【第7回】シリコンバレーが日本企業と「噛み合わない」理由 ― 第7のズレ:戦略ロジック ― 最後に「選ばれるパートナー」になるために ―

日米協業の停滞を打破する、意思決定の「7つの決定的なズレ」を解き明かす
日本企業による海外スタートアップとの連携において、最大のボトルネックは「意思決定の論理とスピード感の違い」にあります。
日本側が良かれと思って行う“丁寧な対応”が、相手には“決断の先送り”に見えてしまう。
こうした認識の摩擦は、単なるコミュニケーション不足ではなく、ビジネスを動かす上での「前提条件(判断の土台)」の不一致から生じています。
Tomorrow Accessが提示する、グローバル連携の実務スタンダード
本連載では、弊社代表の傍島が長年の実務経験から導き出した「シリコンバレーが日本企業と噛み合わない理由」を、全7回にわたり体系化しました。
- 第1のズレ:関係構築(なぜ論点整理を急ぐのか)
- 第2のズレ:意思決定(なぜ「検討」と「沈黙」が停滞を招くのか)
- 第3のズレ:計画策定(なぜ完璧な合意がリスクになるのか)
- 第4のズレ:組織運営(なぜ役割より「決断者」が求められるのか)
- 第5のズレ:未来評価(なぜ数字で測れない未来を信じられるのか)
- 第6のズレ:実務推進(なぜ実証実験が事業に繋がらないのか)
- 第7のズレ:戦略ロジック(なぜ日本市場は後回しにされるのか)
第7のズレ:戦略ロジック ― 最後に「選ばれるパートナー」になるために
【本稿の論点】日本市場が後回しにされる現実をどう突破するか。
【結論】「撤退」を学びと捉える勇気を持ち、現実的なロジックで日本の価値を再定義する。撤退を「前向きな判断」として肯定する。
「プロジェクトの中止」をシリコンバレーでは「合理的な前進」として評価します。
仮説が成立しないと判明して止めることは、無駄な投資を回避した意思決定であり、次へのステップです。
得られた学びを資産と捉え、リソースを他へ振り向ける柔軟さが信頼を生みます。
日本市場が「後回し」にされる現実的なロジック
日本への興味がなくなったのではなく、成長効率の観点からの合理的な選別です。日本市場は意思決定プロセスが長く、特殊な作り込みを求められがちです。
他国へ横展開できない限り、それは成長を阻む要因になり得ます。
世界的な成長の「近道」としての日本を提示する
選ばれ続けるためには、日本市場がいかに世界的な成長を加速させる近道になるかを、彼らの論理で証明しなければなりません。
市場の特殊性を強調するのではなく、日本での成功がいかに普遍的な課題解決に直結し、将来の広がりに繋がるかという物語を提示することが重要です。
[実務での一手]
中止の際も、それを「失敗」ではなく「戦略的判断」として社内に報告する文化を作りましょう。また、相手には「日本での成功が世界展開のどのステップに繋がるか」を、彼らの成長ロジックに沿って提示してください。

【連載結びに代えて】
シリコンバレーとの「噛み合わなさ」を解消する鍵は、相手の文化に完璧に合わせることだけではありません。お互いの「判断の土台」を理解し、その違いを埋めるための具体的なアクションを積み重ねることです。
本連載が、皆さんの現場での「次の一手」を後押しする力になれば、これ以上の喜びはありません。
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