【第3回】シリコンバレーが日本企業と「噛み合わない」理由 ― 第3のズレ:計画策定 ― 完璧な合意より「走りながらの修正」を ―

日米協業の停滞を打破する、意思決定の「7つの決定的なズレ」を解き明かす
日本企業による海外スタートアップとの連携において、最大のボトルネックは「意思決定の論理とスピード感の違い」にあります。
日本側が良かれと思って行う“丁寧な対応”が、相手には“決断の先送り”に見えてしまう。
こうした認識の摩擦は、単なるコミュニケーション不足ではなく、ビジネスを動かす上での「前提条件(判断の土台)」の不一致から生じています。
Tomorrow Accessが提示する、グローバル連携の実務スタンダード
本連載では、弊社代表の傍島が長年の実務経験から導き出した「シリコンバレーが日本企業と噛み合わない理由」を、全7回にわたり体系化しました。
- 第1のズレ:関係構築(なぜ論点整理を急ぐのか)
- 第2のズレ:意思決定(なぜ「検討」と「沈黙」が停滞を招くのか)
- 第3のズレ:計画策定(なぜ完璧な合意がリスクになるのか)
- 第4のズレ:組織運営(なぜ役割より「決断者」が求められるのか)
- 第5のズレ:未来評価(なぜ数字で測れない未来を信じられるのか)
- 第6のズレ:実務推進(なぜ実証実験が事業に繋がらないのか)
- 第7のズレ:戦略ロジック(なぜ日本市場は後回しにされるのか)
第3のズレ:計画策定 ― 完璧な合意より「走りながらの修正」を
【本稿の論点】なぜ彼らは未完成の状態で動こうとするのか。
【結論】「不完全な実行」は、時間を浪費するリスクを避けるための合理的な知恵である。正しい判断は、進みながらでないと見えてこない。
「詰めが甘い」という懸念の裏側には、シリコンバレー特有の「正しい判断は進みながらでないと見えない」という確信があります。
不完全な状態でまず進め、途中で修正することを前提としたスタイルが一般的です。
決定事項が後から変わることは失敗ではなく、動いた結果得られた「学び」に基づく前向きな更新として受け止められます。
前提条件は「守るべき合意」ではなく「検証すべき仮説」
前提条件は進みながら修正される「仮置きのもの」として扱われます。すべての合意を待つことはスピードを落とすリスクと考えられています。
彼らの会話は、「この前提が正しいと仮定したら、次に何をするか」というシミュレーションの形で進みます。
当初の計画に固執することこそが、変化に対応できていないと評価される要因になります。
「時間を有効に使う」ための余白の設計
未完成の状態で動き出し、反応を見ながら判断を更新する。この姿勢こそが、貴重な時間を浪費するのを防ぐための知恵なのです。
完璧な計画図を描くことよりも、次に試すべき具体的な一手を即座に提示できるかどうかが、プロジェクトの推進力を左右します。
[実務での一手]
「100%の合意」を待たずに、まずは60〜70%の確信でプロジェクトをスタートさせましょう。やりながら軌道修正する体制を社内に作っておくことが、機会を逃さないための鍵となります。

当社のメールマガジンでは、シリコンバレーの最新トレンドやビジネス戦略に関する情報を発信しています。メルマガをご希望の方は、こちらのサイトからご登録ください。