunchなどによると、この誓約に法的な拘束力はありません。



権限も予算もない組織が担う役割

テック系メディアのThe Next Web(TNW)は、超知能部隊には現時点で法律上の権限も予算もないと伝えています。政府の中での位置付けも決まっていないとしています。

TNWによると、部隊の役割は、消費者、公益団体、宗教団体、重要インフラの事業者、AI企業と連邦政府とのやり取りを調整することです。

副議長の顔ぶれも、消費者保護と競争政策を担うFTC、軍の技術開発を担う国防総省、連邦職員の人事を担う人事管理局と、担当分野が分かれています。

国家情報長官室(ODNI)によると、議長のクレイトン氏は2026年8月3日、第9代の国家情報長官に就任しました。第1次トランプ政権では、2017年5月から2020年12月まで米証券取引委員会(SEC)の委員長を務めています。ニューヨーク州南部地区の連邦検事も務めました。民間では、米国の法律事務所Sullivan & Cromwellのパートナーでした。

同氏は以前、中国などがAIの開発を進めるなかで、米国がAIから手を引くのは無責任だと発言していました。TechCrunchによると、WSJの取材に対しても、最大のリスクの一つは「1番になれないこと」だと述べています。



今後の注目点

120日以内にまとめるとされる報告書で、AIのリスクと機会について連邦政府がどのような方針を示すのかが焦点です。

法律上の権限と予算を持たない超知能部隊が、政府の中でどう位置付けられるのかもまだ決まっていません。大統領令が求める「超知能」の連邦の定義の法案文言は、署名から60日以内に提出される予定です。



情報源

The White House – Inaugurating The Era Of Super Intelligence

ODNI – Jay Clayton Sworn In As Director Of National Intelligence

TechCrunch – Trump unveils his new Super Intelligence Force

The Wall Street Journal – New AI task force to report on risks of technology

TechCrunch – Pledge signed by President Trump and top AI leaders misspells the United States

Al Jazeera – Trump, tech bosses sign voluntary pact pledging ‘robust’ AI safeguards

TechCrunch – Trump suggests rebranding AI with a new name, says he’s also creating an AI Force

The Next Web – Trump names four officials to lead his Super Intelligence Force


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