【第6回】シリコンバレーが日本企業と「噛み合わない」理由 ― 第6のズレ:実務推進 ― 検証(PoC)から事業へ繋げる設計図 ―

日米協業の停滞を打破する、意思決定の「7つの決定的なズレ」を解き明かす
日本企業による海外スタートアップとの連携において、最大のボトルネックは「意思決定の論理とスピード感の違い」にあります。
日本側が良かれと思って行う“丁寧な対応”が、相手には“決断の先送り”に見えてしまう。
こうした認識の摩擦は、単なるコミュニケーション不足ではなく、ビジネスを動かす上での「前提条件(判断の土台)」の不一致から生じています。
Tomorrow Accessが提示する、グローバル連携の実務スタンダード
本連載では、弊社代表の傍島が長年の実務経験から導き出した「シリコンバレーが日本企業と噛み合わない理由」を、全7回にわたり体系化しました。
- 第1のズレ:関係構築(なぜ論点整理を急ぐのか)
- 第2のズレ:意思決定(なぜ「検討」と「沈黙」が停滞を招くのか)
- 第3のズレ:計画策定(なぜ完璧な合意がリスクになるのか)
- 第4のズレ:組織運営(なぜ役割より「決断者」が求められるのか)
- 第5のズレ:未来評価(なぜ数字で測れない未来を信じられるのか)
- 第6のズレ:実務推進(なぜ実証実験が事業に繋がらないのか)
- 第7のズレ:戦略ロジック(なぜ日本市場は後回しにされるのか)
第6のズレ:実務推進 ― 検証(PoC)から事業へ繋げる設計図
【本稿の論点】なぜ実証実験(PoC)の成功が本格導入に繋がらないのか。
【結論】実験を始める前に「次に進む条件」を決め、交渉での「後出し」を避ける。実証実験は「成功させること」が目的ではない。
実験は「試すこと」そのものが目的ではなく、あくまで「次の意思決定に進むための判断材料」です。
技術的に成功しても「で、何を決めるのか」が不明確なままでは、プロセスは止まってしまいます。事前に「この数値を満たせば次に進む」という合意が不可欠です。
契約の「後出し」が信頼を根底から揺さぶる
条件面で合意しているのに、後から次々と懸念点を提示することは、相手には「合意の蒸し返し」と映り、交渉全体の安定性が疑われてしまいます。
スタートアップにとって時間は極めて重要なリソースです。締結の時期が見通せなくなった瞬間、交渉が止まってしまうこともあります。
事業の柔軟性を縛らない契約を目指す
将来の事業転換の可能性を縛るような契約条件は、彼らにとって深刻なリスクになり得ます。身動きが取れなくなると感じさせた瞬間に、協力の可能性は低下します。
設計段階から将来の意思決定者を巻き込み、出口戦略を共有しておくことが重要です。
[実務での一手]
実験を始める前に、決裁者に「このテストで〇〇という結果が出たら、本格導入を前向きに検討するという合意で良いか?」と確認しましょう。

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