同じ大学で学費が3倍?アメリカの州立大学の州内と州外の違い|日本人が知らないアメリカの常識
2026年10月13日

この記事の要点
- アメリカの州立大学では、州の住民として扱われるかどうかで、毎年の学費(授業料など)が変わります。
- カリフォルニア大学バークレー校では、2026〜27年度に入学する州外生の授業料などは州内生の約3.2倍です(現時点の案内額)。
- 日本の国公立大学で住所による差があるのは、主に公立大学の入学料です。
アメリカの州立大学では、同じ大学の同じ授業でも、学生によって学費が大きく違います。
分かれ目は、その州の住民かどうかです。州の住民として扱われる学生は「州内生」、それ以外の学生は「州外生」と呼ばれ、州外生の授業料は州内生の約3倍になることがあります。
日本の国立大学や公立大学で住所によって差がつくのは、主に公立大学の入学料(入学のときに1回だけ払うお金)です。
日本人が知らないアメリカの常識を、日本との違いから解説するシリーズです。これまでの回は連載のページにまとめています。
州外生は1年で約3万9千ドルを上乗せして払う
カリフォルニア州の州立大学の一つ、カリフォルニア大学バークレー校の例を見てみます。
大学の案内によると、2026〜27年度に入学する学生の1年間の授業料などは、州内生で18,214ドルです。州外生は、これに州外生向けの追加の授業料39,270ドルが加わり、合計57,484ドルになります。州内生の約3.2倍です。いずれも大学が現時点で案内している額で、最終的な額は変わることがあります。
この追加の授業料は入学のときだけでなく、州外生として扱われている間は毎年かかります。
これはカリフォルニアだけの仕組みではありません。大学の費用を毎年まとめているカレッジボードの集計では、2025〜26年度の全米の公立4年制大学の授業料などの平均は、州内生が11,950ドル、州外生が31,880ドルでした。州外生は州内生の約2.7倍です。
| 項目 | 州内生 | 州外生 | 州外生の学費は州内生の |
|---|---|---|---|
| カリフォルニア大学バークレー校(2026〜27年度に入学する学生) | 18,214ドル | 57,484ドル | 約3.2倍 |
| 全米の公立4年制大学の平均(2025〜26年度) | 11,950ドル | 31,880ドル | 約2.7倍 |
※授業料などの1年分(奨学金などを差し引く前の金額)。寮費や食費は含みません。
州内生として扱われる条件
カリフォルニア大学の規則集では、州内生として扱われるには、大学が定める判定の基準日の直前まで、1年(366日)以上続けてカリフォルニアに住み、そこに住み続ける意思を示していることなどが条件です。住んだ期間だけで決まるわけではありません。学生は原則として親の状況も判断の対象になります。
アメリカの市民や永住者でない場合は、ビザの種類も条件に関わります。規則集の一覧では、企業内の転勤で使われるL-1や、H-1B、E-2のビザの本人と家族は、州内生として扱われる対象になりうる区分に入っています。J-1ビザの家族(J-2)や、留学生のF-1ビザは対象外です。
規則集は、こうした情報は州内生として扱われることを保証するものではない、と明記しています。
日本の国公立大学で住所による差があるのは主に入学料
日本では、国立大学の授業料は国が示す標準額が年535,800円、公立大学の授業料の平均は年536,520円です(文部科学省、2025年度)。文部科学省の資料で、地域の内と外を分けて示しているのは公立大学の入学料だけで、授業料には分けがありません。
公立大学には、地域の外から入学する学生の入学料を高くしている大学があります。入学料の平均は、地域の外からの入学者が382,806円、地域の中からの入学者が224,369円で、約1.7倍の差です。
住所で支援が変わる例もあります。大阪府は、学生本人と親が入学の3年以上前から府内に住んでいることなどを条件に、大阪公立大学の授業料などを減免して無償にする制度を設けています(2026年度)。
アメリカとの違いは、住所で変わるのが毎年の授業料そのものか、入学料や自治体の支援かにあります。
| 項目 | アメリカの州立大学 | 日本の国公立大学 |
|---|---|---|
| 住所で変わるもの | 毎年の授業料 | 公立大学の入学料(入学時の1回だけ)。大阪府のように住民の授業料などを支援する例もある |
| 差の大きさ | 州外生の学費は州内生の約2.7倍(全米の公立4年制の平均) | 地域の外からの入学者は約1.7倍(公立大学の入学料の平均) |
| 授業料の額 | 州内生と州外生で違う | 国立は標準額が年535,800円、公立は平均年536,520円。文部科学省の資料では地域の内外で分けていない |
まとめ
アメリカの州立大学では、州の住民として扱われるかどうかで、毎年の授業料が変わります。カリフォルニア大学バークレー校では州外生の授業料などは州内生の約3.2倍、全米の公立4年制大学の平均では約2.7倍です。
日本の国公立大学で住所による差があるのは、主に公立大学の入学料です。大阪府のように住民の授業料などを支援する例もあります。
なお、本記事の内容は2026年10月時点のものです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を提供するものではありません。個別の事案については、適切な資格を有する専門家にご相談ください。
情報源
University of California, Berkeley – Cost of Attendance
University of California – Residence Policy and Guidelines 2026-27(PDF)
College Board – Trends in College Pricing 2025: Highlights
大阪府 – 大阪公立大学・大阪公立大学高専等の授業料等支援制度について(令和8年度版)
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