ドキドキの初登校(小学校編)

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ついに新学期が始まった

2015年8月12日、現地校の新学期が始まり、息子は自宅から徒歩2分の小学校、娘は車で5分の中学校に通い始めた。この日から子供たちは平日は現地校、土曜日はサンフランシスコ市内の日本語補習校に通うというスケジュールをこなすこととなった。英語を話せない子供たちに、Can I go to the bathroom?(お手洗いに行ってもいいですか?)だけは覚えさせ、あとは日本出国前に海外子女教育振興財団で購入した「サバイバルイングリッシュ」という本をお守り代わりに娘、息子それぞれのリュック(backpack)に入れ、何か言いたいことがあったら、本に書いてある表現を指差して見せるように言い聞かせて送り出した。

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日本出国前に海外子女教育振興財団で購入した本。娘、息子用に2冊ずつ購入した。

登校時間は娘(8th grader:中学3年生)と息子(4th grader:小学4年生)の時間がほぼ同じだったので、娘は夫が出勤途中に車で送って行き、息子は私が徒歩で送っていった。下校時間は小学校の方が少し早かったので、息子を迎えに行くとすぐにそのまま車で娘の中学校に向かうという日々が続いた。治安の良い日本では小学校1年生からひとりで登下校するのが当たり前だが、アメリカではとんでもないことである。もし登下校中に子供に何か起きても、ひとりで歩いていた方が悪いとなるであろう。ここは自己責任の国である。

とはいえ、私達が暮らしていた地域は日本同様にかなり治安が良い場所だったので、小学校高学年あたりになるとひとりで登校する子もちらほら見かけた。中学生になると多少家から学校までの距離があっても自転車で登校する子も多くいた。

アメリカの学校に始業式はない

学校初日といっても、日本のように始業式といったものはなく、前日までに学校のオフィスに張り出されるクラス分けの紙を見て自分の子供のクラスと担任名がわかるようになっているので、当日は直接そのクラスに行く。小学校の場合は親がクラスの前まで送り届けるので、すぐに担任の顔を見ることができる。中学校の場合は校門から先は子供だけでクラスに向かうので、親が教師に会うことができるのは後日となる。

息子の担任、Ms.K

小4の息子のクラスはRoom 22、担任の先生はMs.Kという見た目はふくよかで感情表現豊かな、とってもアメリカーンな感じの明るい雰囲気の40代の白人女性。(余談になるが、数年後息子のTが「実は当時Ms.Kがハグしてくれるたびに自分の顔の前にMs.Kの(豊満な)胸がぼよよーんと当たってた」と笑いながら言っていた)Ms.Kには子供が2人いて、上の子は自分の職場である学校に通学していた。(下の子は確か2歳ぐらいだった)毎日出勤するときに一緒に上の子を連れて来て、その子のクラスに送り届けていた。(教師である親と、その子供が同じ学校にいることはこちらでは何ら珍しいことではない)

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夏休み中に受けた息子の英語能力テストの結果。
英語が母国語でない生徒は、ネイティブレベルに達するまで毎年英語力を図るテスト
(CELDT: California English Language Development Test) を受けることが義務付けられている。
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テスト結果の詳細。ローマ字しか習ったことのない息子が、
少しでも点数を取れたことがある意味不思議!?

アメリカーンな『褒めて伸ばす』教育

生粋のアメリカ人であるMs.Kは、当然といえば当然のことながら日本語を話すことはできないが、英語が話せない息子のことをよく気遣ってくれた。小テスト(quiz)の答案や提出課題(assignment)の返却の際には、いつも”Way to go(その調子), T(息子の名前)!!”など必ず励ましの言葉を書いてくれた。年に一度の教師と保護者の面談時にも否定的なことは一切言わず、「本当にTはいつもニコニコしていて、よく頑張っているわ!Tがクラスにいてくれることで、みんなにいい影響を与えてくれています!!」などと褒めちぎってくれるので親としても大変気分がよかった。これが日本だと「T君はこういうところは素晴らしいのですが、XXXとXXXをもっと伸ばすとさらに良くなると思います」など、否定的な言葉が後に続くことが多い。文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、褒められて嫌な気分になる人間はいない。おそらくMs. Kは誰にでも同じように褒め言葉のシャワーを浴びせていたのだと思うが、子供が無事にアメリカの学校に馴染めるか心配していた私達夫婦にとってはMs.Kの「褒めて伸ばす教育」がどれだけありがたかったことか。良い先生に恵まれたと思う。

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小4の息子の1日のスケジュール。水曜日のみ12:30下校(ランチなし)

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