テックニュース2026.08.18読了 約8分

OpenClawとClaude Codeの違いとは?できること・費用・安全面を比較表で解説

OpenClawとClaude Codeの違いとは?できること・費用・安全面を比較表で解説


OpenClawとClaude Codeの違いとは?できること・費用・安全面を比較表で解説


オーストラリアで、AIエージェントがジムの予約システムに侵入した事例が報じられ、その土台となったオープンソースソフト「OpenClaw」に注目が集まっています。公開から1年足らずで、開発者向けサイトGitHubのスター数は38万を超えています(2026年8月時点)。

同じ「指示すると、実際の作業まで実行するAI」の代表例に、米AI企業Anthropicが提供する「Claude Code」があります。この2つは、何が違うのでしょうか。

本記事では、両者の関係と違いを、できること、費用、安全面まで、比較表で整理して解説します。

🎥 この記事の内容は、動画でも解説しています(6分40秒)。

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同じAIエージェントでも「設計思想」が違う

OpenClawの前身は、2025年11月にオーストリアの開発者が個人プロジェクトとして公開した、オープンソースのパーソナルAIエージェントです。当初の名称は「Clawd」で、2026年1月29日にOpenClawへの改称が発表されました。MITライセンスで誰でも無料で使え、ロブスターのマスコットで知られています。

2026年7月には、プロジェクトを支える非営利団体「OpenClaw Foundation」(米国の501(c)(3)団体)の設立が発表されています。

重要なのは、OpenClawが「頭脳」そのものではない点です。OpenClawは指示を受けて実行するための骨組み(エージェント基盤)で、頭脳にあたるAIモデルには、Anthropicの「Claude」をはじめ、他社のモデルやローカルモデルを接続して使います。

海外で「Claude with hands(手の生えたClaude)」と紹介されることがあるのはこのためで、豪州のジム事件も、OpenClawにClaudeのモデルを組み合わせた構成だったと報じられています。事件の経緯は AIエージェントがジム予約をハッキング、豪州初の事例と報道 をご覧ください。

一方のClaude Codeは、そのClaudeを開発するAnthropic自身が提供する、開発作業のためのAIエージェントです。コードベースを読み取り、ファイルの編集、コマンドの実行、テストの作成までを自動化します。ターミナルやIDE(統合開発環境)、デスクトップアプリ、ウェブなど、複数の環境から利用できます。

つまり、OpenClawでClaudeを選んだ場合は、Claudeを異なるエージェント基盤から使うことになります。両者の大きな違いは、OpenClawが汎用のパーソナルAIエージェントとして設計されているのに対し、Claude Codeは開発ワークフローを起点としたAnthropicの公式製品である点にあります。



8項目でわかる違い(比較表)

主な違いを表にまとめました。

項目OpenClawClaude Code
提供元OpenClaw Foundation/オープンソースコミュニティAnthropic(公式製品)
性格常駐する「個人秘書」型呼び出して使う「開発ツール」型
主な用途メール処理・予約・情報収集など生活全般コード解析・修正・テスト・プルリクエスト作成など開発作業
主な入口Telegramなどのメッセージアプリターミナル・IDE・デスクトップ・ウェブ・Slack
定期実行Automation(cron)+ハートビート(通常30分ごと、Anthropic OAuth等では1時間)Routines(クラウド定期実行)など
AIモデル多くのプロバイダーに対応(Claude・他社・ローカル)Claude
拡張の仕組みClawHubのスキル(第三者製を含む。公開時に自動セキュリティチェックと検証)スキル(公式・自作・プラグイン)とMCP(外部ツール連携の共通規格)
本体の費用無料(MITライセンス)有料プランまたはAPI課金

「定期実行」は、かつては両者の大きな違いでしたが、Claude Codeにも現在はRoutines(クラウド上の定期実行。研究プレビュー)やSlack連携が公式に用意されています。OpenClaw側も、決まった時刻の繰り返し処理はAutomation(cron)が担い、ハートビートは会話の中で定期的に様子を確認する機能、という役割分担になっています。それでも、自分のパソコンやサーバーで常時動かし、生活全般を任せる常駐秘書というOpenClawの設計思想と、開発ワークフローを起点に広がってきたClaude Codeでは、得意分野の重心が異なります。



用途別:どちらが向いているか(比較表)

代表的な使い方で整理すると、次のようになります。

やりたいこと向いているツール理由
コードのバグ修正・リファクタリングClaude Codeコードベース全体を理解した複数ファイル編集に対応
プルリクエスト作成・チーム開発Claude CodeGitHub連携やコードレビューを公式サポート
毎朝のメール整理・情報収集OpenClawメッセージアプリから指示でき、常駐して定期実行できる
予約や買い物の交渉の代行OpenClaw車の購入交渉で4,200ドルの値引きを引き出した公開事例
AIモデルを自分で選びたいOpenClawローカルモデルを含め、多くのプロバイダーから接続先を選べる
公式サポートのある環境で使いたいClaude Code開発元Anthropicが配布・サポートを提供

価格交渉の事例は、米国の開発者AJ Stuyvenberg氏が自身のブログで公開したものです。ただし同氏は、重要な返信の前に確認を挟む設定にし、最終的な契約手続きは自分で引き継いだと記しています。エージェントに全てを任せきりにした事例ではない点は、押さえておきたいところです。



費用の違い——「本体無料」と「サブスクリプション」

OpenClawはソフト本体が無料で、追加でかかる費用は、動かす環境と、接続するAIモデル・その認証方法によって変わります。自宅のパソコンで動かせばサーバー代はかかりませんが、VPSなどの外部サーバーで常時動かす場合は、別途サーバー代がかかります。

モデル側の費用も、API課金だけではありません。公式ドキュメントでは、対応する提供元のサブスクリプション認証を再利用する方法が案内されているほか、ローカルモデルを使えばAPI課金なしの構成も可能です。ただしローカルモデルの場合は、相応の性能のパソコンが必要です。

Claude Codeは、Anthropicの有料プランで利用します。公式ページによると、個人向けのProプランは月17ドル(年間契約の場合)から、利用量の多い開発者向けのMaxプランは月100ドルまたは200ドルで、API課金(従量制)でも利用できます。

費用の管理のしかたは対照的です。OpenClawは、接続先ごとの課金や認証を利用者が自分で管理します。Claude Codeは定額プランの利用上限の範囲内で使い、上限に達した後は、usage credits(追加の従量課金)を有効にすれば利用を続けられます。



安全面の違い——ジム事件が示した論点

安全面は、両者の性格の違いが最もはっきり出る部分です。

OpenClawは、導入から運用まで自己責任です。セキュリティ企業のKoi Securityは、共有されている拡張機能(スキル)を調査し、2026年2月16日の更新時点で824件の悪意あるスキルを確認したと報告しています(2月1日の初報時点では341件でした)。

また、セキュリティ企業のSecurityScorecardは2026年2月の調査で、インターネットに露出したOpenClawを4万件以上確認し、弱い、または設定されていない認証などの問題を報告しました。現在のOpenClawでは、外部との窓口になるGatewayは自分のパソコン内(loopback)に限定する設定が既定で、認証なしでそれ以外に公開することはブロックされます。

Claude Codeには、ファイルの編集やコマンドの実行を許可制で管理する仕組みが公式に組み込まれています。ただし、確認をどこで挟むかは、権限モードと利用環境によって変わります。

Claude Codeには複数の権限モードがあり、Pro・Max・TeamのCLIやVS Codeなど一部の利用環境では、Auto modeが既定です。Auto modeでは、利用者に逐次確認する代わりに、別の分類モデルが操作を審査します。

クラウド上で自律実行するRoutinesにも、実行中の承認プロンプトはありません。接続したコネクタのツールは、書き込みを含めて承認なしで使われます。権限を広く渡しすぎれば意図しない動作につながり得る点は、どちらのツールにも共通する論点です。

ジム事件の教訓は、ツールを問わず有効です。権限は必要最小限に絞ること、取り返しのつかない操作の前には人間の確認を挟むこと。この2点は、どちらを使う場合も利用者側の設計にかかっています。



今後の注目点

・開発元が提供から管理まで担う公式サービス型(Claude Code)と、自分で用意したサーバーで動かすオープンソース型(OpenClaw)、2つの路線がそれぞれどう進化するか

・ClawHubの自動セキュリティチェックや、Gatewayの安全寄りの初期設定といった、OpenClaw側の既存対策がどこまで実効性を高めるか

・Claude Codeの定期実行やチャット連携など、開発作業の枠を超える機能の広がり



情報源

OpenClaw(GitHub)

OpenClaw公式ドキュメント

Introducing OpenClaw(OpenClaw公式ブログ)

Introducing the OpenClaw Foundation(OpenClaw公式ブログ)

Claude Code(Anthropic公式ページ)

Claude Code公式ドキュメント

Plans & Pricing(Anthropic公式)

Clawdbot bought me a car(AJ Stuyvenberg氏ブログ)

ClawHavoc(Koi Security)

Beyond the Hype(SecurityScorecard)

AI assistant hacks gym website(ABC News)


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