ドキドキのPG&E開設
4月1日にアメリカに来て、車も決まった、家も決まった。いよいよ4月11日の入居が決まり、当時の駐在員としてはセットアップが最短記録でした。4月11日は土曜日だったので、午前中に車を引き取り、お昼には入居することになりましたが、家に着く前に電気・ガス、水道、インターネット、ゴミ出しなど色々とサービスに申し込んでおく必要があります。電気・ガスはPG&Eという会社に申し込むのですが、当時は英語が喋れなかったので電話で申し込むには不安だらけで、サンフランシスコ市内の中華街にある店頭に出向いて開設にトライします。店頭では、電話と違いボディーランゲージが使えるので何とかなります(というか何とかするしかありません)。氏名、住所、ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)などを何とかして伝えると「終わったよ」との一言。「えっ?何か申込書とかないの?」と聞くと、カウンターの上にあった名刺に手書きで何やら番号を書いてくれて、「この番号が控えだから。あとはよろしくー」ってな感じで申し込みが終了です。ホンマかいな。。。色々聞きたいことはあったんですが、英語が話せないので「OK」とその名刺を持ち帰り、申し込みが終了しました。たぶん。。。
自分の住所が伝わらない
電気・ガスが終わると、自宅のインターネットです。アメリカでは日本のようにテレビは無料ではないので、ケーブルテレビ(CATV)のサービスに申し込んでインターネットを使うのが一般的。私が住むエリアではComcast(Xfinity)が圧倒的なシェアだったので、迷わずネットで申し込み、作業員が自宅に来る作業予約日も設定します。こちらはネットで開設だったのでことなきを得ましたが、大変だったのはゴミ出しのサービス。一戸建てだったのでゴミ出しのサービスを申し込む必要があるのですが、サービスは電話で申し込む必要があり、ドキドキしながら電話をかけました。ちゃんと通じるかなぁと不安でいっぱいだったのですが、電話が繋がると自動音声での対応です。自分の名前やSSNなどを自動音声に伝えていくのですが、困ったことに自分の住所が伝わりません。住所の中に「Port Royal」というものが含まれるのですが、これが伝わらないのです。「何で?」と思うかもしれませんが、意外とこの言葉が英語で発音できず、自動音声で何度話しても正しく聞き取ってくれません。3回ぐらい聞き取ってくれないと電話が切れて最初からになるので、もう何度トライしたことでしょう。泣きそうになりながら(実際は目から涙がこぼれていたかも)、10回ぐらいトライしてようやく開設ができるのでした。「40代の大人がこんなこともできないのかぁ、、、」と悲しくなる出来事第一章です。(その後、泣きたくなることは、虎舞竜のロードに負けないぐらい第38章ぐらいはあります。)
お弁当に群がる黒い敵
なんとか入居を終え、夕食を取ろうと、自宅近くの中華屋さんへテイクアウトしに行きました。中華屋さんは大盛況ですが、カウンター越しに注文の仕方がわかりません。しばらくメニューを選んでいるフリをして他人の注文の仕方を注意深くみていると、どうも弁当BOXに2種類のおかず、チャーハンか焼きそばを選べるようです。やるしかねぇ、と勇気を振り絞り自分のオーダーに向かいます。もちろん英語で注文の仕方がよくわからないので、「This!This!」と指差しで欲しいものを伝えて、なんとかお弁当をゲットできました。お弁当は、箱から溢れんばかりにモリモリに盛ってくれるので、とても一人では食べ切れませんでしたが、味は美味しかったので、半分ぐらい食べて翌日食べようとキッチンカウンターに置いておきました。
そして事件は起こります。朝起きて、昨夜食べ残した中華弁当を食べようと、キッチンカウンターの弁当箱に手を伸ばして蓋を開けました。すると、お弁当の中身が真っ黒じゃありませんか。「なんじゃこれ?」と思ってよく見ると、蟻の大群が弁当に群がっています。「う”ぁ”ぁ”〜〜〜!」と放送できないような声を上げた気がしますが、パニックになりながらもキッチンに備え付けてあった洗剤を気が狂ったように弁当箱にぶちまけました。消防隊も顔負けの勢いです。アリは、小さなアリだったので大した変化はありませんが、私も少し冷静になって、布巾でありを潰しまくり、弁当箱を処理したのでした。。。
それにしても、家のキッチンの上に蟻が出てくるなんて想像できますか?しかもキッチンの上に食べ物を置いておいたら蟻で真っ黒になる家。外観や内装はパーフェクトな家だったので、その衝撃の大きさに途方に暮れて泣きそうになりましたが(実際は目から涙がこぼれ落ちていたでしょう)、ネットでアリ退治の仕方を調べて、「TERRO(テロ)」という薬を買いに行くのでした。。。