昨夜、ちょっとした事件が起きた。19時ごろにウォーキングから帰ってきた後、庭の植物に水やりをしようとして、ふとガレージの方に目をやるとガレージの隣にある小窓にヒビが入って少し割れていることに気がついた。
「えっ、なんで割れているのだろう?」と思って近づいてみると、窓の下におもちゃの弾丸のような物が落ちているのを発見した。どうやらその弾丸らしき物が窓に当たって、窓が割れたようだった。
銃社会のアメリカで暮らしていても、自分で銃を所有するなどということは考えたこともない私。最初は誰かがいたずらでおもちゃの弾丸を撃って窓に当たったのだろうと推測した。
早速、家の中にいた夫を呼んでふたりで現場検証し、発見時の状況を写真に収めた。落ちていた弾丸らしき物体を拾い、夫がネットで調べてみると、どうやら本物の弾丸っぽい。。。もし本物だとすると、イタズラにしてはタチが悪すぎるということになり、家の防犯カメラの録画映像を過去数日分確認したが、特にこれといって怪しい人物は写っていなかった。
そもそも窓ガラスが割れたのがいつなのかも不明だ。我が家は7月5日から7日まで小旅行で留守にしていたので、その間に起きたことなのか、それとも5日以前に起きたけれど単に気がつかなかっただけなのかもわからない。
隣に住むKさんご夫妻に同じようなことが起きていないか聞いてみると、心配して我が家に様子を見にきてくれた。「これは一応警察に通報した方がいいと思うよ」とご主人のGさんにアドバイスをもらい、「こういう場合は地元の警察の電話番号にかければいいのかしら?」と尋ねると、「911にかければ、管轄の警察に回してくれるよ」と教えてくれた。アメリカ生活10年目となるが、911に電話をするのは夫婦揃って初めてである。
Kさんご夫妻にお礼を述べて、自宅に戻り、夫婦間でどちらが911に電話をするかを一瞬ジャンケンで決めようとしたが(さすがに911となると緊張するので)、ここはやはり家長である夫が電話すべきだという意見で一致した(昭和世代)。
私も一緒に内容を聞けるようにスピーカーにして電話をかける夫。ドキドキしながら応答を待っていると、聞こえてきた第一声は機械音で”All operators are busy right now.”(現在、通話が混み合っております)であった。。。
「えっ、911ってオペレーター全員が電話応対中ということもあるの?」と軽いショックを受けつつ、そのまま待っていると約20秒後ぐらいにオペレーターに繋がった。夫が事情を話すと、管轄の警察に電話が転送され、状況確認のために警察官を派遣してくれることになった。
電話をしてから10分後ぐらいに、がたいのよい警察官(officer)が我が家に来てくれた。体格はしっかりしているが、優しい雰囲気のオフィサーに「弾丸らしき物」を手渡すと、やはりそれは本物の弾丸だと断言された。恐ろしい。。。
我が家が誰かに狙われたのだろうか?コロナ以降はほとんど人付き合いをしていないので、誰かに恨まれるような心当たりはない。ご近所さんとも適度な距離感で良好な関係を築いているはず。。。などと考えていると、現場を見たオフィサーが「もし本当に窓が狙われたなら、弾丸は貫通して、窓ガラスは粉々に割れているはずだから変だなー。」と言う。
確かにそのとおりである。弾丸は窓に小さな穴を開けただけで、窓の下に落ちていた。狙って撃たれたとは考えにくい。謎だ。
その後、オフィサーに言われたとおりに防犯カメラの映像や、現場の写真を送り、捜査結果を待つことになった。
「ここは銃社会、アメリカ。怪我人も、死者もいない今回のような事件は後回しにされるであろうことは想像に難くないので、返事は来なくても仕方ない」と半ば諦めていたのだが、思いがけずその日の夜遅くにオフィサーからテキストで連絡があった。
捜査の結果、銃の専門家により、我が家で見つかった弾丸は7月4日の”July 4th ”(アメリカ独立記念日)に誰かが空中に向けて撃った弾が落ちてきて、それが窓に当たったのであろうと結論づけられたとのことだった。
これまで知らなかったのだが、July 4th(独立記念日)とNew Year’s Eve(大晦日)にはお祝いの意味で銃を空中に向けて放つ人がいるらしく、我が家と同じような目に遭っている人も結構いるらしかった。
「危ないからやめてくれ!」と声を大にして言いたいところだが、たぶん銃を空中に向けて撃つような人は、弾道について考えたことがないのだろう。弾は上に放っても消えて無くなるわけではなく、必ず加速度をつけて下に落ちてくるのである。窓ガラスが割れるぐらいで済んだからよいが、これが万が一人間に当たったらと思うとゾッとする。
今後、July 4thとNew Year’s Eveの夜はどこにも出かけず、家でじっとしていよう。。。とますます出不精に拍車がかかる私なのであった。ははは。
追記:その後、カリフォルニア州では空中に向けての銃の発砲が違法であることを知った。以下、”ChatGPT 4o”による回答です。
カリフォルニア州では、空に向けて銃を発砲することは刑法第246.3条に基づき、軽犯罪または重罪として起訴されます。重罪の場合、最大3年の州刑務所での懲役が科される可能性があります。さらに、発砲によって誰かが死亡した場合、発砲者は殺人罪で起訴される可能性もあります。 (Shouse Law Group) (Law Offices of John D. Rogers) (The Rodriguez Law Group)。