テックニュース2026.07.29読了 約5分

Amazon、携帯直結へ衛星5,105機の認可をFCCに申請

Amazon、携帯直結へ衛星5,105機の認可をFCCに申請


Amazon、携帯直結へ衛星5,105機の認可をFCCに申請


Amazonが、携帯電話に衛星から直接通信を届ける新ネットワークの認可をFCC(米連邦通信委員会)に申請しました。計画する衛星は最大5,105機で、打ち上げは2028年開始を見込みます。衛星通信で先行するSpaceXとの競争が、ブロードバンドから携帯への直接通信の領域に広がります。



5,105機で音声・データ・緊急通信を携帯に直接届ける計画

Amazonの公式発表によれば、新システム「Amazon Leo Direct-to-Device(D2D)」は、衛星通信対応チップを内蔵したスマートフォンなどの互換端末に、音声・メッセージ・データ・緊急通信を直接届けることを目的としています。基地局の電波が届かない地域でも、対応端末から衛星に直接接続できるようにする構想です。

SpaceNewsによれば、申請は7月24日に提出され、衛星は高度510〜580kmの5つの軌道シェルに配置される計画とされています。衛星同士は光レーザーリンクで接続し、軌道上で信号処理を行う設計です。

Amazonはブロードバンド通信向け衛星網「Leo」の構築を進めており、7月2日時点で396機を軌道に投入しています。公式発表によれば初期サービスの提供開始は2026年中の計画で、今回の携帯向け衛星網はこれを補完する位置づけです。



Globalstar買収合意で確保を目指す周波数とApple向け事業

今回の計画の土台になっているのが、衛星通信会社Globalstarの買収です。SpaceNewsによれば、Amazonは2026年4月に約110億ドルでのGlobalstar買収に合意しており、取引は2027年に完了する見込みと報じられています。新しい衛星網では、買収完了後にGlobalstarが保有する1.6GHz帯と2.4GHz帯の周波数を使う計画です。

Globalstarは、AppleのiPhoneやApple Watch向けに衛星経由の緊急通報(Emergency SOS)などを支えてきた会社です。Amazonは公式発表で、これらのApple向けサービスを引き続き支えるとともに、将来の衛星サービスでも協業すると説明しています。



SpaceXが先行する衛星直接通信、需要はまだ未知数

衛星から携帯への直接通信では、SpaceXが先行しています。SpaceXはEchoStarからモバイル衛星向け周波数を取得する約200億ドル規模の契約を結んでおり、FCCが2026年5月に条件付きで承認したと報じられています(SpaceXへの最終移転は2027年11月30日ごろの見込みとされています)。SpaceXはIPO(株式新規公開)関連書類でも、携帯向け衛星通信を主要な市場機会の一つと位置づけています。

一方で、市場の規模はまだ見えていません。SpaceXの衛星を使って接続サービスを提供するT-MobileのCEOスリニ・ゴパラン氏は、2026年5月の講演で、同月の衛星経由の通信量が同社ネットワーク全体の通信量の0.0002%にとどまり、利用は国立公園などの圏外地域に集中していると明かしたと報じられています。D2Dの初期サービスは一般に帯域が限られ、テキスト送信など比較的データ量の少ない用途が中心となっています。

打ち上げ計画には不確実性もあります。AmazonはULA、Arianespace、SpaceX、Blue Originなど複数社と打ち上げ契約を結んでいますが、Blue Originの大型ロケットNew Glennは2026年5月28日の地上燃焼試験中の事故で機体と発射設備が損傷し、復旧が続いていると報じられています。なお、Amazonが既存のブロードバンド衛星網についてFCCへ求めていた中間配備義務の免除は、事故前の2026年1月30日に申請されたものです。FCCは6月5日、2026年7月30日までに衛星の50%を配備する中間義務について条件付きの限定的免除を認めましたが、全3,232機を配備する2029年7月30日の最終期限は維持されています(今回のD2D申請とは別の案件です)。

資金面ではTechCrunchが、Amazonの大きな流動資産を踏まえ、同社には衛星網への投資を続ける資金余力がある一方、SpaceXの資金需要の方が差し迫っているとの見方を示しています。

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今後の注目点

FCCが今回の申請をいつ、どのような条件で認可するかが最初の関門になります。あわせて、2027年完了見込みと報じられるGlobalstar買収の進捗、New Glennの飛行再開の時期、2028年とされる衛星の打ち上げ開始が計画どおり進むかが焦点です。携帯への衛星直接通信の需要がどこまで育つかも、まだ確定していない論点です。



情報源

About Amazon – Amazon Leo D2D: How satellites will connect your phone from space

About Amazon – Amazon Leo satellite launch and deployment updates

FCC – Order DA 26-553: Amazon Leo Gen1 milestone waiver

SpaceNews – Amazon files application for direct-to-device satellite constellation

TechCrunch – Amazon’s new satellite network for mobile phones could turn up the heat on SpaceX

SpaceNews – FCC approves SpaceX spectrum deal with $2.4 billion escrow condition

Spaceflight Now – Blue Origin’s New Glenn rocket explodes during prelaunch testing at Cape Canaveral

The Register – Amazon Leo’s satellite homework is late, but FCC won’t flunk it just yet


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