【第4回】シリコンバレーが日本企業と「噛み合わない」理由 ― 第4のズレ:組織運営 ― 役割の定義より「決断者」を特定する ―

日米協業の停滞を打破する、意思決定の「7つの決定的なズレ」を解き明かす
日本企業による海外スタートアップとの連携において、最大のボトルネックは「意思決定の論理とスピード感の違い」にあります。
日本側が良かれと思って行う“丁寧な対応”が、相手には“決断の先送り”に見えてしまう。
こうした認識の摩擦は、単なるコミュニケーション不足ではなく、ビジネスを動かす上での「前提条件(判断の土台)」の不一致から生じています。
Tomorrow Accessが提示する、グローバル連携の実務スタンダード
本連載では、弊社代表の傍島が長年の実務経験から導き出した「シリコンバレーが日本企業と噛み合わない理由」を、全7回にわたり体系化しました。
- 第1のズレ:関係構築(なぜ論点整理を急ぐのか)
- 第2のズレ:意思決定(なぜ「検討」と「沈黙」が停滞を招くのか)
- 第3のズレ:計画策定(なぜ完璧な合意がリスクになるのか)
- 第4のズレ:組織運営(なぜ役割より「決断者」が求められるのか)
- 第5のズレ:未来評価(なぜ数字で測れない未来を信じられるのか)
- 第6のズレ:実務推進(なぜ実証実験が事業に繋がらないのか)
- 第7のズレ:戦略ロジック(なぜ日本市場は後回しにされるのか)
第4のズレ:組織運営 ― 役割の定義より「決断者」を特定する
【本稿の論点】担当範囲が明確でないのになぜ仕事が回るのか。
【結論】形式的な「役割」よりも「誰が何を決めるか」という明確な説明責任を重視する。流動的に決まる「その瞬間の責任」
「役割分担を明確にしてください」という要望が、時にスピードを落とす要因になります。
シリコンバレーでは、役割が固定されないまま話が前に進んでいくことが多々あるからです。
判断を下せる人、いま動ける人が、その瞬間の責任を引き受けるスタイルが、推進力を生んでいます。
調整役ではなく「決断者」を求める文化
シリコンバレーで評価されるリーダーは、自ら仮説を立て、「今、これを決める」と言い切る姿勢を見せます。
日本企業で高く評価されがちな「調整能力」よりも、判断を止めて停滞させてしまうリスクを回避する「決断力」こそが支持される条件です。
説明責任は個人に紐づく
実際には、役割は暫定的であっても、ある決断を下した個人が、その結果に対する明確な「説明責任」を負っています。
役割を細かく定義して各自の領分を縛るよりも、動きながら調整できる余裕を残す方が、変化の激しい環境下では理にかなっているとされています。
[実務での一手]
担当の境界を細かく確認することに時間をかけるより、「この件の意思決定者は誰か?」を特定し、その人物と次の一手を先に決めてしまいましょう。

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