テックニュース2026.08.27読了 約6分

Meta、未成年保護で米48州などと和解 最大180億ドル

Meta、未成年保護で米48州などと和解 最大180億ドル


Meta、未成年保護で米48州などと和解 最大180億ドル


Metaが、未成年保護を巡る米国の州司法長官らとの訴訟で和解に合意しました。支払いは最大180億ドルで、10年間かけて分割されます。

和解には金銭だけでなく、InstagramとFacebookを使う10代への保護策が幅広く盛り込まれました。1日2時間の利用上限や深夜の利用制限が初期設定になります。

米国のプラットフォーム規制でも異例の規模となる、この和解の中身を整理します。

🎥 この記事の内容は、動画でも解説しています(4分31秒)。

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最大180億ドル・10年分割——和解の全体像

Metaは8月26日、米国の48州などとの合意を発表しました。2023年に州司法長官らが起こした訴訟を含む、未成年保護を巡る一連の請求を解決する包括的な枠組みです。

TechCrunchによれば、訴訟ではInstagramやFacebookが子どもを依存させるよう設計されていたこと、保護者の認識なしに子どものデータを収集しCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)に違反したことが主張されていました。Metaは和解にあたり、これらの主張を認めていません。

Engadgetは、審理が2026年8月に始まっており、Instagram責任者アダム・モセリ氏の証言再開を前に和解が成立したと報じています。合意はその後、8月27日(現地時間)に裁判所の承認を得たと、Metaが発表しています。Metaは第3四半期に、約100億ドルの訴訟関連費用を計上する見込みだと公表しています。



1日2時間制限からナイトモードまで——10代の使い方はこう変わる

保護策は、対象となる州・準州の18歳未満の利用者に初期設定として適用され、大半は10年間維持されます。

柱となるのが、FacebookとInstagramの対象機能を合算して1日2時間という利用上限です。制限を緩められるのは保護者だけで、上限に達すると対象機能へのアクセスが停止されます。ダイレクトメッセージや設定、22分以上の長尺コンテンツは時間計算の対象外です。深夜0時から朝6時までアクセスを制限する「ナイトモード(Night Mode)」、午前8時から午後3時まで通知を止める「スクールモード(School Mode)」も導入されます(ダイレクトメッセージや設定など一部機能は対象外)。

このほか、いいね数の非表示、美容整形や極端なメイクを模したフィルターの遮断、連続利用15分ごとの注意表示、パーソナライズされないフィードを既定にできる設定、自動再生のオフ設定、成人の生年月日で登録した未成年を検出する年齢確認技術への投資などが並びます。

主な保護策を整理すると、次の通りです。

保護策何がどう変わるか期間
利用時間の上限FacebookとInstagramの合算で1日2時間が初期設定に。緩和できるのは保護者のみ。ダイレクトメッセージ・設定・22分以上の長尺コンテンツ(動画・音声)は対象外当初5年※
ナイトモード深夜0時〜朝6時はアクセスを制限(メッセージと設定は利用可)当初5年※
スクールモード8月15日〜6月15日の平日、午前8時〜午後3時は通知を停止(メッセージや安全関連の通知は例外)10年
いいね数の非表示いいね・リアクション数が初期設定で非表示に10年
フィルターの制限美容整形や極端なメイクを模したフィルターを遮断10年
使いすぎ防止の表示連続利用15分ごとに注意を表示10年
フィードの選択肢パーソナライズされないフィードを既定にできる設定を提供10年
年齢確認の強化成人の生年月日で登録した未成年を検出する技術に投資10年

※業界全体で同様の措置が導入され、その状態が維持されると、10年の契約期間内で第2段階に移行します。利用上限は1アプリ60分(Meta全体で最大120分)、ナイトモードは22時〜朝7時に強化されます。



支払いの3割は競合各社の追随次第——業界標準を狙う設計

この未成年保護の和解で特徴的なのは支払いの構造です。Metaによれば、和解額の30%にあたる約53億ドルは条件付きです。正式な和解契約はSnap、TikTok、YouTubeの3社を「業界の中核企業(Core Industry Members)」と定め、時間制限やナイトモード、年齢確認などについて業界全体で同等の措置が導入されることを支払いの条件としています。さらに、このうち年間利益が100億ドルを超える企業が同水準以上の金銭負担を負うことも条件です。

MetaはYouTubeとTikTokに宛てた公開書簡も発表し、最高法務責任者のC.J.マホニー氏は「10代は数十のアプリを行き来するため、業界全体の解決策が必要だ」と述べました。自社への義務を業界標準に転換しようとする設計です。

未成年保護を巡っては、規制や訴訟がプラットフォームの製品設計そのものを変える段階に入っています。オーストラリアでは2025年12月に16歳未満のSNS利用を制限する法律が施行され、InstagramやFacebookを含む対象プラットフォームには16歳未満のアカウント保有を防ぐ対策が義務付けられています。



今後の注目点

和解は8月27日に裁判所の承認を得ました。今後は、Snap、TikTok、YouTubeで同様の保護策が導入され、対象企業が金銭負担に応じるかどうかで、残り30%の支払いと業界標準化の行方が決まります。

また、時間制限とナイトモードの義務は当初5年です。10年の契約期間内に業界全体での導入が成立し、その状態が維持されると、利用上限は1アプリ60分(Meta全体で最大120分)、夜間制限は22時から朝7時という、より厳しい第2段階に切り替わります。競合各社の対応が制度の中身と寿命を左右します。



情報源

Meta – Our Agreement With Bipartisan Attorneys General: Calling on TikTok and YouTube to Join Us in Supporting Teens

Meta – An Open Letter to TikTok and YouTube to Join Us in Supporting Teens

California Department of Justice – Final Settlement Agreement(和解契約書全文・PDF)

eSafety Commissioner – Social media age restrictions

TechCrunch – Meta settles for $18 billion in lawsuit brought by 29 states over social media harms to children

TechCrunch – Meta agrees to sweeping changes to restrict kids’ access to its apps as part of settlement with states

Engadget – Meta will pay up to $18 billion to settle states’ lawsuit alleging harms to young users


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