【えっ、アメリカと日本ってこんなに違うの?】アメリカでは養育費を払わないと逮捕も?
💡日本とアメリカの養育費制度の違い
日本とアメリカの養育費制度には大きな違いがありますが、その実態について詳しく知る機会は意外と少ないのではないでしょうか。
「支払われない養育費」が社会課題となっている日本と、「未払いに対して罰則が科される」アメリカ。両国の制度の背景には、法制度や社会的な価値観の違いが見え隠れしています。
本記事では、両国の養育費制度を公的情報や統計をもとにわかりやすく比較・解説いたします。
🇯🇵 日本の現状:取り決めはあるが、支払い実効性に課題
日本では離婚時に養育費の取り決めをすることがありますが、実際に支払われているケースは限定的です。
厚生労働省の調査によると、養育費の取り決めがあるのは約44.5%、そのうち実際に受け取っているのは24.3%にとどまっています。
また、養育費の不払いに対しては、原則として刑事罰は科されません。民事による請求や強制執行手続きを経る必要があり、手続きの負担や時間的コストから、泣き寝入りするケースも少なくありません。
その結果、母子家庭を中心に経済的に不安定な世帯が多く存在するのが現状です。
🇺🇸 アメリカの制度:強制力の高い執行と罰則
一方で、アメリカでは養育費の支払いは法的義務とされており、州や連邦政府が連携して厳格な管理・回収を行っています。
とくにカリフォルニア州をはじめとする州では、以下のような制裁措置が取られます:
- 給与差し押さえ(Wage Garnishment)
- 運転免許証の一時停止
- パスポートの更新拒否
- 銀行口座の差し押さえ など
さらに、裁判所の命令に違反した場合は「Contempt of Court(法廷侮辱罪)」に問われ、5日〜6か月の拘留が科される可能性もあります。
このように、アメリカでは公的機関が養育費の支払いを強制する仕組みが整っており、未払いを防ぐ実効性が高い制度となっています。
🔍 制度の違いが人生設計に与える影響
制度設計の違いは、養育費の支払い状況だけでなく、離婚後の人生設計や意思決定にも影響を及ぼします。
アメリカ🇺🇸では、制度の実効性の高さが、離婚という選択を現実的なものにしている一因と考えられます。
日本🇯🇵でも近年、養育費保証制度や民間保証会社の活用、公的支援の充実が進められていますが、制度としての強制力や罰則の整備は依然として課題といえるでしょう。
📚参考文献
- Ministry of Health, Labour and Welfare (Japan), “2021 National Survey of Single-Parent Households”
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r03.html ↩ - California Department of Child Support Services
https://childsupport.ca.gov/ ↩ - Office of Child Support Enforcement, U.S. Department of Health & Human Services
https://www.acf.hhs.gov/css ↩ - National Conference of State Legislatures – Child Support Enforcement and Criminal Nonsupport
https://www.ncsl.org/human-services/child-support-enforcement-and-criminal-nonsupport ↩
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